年も明け、いよいよ本格的な受験シーズンに突入しました。歯学部6年生は国家試験、1〜5年生は進級試験、高校3年生は大学受験で頭がいっぱいなのではないでしょうか。
歯学部は、一般的な文系大学と異なる部分がたくさんあります。今日は、「歯学部に入学する前に知っておきたかった6つの真実」と題して、歯学部の理想と現実をお伝えします。
歯科医師になるためには、歯学部に入学し6年間の教育課程を終え、歯科医師国家試験に合格する必要があります。一度も留年しなければ、最短6年間で歯科医師になることができますが、歯学部はそんなに甘い世界ではありません。
文部科学省によれば、歯学部における「最低修業年限(6年間)での歯科医師国家試験合格率」は、全大学平均で53.7%。およそ2人に1人は、留年や休学を経験する計算になります。
これから歯学部に入学をしようとしている方は、せっかく仲良くなった友だちが普通に留年していくという経験をすることになるでしょう。

大学ごとに違いはありますが、多くの大学では1年次は語学や基礎科学、統計などの「歯に直接関係がない」科目を学びます。2年次もほとんど同様で、3年次からようやく専門的な歯科臨床科目を履修できる大学が多いようです。
これから歯学部に入学する人は1年後、「歯学部で1年間勉強したのに、歯のこと全然わからない...」と落胆しているかもしれません。

歯学部は、一般的な文系大学とは違い、ほとんどが必修科目で構成されています。大学によっては6年を通じてクラスが固定されているところもあり、1年生での失敗を6年生まで引きずることもあり得ます。
大学生になり、開放的に遊びたい気持ちもわかりますが、歯学部で生き残りたいのであれば入学直後は慎重に行動するが吉でしょう。

歯学部は一般的な学部よりも、浪人や社会人経験を経て入学してくる学生が多いです。歯学部でのルールは、「年齢に関係なく、学年が上の方が偉い」。その人が年下であっても、学年が1つでも上ならば敬語を使うのがベターでしょう。

歯学部では、勉強に実習に忙しい日々が続きます。筆者も大学生になったらオレンジデイズのようなキャンパスライフが送れると信じていましたが、1年生の序盤でその希望は泡と消えました。

どうしても歯に興味が湧かない、歯科医師になれる気がしない、という人は、休学や退学も選択肢のひとつです。
歯学部を卒業したところで、歯科医師国家試験に合格しなければ「歯に詳しいただの人」です。大卒っちゃ大卒ですが、他の業界への潰しが効くわけでもないので、撤退の意思決定は早めにするが吉でしょう。