歯科衛生士の国家試験内容とは？試験日程・難易度・合格率などを解説｜歯科医師・衛生士・技工士向けSNS・情報サイト1D(ワンディー)

1D編集部

2022年1月21日

歯科衛生士国家試験とは

歯科衛生士国家試験とは、日本国内で歯科衛生士の資格を取得するために行われる試験です。毎年3月上旬の日曜日に行われます。

試験の内容を厚生労働省のホームページより引用します。

人体（歯・口腔を除く。）の構造と機能、歯・口腔の構造と機能、疾病の成り立ち及び回復過程の促進、歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み、歯科衛生士概論、臨床歯科医学、歯科予防処置論、歯科保健指導論及び歯科診療補助論

基本的には、歯科衛生士学校の講義で習ったことが出題されます。実際に歯科衛生士国家試験で出題された、過去問を解くことも有効な対策法です。

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歯科衛生士国家試験の受験資格

歯科衛生士国家試験の受験資格には、まず歯科衛生士学校に入学し、3年以上の勉学の期間を経て、卒業する必要があります。歯科衛生士学校には「大学」「短期大学」「専門学校」の3つの種類があり、いずれも3年以上の修業が必要です。

歯科衛生士学校に通う3年間で、解剖学や生物学などの基礎科目から、実際の歯科医院で歯科診療を学ぶ臨床実習まで、多くのカリキュラムをこなす必要があります。

具体的には以下のように定められています。

（1）文部科学大臣の指定した歯科衛生士学校を卒業した者（試験日までに卒業する見込みの者を含む。）
（2）都道府県知事の指定した歯科衛生士養成所を卒業した者（試験日までに卒業する見込みの者を含む。）
（3）外国の歯科衛生士学校を卒業し、または外国において歯科衛生士免許を得た者であって、厚生労働大臣が（1）または（2）に掲げる者と同等以上の知識および技能を有すると認めた者

厳しい3年間の授業・実習を経て、ようやく歯科衛生士学校を卒業することができれば、歯科衛生士国家試験の受験資格を得ることができます。

歯科衛生士国家試験の試験概要

歯科衛生士国家試験の試験形式はマークシートによる多肢選択方式です。試験時間は午前が9:30～12:00、午後が13:30～16:00です。合格基準は例年全体の60％以上となっています。

願書提出期間は、2022年1月5日（月）～1月14日（水）消印有効の原則郵送で受け付けています。

歯科衛生士国家試験の受験手続き

歯科衛生士国家試験を受験使用する者は受験願書、卒業証明書若しくは卒業見込証明書又は歯科衛生士国家試験受験資格認定書の写し及び写真（出願前6月以内に脱帽正面で撮影した縦6㎝、横4㎝のもので、その裏面に撮影年月日及び氏名を記載すること）を準備することが必要です。

受験願書、写真用台紙、受験手数料払込用紙等は、当財団から9月下旬に各学校・養成所へ送付されます。なお、既卒者の方など、個人で願書を請求する場合は一般財団法人歯科医療振興財団に受験願書を請求する必要があります。（詳しくは一般財団法人歯科医療振興財団のウェブサイトをご覧くだい。）

歯科衛生士国家試験の試験日

歯科衛生士国家試験は、毎年3月上旬の日曜日に行われます。

令和3年度の第31回歯科衛生士国家試験の日程は令和4年3月6日（日）となっています。

歯科衛生士国家試験の試験会場

歯科衛生士国家試験の試験地は例年、「北海道、宮城県、千葉県、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県」に設けられます。

第31回歯科衛生士国家試験の試験会場は以下の通りです。

北海道：天使大学＜北海道札幌市東区北13条東3-1-30＞
宮城県：仙台白百合女子大学＜宮城県仙台市泉区本田町6-1＞
東京都：大妻女子大学（千代田キャンパス）＜東京都千代田区三番町12番地＞
新潟県：日本歯科大学新潟生命歯学部＜新潟県新潟市中央区浜浦町1-8＞
愛知県（第一会場）：TKPガーデンシテイPREMIUM名古屋新幹線口（井門名古屋ビル）＜愛知県名古屋市中村区椿町1-16＞
愛知県（第二会場）：TKPガーデンシテイPREMIUM名駅西口（ベルヴュオフィス名古屋ビル）＜愛知県名古屋市中村区則武1-6-3＞
愛知県（第三会場）：TKP名古屋栄カンファレンスセンター（名古屋日興証券ビル）＜愛知県名古屋市中区栄3-2-3＞
大阪府（第一会場）：天満研修センター＜大阪府大阪市北区錦町2-21＞
大阪府（第二会場）：TKPガーデンシテイ大阪梅田（TKPゲートタワービル）＜大阪府大阪市福島区福島5-4-21＞
広島県：広島工業大学専門学校＜広島県広島市西区福島町2-1-1＞
香川県：香川短期大学＜香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁10番地＞
福岡県：福岡大学（七隈校舎1号館、7号館）＜福岡県福岡市城南区七隈8-19-1＞
沖縄県：国際電子ビジネス専門学校＜沖縄県那覇市壺川3-5-3＞

