治療内容や個人情報以外に申し送りが必要な情報をメモする「サブカルテ」は、歯科医療者であれば一度は触れたことがあると思う。
診療をする上でマストではないが、目隠しのタオルが苦手だとか、いつもお菓子を差し入れしてくれるなど、患者の特徴みたいなものは共有しておきたいし、スタッフ間で認識を分かち合うことは歯科医院の運営にとってとても重要だ。
そのため多くのクリニックが「サブカルテ」を導入していて、同時に記入する手間やかさばる書類の山に悩まされてもいると思う。
レセプト、診察券、アポ帳など、日常診療に欠かせないツールがデジタル化していく中「サブカルテ」はいまだに紙、というクリニックも多いのではないだろうか。
「サブカルテ」こそデジタル化すれば、書類棚も増やす必要がないし、カルテとは別に手書きで時間を使う必要もなくなる。まさしくサブカルテのように、絶対に必要ではないけれど重要なものほど効率化していくべきだろう。
今回はそんな日常の悩みを圧倒的な便利さで解決してくれる「Dental eNote」をご紹介しよう。スタッフみんなが思っていた面倒臭さの解消法が詰まった「なんで今まで使ってこなかったの?」的なデジタル化ツールだ。
冒頭にも話したように様々なツールがデジタル化しているのに、サブカルテはなぜ未だに紙なのか。当然、紙にもメリットがあるからだ。
根本的に、今現役で仕事をしている年代は”紙ジェネレーション”であり、昔はiPadもなければパソコンさえ一般的ではなかった。そもそも紙に手書きで物を書いている年数が圧倒的に長いため、そっちの方が早いと考えるのが当たり前だ。
しかしサブカルテは気持ちのこもったお手紙ではないので、慣れ親しんだ使い勝手以上のメリットはない。ではなぜデジタル化していないのか。
理由は簡単で、デジタル化を進める上での煩雑に感じるデメリットを上回っていないからだろう。だがこれも先入観に等しく、論理的に考えればデジタルの方が圧倒的にメリットが多い。
まず大きな点で、保管場所が数百分の一に減少する。膨大な書類の山がタブレット1台で収まり、机の上に置いておけば済む。そして書類棚にある数百冊の一つを探し出して、どこかに持ち運び、書き終わったらまた書類棚の元あった場所に戻す、といった動作も必要としなくなる。どこかに紛れてしまったり、間違えてシュレッダーにかけてしまう心配もない。
これだけでも目に見えてメリットを感じる気がするが、その手間よりデジタル化が難しいと考える人のためにダメ押しすると、訪問先でも全てのサブカルテが閲覧できるし、休憩時間にスマホで動画を見るスキルがあれば使えるツールだと思う。
ここまで読んで「それでも紙がいい」と思っている人も、この後に続く機能の紹介までは読んでいただきたい。ただ紙をタブレットに取り込むだけではなく「Dental eNote」には”紙ジェネレーション”にも使いやすいようしっかり配慮されている。
「Dental eNote」には”手書き”機能が用意されている。「デジタル化しているのに手書き?」と混乱するかもしれないが、これは紙のメリットを上手く取り入れた気遣い的であり効率的な機能だ。
今まで使っていたサブカルテの用紙をそのまま、タブレットに取り込んでスタイラスペン(液晶画面が認識するペン)を用いてメモすることができる。さらに紙では簡単にできない画像の貼り付けや動画の配置、ワンボタンで色を変えることも可能だ。

これなら紙に手書きが使いやすい人も快適に、さらに便利な機能を持って使うことができる。もちろん手書き以外にも紙では再現できない超効率化機能が用意されている。
問診票、治療計画書、同意書、カウンセリングノート、見積書など、日々使われる書類のテンプレートが標準搭載されている。印刷して記入してもらい、それを取り込めばタブレット上でスタッフがメモすることもできるし、患者ごとにフォルダ分けして一元管理、必要な時手軽に参照することも可能だ。
歯式はもちろん部位や図など一般的に使用されるものは用意されていて、スタンプなどオリジナルのものも登録して記入の際に引用できる。パソコンを使っている人にも嬉しいユーザー辞書の強化版だ。
さらにテンプレートも合わせて、使う場所(受付・チェアサイド・技工室など)で仕分けしたツールボックスも作ることができる。スタッフそれぞれが利用する書類を分けて、各々が選択して使うことで作業効率が格段にアップする。
フォーム部品を貼り付けて業務テンプレート・帳票が簡単に作成できる。チェックボックスや日付入力、選択入力などの設定をすることで入力を効率化し、入力時の人為的ミスを防ぐことも可能だ。
実はこの機能も効率化に重要で、慣れてしまえば手書きよりも早く正確に業務を行うとができる。デジタル化の醍醐味とも言える、導入の一手にもなるポイントだろう。

手書きでテキスト文字が入力できる「Dental mazec(マゼック)」を標準搭載、専門用語や入力が面倒な単語の候補が表示され、高速で記載できる。手書きがテキスト化されるため直感的な操作で見やすい書類が完成する強力な機能だ。
同じサブカルテやノートを同時に、複数人で記入しリアルタイムで情報共有が可能。診療後に処方の指示や注意事項などを歯科医師・歯科衛生士がチェアサイドで記入すれば、伝達の必要なく受付のスタッフがそれを確認し患者に伝えることができる。
いまいちピンとこないかもしれないが、この伝達時間で意外とタイムロスは生じていて、最近一般企業などはネットワーク上で共同作業やリアルタイムの情報共有が常識となっている。
代表的な機能をいくつか紹介したが、「Dental eNote」かなり細かいところまで突き詰められた「痒い所に手が届く」ツールだ。
少しの時間、小さな手間を省いていくことで診療外の時間が短縮され、余裕を持って診療に集中できる。「Dental eNote」はただのデジタル化ツールではなく、診療補助としての役割が大きい。
ここまで読んで「ちょっと使ってみてもいいかな」と思ったあなた、まずは体験版から利用してみてはいかがだろうか。
iPadもしくはWindows搭載のタブレットがあればすぐにでも始められ、約1ヶ月無料で使用することができる。さらに導入に不安がある方でも安心、体験版利用時には担当者が丁寧に導入のお手伝いと操作説明を行ってくれる。
体験版を使えばもはや元の紙時代戻ることはできないかもしれないが、そのままデータを引き継いで継続利用開始できるので心配ない。
歯科医院のDX(デジタルトランスフォーメーション:既存のシステムをデジタル化すること)なんてことも囁かれる時代、まずはサブカルテからDXするのも悪くないと思う。意外にも診療外の業務が診療の肝になっていて、デジタル化のメリットを最大限感じられるところではないかと考えている。