"いい唾液の日" が制定。「唾液」が歯科医療の概念を拡大する?

文・構成:槻木 恵一 | 投稿日: 2021年11月16日
日本唾液ケア研究会は、11月28日を「いい唾液の日」として記念日登録を行ないました。これは、「いい(11)つば(28)」の語呂から由来しています。本記事では、記念日の制定に際して、唾液の持つ可能性について概要に触れていきます。

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異物の入り口としての口腔

口腔は、外来異物の侵入口であり、口腔における外来異物の排除能は、病気になるかならないかを決めています。その外敵からの防衛機能を担うのが唾液です。

この唾液の機能は、量と質(成分)の側面があり、量が少なければドライマウスを招きQOLを損ない感染リスクを高めます。さらに質の面では、唾液中には100種類以上の物質が含まれ、抗感染物質の低下も、やはり感染リスクを高めてしまいます。

この感染のリスクは、インフルエンザなどによる全身性の感染症も含まれ、口腔疾患だけでない点は重要です。この唾液による感染防御システムは、口腔内の汚れにより作用しにくくなることから、口腔清掃は極めて重要であると言えます。

「唾液ケア」というコンセプト

しかし、口腔清掃は、多くても 1日3回しかありませんが、唾液は24時間口腔を守っており、3回の口腔清掃は、むしろ、唾液による防御システムの維持を図る意味もあります。口腔ケアにおいて、このコンセプトは、十分取り上げられていないことから、あえて「唾液ケア」というコンセプトの構築を社会に提案したいと考えています。

唾液の歯科医療への浸透は、量の重要性とともに質の維持向上がキーポイントです。このことから、唾液が機能水として健康に意味のある体液として受け入れられることで、口腔ケアの重要性に新たな意義が追加されることになり、歯科医療の拡大につながることは疑いないでしょう。

唾液は、歯科医療の新たな地平となるか?

歯科医療の拡大というと歯科固有のコンセプトに制約されたイメージを持ちますが、唾液は血液の成分を反映するなど全身との関連は密接であり、唾液中のIgAは、腸管からの影響をうける腸-唾液腺相関を示すことから、歯科医療を超えた存在になりえる価値を含んでいます。

すなわち、唾液は全身を見据えており、広く学際的な存在であることを踏まえて歯科医療から広げたとき、歯科医療に新たな付加価値が生まれるはずです。

日本唾液ケア研究会は、唾液の量と質を両輪ととらえ唾液の機能を向上する方法を唾液ケアとして普及することを目的としています。この普及は国民の健康を守るためであり、その最前線にいる歯科医療関係者とも問題意識を共有し、これまでの「点」としての活動から「面」として広げる活動に展開が必要です。

「いい唾液の日」記念講演会を開催!

今回「いい唾液の日」として認可された11月28日に、記念講演会(お申し込みはこちらから)を行います。本講演では、唾液を新しい切り口から捉えなおし、新時代の唾液像を提示したいと考えています。無料で参加可能ですので、ぜひご参加ください。
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