千葉県船橋市で開業する、市川ビルさとう歯科医院の佐藤博章先生。多くの歯科医院が「患者ファースト」を掲げるなかで「スタッフファースト」を掲げる、異色の経営者だ。
スタッフの満足度が上がると、患者満足度は上がる。逆もしかりで、患者の満足度が上がれば、スタッフの満足度も上がる。患者の満足度向上を目指す歯科医師は多いが、その先にあるスタッフの満足度向上を目指す歯科医師はそう多くない。
クラウド予約管理システム、ジニーを提供する株式会社DentaLightが行った『LIGHT Heart』セミナーで、佐藤博章先生が語った歯科医院経営の哲学を取材した。
スタッフの満足度が上がると、患者満足度は上がる。逆もしかりで、患者の満足度が上がれば、スタッフの満足度も上がる。患者の満足度向上を目指す歯科医師は多いが、その先にあるスタッフの満足度向上を目指す歯科医師はそう多くない。
クラウド予約管理システム、ジニーを提供する株式会社DentaLightが行った『LIGHT Heart』セミナーで、佐藤博章先生が語った歯科医院経営の哲学を取材した。
「場をつくること」がすべて
私が「スタッフファースト」を目指したきっかけは、勤務医の頃の体験にあります。当時勤めていた職場は、歯科医師にとっては働きやすかったのですが、歯科衛生士にとっては必ずしも働きやすくなかった。だからスタッフは、短期間で辞める度に次のスタッフが入ってくるという、出入りの激しい職場でした。
その頃の経験から、現在当院で実践している「スタッフファースト」について、真剣に考えるようになりました。
スタッフがやりがいを感じられるための環境を作ることが、院長としての自分の仕事だと思っています。スタッフがやりがいを感じられる職場でないと、いくら労働条件が良くても離れていってしまいます。
当院では、歯科医師や歯科衛生士だけでなく保育士、管理栄養士、事務長などさまざまな職種のスタッフが働いていますが、彼・彼女たちが歯科医院のなかでそれぞれの職種や個性を活かすにはどうすれば良いのか、どのような仕事を与えられるかを考え続けています。
このことが、スタッフ1人1人と向き合い、スタッフの満足度向上につながっているのだと思います。
その頃の経験から、現在当院で実践している「スタッフファースト」について、真剣に考えるようになりました。
スタッフがやりがいを感じられるための環境を作ることが、院長としての自分の仕事だと思っています。スタッフがやりがいを感じられる職場でないと、いくら労働条件が良くても離れていってしまいます。
当院では、歯科医師や歯科衛生士だけでなく保育士、管理栄養士、事務長などさまざまな職種のスタッフが働いていますが、彼・彼女たちが歯科医院のなかでそれぞれの職種や個性を活かすにはどうすれば良いのか、どのような仕事を与えられるかを考え続けています。
このことが、スタッフ1人1人と向き合い、スタッフの満足度向上につながっているのだと思います。
「スタッフファースト」実現のための3カ条
私がスタッフの満足度向上のために行っていることは、大きく分けて3つあります。まずは、「目標を数値で明確化し、そこから逆算して経営計画を立てる」ということ。次に、「人的投資は、必ず患者を増やす前に行う」こと。そして最後に、「スタッフは1から育てる」ということです。
それぞれの項目について、詳しく話していきましょう。
それぞれの項目について、詳しく話していきましょう。
目標は、数値で表す
まずは、目標は数値化することが大事だと思っています。漠然と「スタッフの満足度を上げたい」という目標を立てても、その実現は難しい。数値で明確化した後にシミュレーションし、その数値に合わせて経営計画を立てていくことがとても大切です。
スタッフ採用のタイミングとは?
次に、「人的投資は患者を増やす前に行う」というポリシーがあります。人的投資とは、例えばスタッフの採用です。患者が増えるのに人的投資を行わないと、当たり前ですがスタッフ1人1人の負担が大きくなってしまいます。患者数のコントロールを行いながら、先周りでスタッフ調整に手を打つということを、当院ではやっています。
人的投資は、採用だけではありません。スタッフ教育も、人的投資の1つです。歯科医院の外から講師を呼び、技術や接遇についてセミナーを開催しています。
「歯科医院の外から」という点が、実は大事です。歯科医院のなかから教育者を選ぶのではなく、教育をアウトソーシングする。歯科医院のなかでセミナーを行うよりも、スタッフは聴く気になったり、素直に従ったりすることが多いです。
もちろんその分コストはかかりますが、人件費と売上・利益を天秤にかけ、ある程度の目処が立てられているからこそ、実現できることだとは思います。
人的投資は、採用だけではありません。スタッフ教育も、人的投資の1つです。歯科医院の外から講師を呼び、技術や接遇についてセミナーを開催しています。
「歯科医院の外から」という点が、実は大事です。歯科医院のなかから教育者を選ぶのではなく、教育をアウトソーシングする。歯科医院のなかでセミナーを行うよりも、スタッフは聴く気になったり、素直に従ったりすることが多いです。
もちろんその分コストはかかりますが、人件費と売上・利益を天秤にかけ、ある程度の目処が立てられているからこそ、実現できることだとは思います。
新卒しか採用しない理由
コストをかけてスタッフ教育を行っても、すぐには結果・利益となって現れません。でも、スタッフに教育の結果を強要しないことをポリシーとして持っています。
はじめから良い人を採用することは、とても難しいです。当院では、歯科医師・歯科衛生士ともに新卒のみを採用して、1から育てていくことにしています。期待しすぎず、伸びるのを待つという気持ちがあります。
はじめから良い人を採用することは、とても難しいです。当院では、歯科医師・歯科衛生士ともに新卒のみを採用して、1から育てていくことにしています。期待しすぎず、伸びるのを待つという気持ちがあります。
私はスタッフを採用するとき、話していて笑顔が出るかどうかを見ています。それに加えて、「もし院長が白いものを黒だと言ったらどうする?」という質問を投げかけます。
私は、院長が黒だと言ったら「黒です」と言えるような、歯科医院の雰囲気に染まる素直さがあるスタッフを採用するようにしています。歯科医院として治療に対する考え方はブレずに、1から10まですべて教えられるような職場を目指しています。
私は、院長が黒だと言ったら「黒です」と言えるような、歯科医院の雰囲気に染まる素直さがあるスタッフを採用するようにしています。歯科医院として治療に対する考え方はブレずに、1から10まですべて教えられるような職場を目指しています。
当院は、総勢40名ほどのスタッフが在籍しています。歯科医院は狭く閉ざされた職場環境に陥りがちですが、これくらいのスタッフがいれば、入ってきたスタッフも安心して働けるのではないかと思っています。