歯槽堤増大術やGBR後に起こる粘膜変形や前庭の浅化――
それを「しかたない」とあきらめていませんか?
こうした状態を放置すると、清掃性や審美性の低下にとどまらず、補綴・インプラント治療の予後不良にもつながります。
そのような状況に対して、近年再評価されているのが 「strip gingival graft technique(ストリップテクニック)」です。
この術式は、1993年にHenry H. Takeiらによって提唱された方法を原点とし、角化粘膜の獲得や前庭の拡張を目的とするものです。
現在では、最新の解剖学的知見と外科技術の進歩により、より精密かつ再現性の高い軟組織移植術として再構築されており、日常臨床への応用が広がっています。
strip gingival graft techniqueは、低侵襲でドナー部位の侵襲が少なく、術後の疼痛も軽度であることから、
複数回にわたる処置や再治療において非常に有効です。
実際、従来の遊離歯肉移植術では、
「1回目の移植で強い痛みを訴えられ、2回目は患者に断られた」
という経験をされた先生も多いのではないでしょうか。
このテクニックはそういった臨床課題を解決し、患者の負担を最小限にしながら、長期的に安定した軟組織環境を構築できる術式として注目されています。
本セミナーでは、日本歯周病学会 認定歯周病専門医・指導医 金森行泰先生が、
この「strip gingival graft technique」について、原点となる考え方から最新の精密術式までを、実症例を交えてわかりやすく解説します。
こんな方におすすめ
👉 ストリップテクニックを日常臨床で実践したい
👉 遊離歯肉移植術で患者の苦痛・拒否に課題を感じている
👉 GBR後や増骨後の粘膜変形への対応力を高めたい
👉 精密かつ審美的な軟組織移植術を習得したい
👉 患者のQOLと治療継続率を向上させたい
講義目次
Takeiらによる術式の歴史と原理
解剖学的知見に基づく現代的再構築
適応症と術前診断のポイント
正確な切開・採取・移植・縫合のステップ
再治療・複数部位対応の実際
術後管理と患者満足度の向上戦略
日本歯科大学卒業、日本歯周学会歯周病専門医ミシガン大学卒後研修(インプラント)修了。2010年にかなもり歯科クリニックを開院。日本歯周病学会歯周病専門医・指導医。国際口腔インプラント学会認定医。アメリカ歯周病学会会員。日本口腔インプラント学会会員。日本顕微鏡歯科学会。公益社団法人日本歯科先端技術研究所インプラント認定医。臨床歯科麻酔管理指導者。