歯科 × 禁煙指導、WHO「歯科での禁煙ガイドライン」を読む

歯科 × 禁煙指導、WHO「歯科での禁煙ガイドライン」を読む

文・構成:H. Takizawa | 投稿日: 2019年12月06日
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ここ数年で禁煙・分煙はすすめられてきたと感じる人が多いだろう。今まで行っていたカフェの喫煙席がなくなる、学校や病院の喫煙所が撤去されるといったことが行われているのを目にしたことがある方も多いかもしれない。

しかしながら、世界的に見れば、禁煙はまだ日本は先進国の中では遅れているのが現状である。

例えば、2004年アテネ大会以降の東京以外の全てオリンピック開催都市(アテネ、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオデジャネイロ)は会場だけではなくレストラン等を含む屋内施設が全面禁煙となる罰金付きの法律や条例が制定されている。

こうした現状を鑑みると、日本でもさらなる禁煙が進められるべきかもしれない。

「歯科医療 × 禁煙」の可能性

もちろん、喫煙は歯周病、歯肉・歯冠修復物への色素沈着、口腔がんを含む悪性腫瘍、循環器疾患の原因になる。

また、喫煙は本質的にはニコチン依存症という薬物依存の状態であり精神科の疾患である。

禁煙指導は歯学ではあまり重視されてこなかった側面があるが、今日の歯学教育では衛生学(予防歯科学)や内科、歯周病、病理学といった科目で喫煙が口腔疾患や全身に与える影響について教えられている。

では、実際に患者さんに禁煙を指導するにはどうしたら良いのだろうか。

ここでWHOの歯科での禁煙ガイドライン(Tobacco or oral health: an advocacy guide for oral health professionals)を見てみよう。

歯科医院の禁煙指導は「4Asモデル」に従う

歯科医院での禁煙指導は、4Asモデルに従うのがよいとされている。

4Asモデルとは、4つのaから始まる単語を実践することであり、具体的にはask(定期的に喫煙の有無をすべての患者でチェックする)、advise(喫煙者には禁煙することのメリットを伝える)、arrange(禁煙のモチベーションが高い場合は専門外来を紹介する)、assist(禁煙を支援する。具体的には禁煙することのメリットの強調や、禁煙日の設定をすること)の4つである。

しかしながら、禁煙指導は保険適用がないことや、診療に追われて時間がないという開業医の先生方の意見もあるだろう。

WHOの文献では、「3分だけ禁煙することのメリットを話す」だけでも有意に効果が見られたとガイドラインで示している。

また、具体的な方法や禁煙指導への自信がないということもあるだろう。その場合は歯科医師会の禁煙指導の教材を使うと良いと思われる(教材は参考文献リストにリンクあり)。

WHOのガイドラインでも、公的機関の教材やレクチャーを医療関係者が受けるのも有効とされている。

国民の健康に寄与するためには、歯科関係者一人ひとりが禁煙指導に関われば、健康寿命が伸びるのかもしれない。

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参考文献

  1. 神奈川県,<URL>,オリンピックと喫煙規制 世界保健機構(WHO)/国際オリンピック委員会(IOC)
  2. 稲垣幸司ら. (2018). 歯周治療における禁煙支援の手順書. 日本歯周病学会会誌, 60(4), 201-219.
  3. FDI / WHO (2005) Tobacco or oral health: an advocacy guide for oral health professionals. Edited by Beaglehole RH and Benzian HM; FDI World Dental Federation, Ferney Voltaire, France / World Dental Press, Lowestoft, UK.
  4. 禁煙ガイドライン(2010 年改訂版).循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2009 年度合同研究班報告)
  5. 禁煙支援教材,<URL>,日本歯科医師会
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