歯科衛生士国家試験の受験料

歯科衛生士国家試験の受験手数料は、14,300円を5連式払込用紙を使用して振込みます。受験に関する書類が受理された後は、受験手数料は返還されません。

歯科衛生士国家試験の試験科目・出題数

歯科医師国家試験の出題数は220問で、試験科目は以下の通りです。

人体（歯・口腔を除く）の構造と機能
歯・口腔の構造と機能
疾病の成り立ち及び回復過程の促進
歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
歯科衛生士概論
臨床歯科医学
歯科予防処置論
歯科保健指導論
歯科診療補助論

歯科衛生士国家試験の合格・解答発表

歯科衛生士国家試験の合格発表は、毎年3月下旬のお昼頃に一般財団法人歯科医療振興財団及び厚生労働省のホームページで発表されます。解答発表は合格発表後、厚生労働省のホームページに掲載されます。

令和3年度第31回歯科衛生士国家試験の合格発表は令和4年3月25日（金）午後2時に公示されます。

歯科衛生士国家試験の過去問題

歯科衛生士国家試験に合格するために、過去問題は目を通しておく必要があります。参考にいくつかピックアップしますが、問題集などでしっかり勉強しましょう。

フッ化ジアンミン銀の特徴はどれか。2つ選べ。

a. 無味無臭である
b. 塗布面は黒変する
c. 劇薬に指定されている
d. 38％のフッ素イオンを含む

正解：b, c

パーキンソン病で正しいのはどれか。2つ選べ。

a. 可逆性疾患である
b. 神経変性疾患である
c. 脳内のドーパミン過剰がみられる
d. 安静時の振戦がみられることが多い

正解：b, d

ヒヤリハット事例はどれか。1つ選べ。

a. 歯垢染色液を患者の衣服に付着させた。
b. 患者誘導の際、無影灯が患者の頭部にあたった。
c. 試適したブリッジを口腔底に落下し、取り出した。
d. 車椅子利用の患者を治療椅子に移乗する際、転倒させた。

正解：c

歯科衛生士国家試験の難易度・合格率

歯科衛生士国家試験の合格率は約95%と高止まりしており、きちんと対策をして臨めば合格することができるでしょう。

もちろん、合格率95%と言えど、油断することはできません。受験資格に規定のない試験とは異なり、3年間勉強したとしても5%は不合格になる試験です。しっかりと事前の準備をして臨みましょう。

歯科衛生士国家試験の受験者数の推移

歯科衛生士国家試験の受験者数は、以下のように推移しています。

平成29年：7,218名
平成30年：7,374名
平成31年：7,207名
令和2年：7,216名
令和3年：7,099名

歯科衛生士国家試験の合格基準

歯科衛生士国家試験の合格基準は、220問のうち60％（132問）以上とされています。

第30回歯科衛生士国家試験（令和3年）の合格点は、1問題1点の合計215点満点のうち129点以上でした。

歯科衛生士国家試験の合格者数と合格率

過去5年間の合格率・合格者数は以下のように推移しています。

平成29年：93.3％ 6,737名
平成30年：96.1％ 7,087名
平成31年：96.2％ 6,934名
令和2年：94.3％ 6,808名
令和3年：93.3％ 6,624名

第30回歯科衛生士国家試験では、受験者7,099名に対して合格者6,624名でした。

歯科衛生士国家試験の難易度

歯科衛生士国家試験の難易度は、合格率でいうと95%程度となっていて比較的合格しやすい試験です。歯科衛生士学校に3年以上通い卒業することで受験資格が得られる点では、やや取得難易度は高いといえます。

参考例として他の医療系・コメディカル系職種の国家試験合格率は、看護師国家試験は90%程度、理学療法士国家試験は83%程度、介護福祉士国家試験は69%程度、診療放射線技師国家試験は80%程度となっています。

歯科衛生士国家試験の勉強方法

歯科衛生士国家試験の勉強方法は、まず歯科衛生士学校での3年間の講義と実習がメインになります。卒業までにも国家試験を想定した定期試験があるので、ひとつひとつをしっかりと勉強して臨むことで知識が積み上がっていきます。

また過去問題を解くことは傾向を掴み国家試験対策として重要で、受験者のほとんどが行う勉強方法です。いつから始めるかは人それぞれですが、遅くとも受験の1年くらい前からコツコツやっていくと終盤で焦らず済むでしょう。

歯科衛生士国家試験向けの模試もあります。模試はきちんと復習しましょう。特に正答率はよくみておきましょう。きちんと正答率が高い問題を間違った場合は復習しておきましょう。基本的には９割以上の受験生が受かる試験です。もし成績が合格ラインにが足らない場合は基礎中の基礎がまな習熟していない可能性があります。難しいところをやるより基礎からやりましょう。

基礎的な解剖などの教科から臨床教科への知識へとつなげるとさらに成績が伸びます。どこでつながるか最初は分からないかもしれません。このあたりは成績のいい友達と一緒に勉強したり、先生に質問したりして学習してみるといいでしょう。

まとめ

歯科衛生士国家試験には歯科衛生士学校卒業という受験資格があり、試験内容も基礎医学から臨床歯科医学まで多岐に渡るため、合格率が高いとはいえ難易度の易しい試験とは言えません。

しかし、3年間の勉学・実習期間を経て受験すれば多くの方は合格することができる試験ですから、地道に努力を続けることが大切です。

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