歯科医師として働きながら医学部編入を目指し、夢を掴んだ一人の男の物語。連載第3回目は、医学部に編入してからの生活をお届けします。
医学部に入学してからは楽しい時間を過ごさせてもらっています。自分の好きな勉強をしつつ、歯科医の非常勤もさせていただき歯科の勉強もしつつお金ももらえると。
しかし医学部に入学してから一番大切なことは勉強ではないと個人的に考えています。もちろん勉強はしないといけないのですが、まずは友人関係の構築が重要だと思います。
医学部において進級するためのテストやCBTなどは単に教科書とにらめっこしても高得点がとれるわけではありませんし、学年によっては毎週テストが課される医学部ではいかに効率的に点数を取ることが重要となります。
そのためには過去問やテストに関する情報が大切となります。もちろん教科書を読むことも大切ですし、最終的には読むべきなのですが、まずは進級し、国家試験に合格しないと医師になれません。
さらに学生時代は勉強以外にもバイトやはたまた恋愛や結婚後に再受験などをした場合には家庭など様々なことに時間を費やす必要があると思います。そのためにも効率的に点数をとり進級しましょう。
ただ進級や点数のために同級生と仲良くなれというわけでもなく、同級生は将来の仕事仲間でもあります。自分と他の科へ進む場合でも自分の担当患者さんが他の病気などをもっている場合には他科へのコンサルトも重要です。
その際に仲の良い同級生や先輩、後輩がいる場合にはお互いに仕事がやりやすくなります。まさに持つべきものは友です。まあ自分はそこまで完璧に友人関係は構築できているとは思わないのですが、ただとても重要です。
そのためにはぜひ部活に入ることをおススメします。歯学部時代の同じ部活の同級生はいまでも連絡を取り合いますし、一生の友人だと思っています。もちろん医学部の友人もそうだと思っています。
ただ自分はたまに再受験してよかったのかと考えることがあります。確かに自分は運よく合格できました。しかし合格できなかったとしたら今頃どうしているのだろうかと。
歯科医として非常勤で勤務していますが、歯科治療の奥深さを毎日感じています。自分としてはきちんと勉強して治療をしていますが、歯科医のみをされている方と比較すると中途半端なのではないかと考えることもあります。なかなか日程的に学会や勉強会などに参加することはできないからです。
年齢のこともありますし、自分に多額の税金が投入されていると思うとなかなかどうして、僕で良かったのかと思う時もあります。
そのようなことがあるので、自分のツイッターではあまり安易に再受験をしない方がいいというようにしています。医療系でない人はあまり実感ないと思うのですが、医学部に合格しても本当に単にスタート地点に立っただけです。
そこから進級、CBT,OSCE、国家試験を経てやっと研修医。まずここまでが大変。その後で研修医を2年やり遂げる。その後に専門を決めて後期研修医。
ここで専門医を取得してやっと医師と名乗っていいかなあというレベルだと思います。いや長い。医学部に合格しても国家試験に合格しない方もいらっしゃいますし、医師になってバンバン治療して治すのだと思っても現実は色々なことがあります。
ただそのような簡単な道ではないからこそとてもやりがいがある仕事でもあります。僕は順調にいけば後1年と少しで国家試験です。無事に医師になれたら、当初の予定通り癌を専門にする予定です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。自分と同じように歯学部から再受験を考えている方の少しでも参考になればと書きました。ツイッター(@CByH1dDjwXfH7kt)もやっていますので、そちらもよろしくお願いします。