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「コロナで収入が減った」人は、歯の痛みが強くなる

文・構成:Haruki Takizawa | 投稿日: 2021年04月10日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的蔓延から、1年以上が経った。2019年までの世界と比べて、私たちのライフスタイルは大きく変わった。人びとが「新しい生活様式」をスタートし、あらゆる業界で産業構造が変化した。

こうした構造の変化により、収入が大きく減少したり、職を失う人が続出している。そんななか、コロナ禍で社会経済状況が悪化した人は「歯が痛くなる」という研究結果を、東京医科歯科大学が発表した。研究チームは、精神的ストレスが主な中間因子であると結論付けている。

コロナ禍により収入が減ると歯が痛くなる?

2020年8〜9月にかけて日本全国の15〜79歳男女を対象として実施された大規模なインターネット調査「JACSIS 研究(Japan COVID-19 and Society Internet Survey)」に回答した25,482名のデータを分析した。

このうち、歯の痛みは回答者の9.8%にみられた。歯の痛みは「世帯収入の減少」「仕事の減少」「失業」などの経験と有意に関係があり、それぞれ1.42倍、1.58倍、2.17倍、歯の痛みが強くなったという。

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さらに、「世帯収入の減少」と歯の痛みの関連は、精神的ストレス(21.3%)、歯科受診の延期(12.4%)、歯磨きの減少(1.5%)、間食の増加(9.3%)が中間因子であることが明らかにされた。

東京医科歯科大学によるプレスリリースによると、日本では4000万人近くの人が治療を必要とするう蝕(修復物脱離を含む)があるとされており、コロナ禍で歯の痛みが強く出る可能性があるという。

「新型コロナウイルスによる収入の減少や失業など経済的影響に対する政策が、歯科疾患の悪化を回避することにつながる可能性がある」と研究チームは指摘しており、失業防止によって助かる人もいれば、「助かる歯」もあるということなのである。

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参考文献

  1. 「コロナ禍で収入が減少した人は歯の痛みが1.4倍多い」 ― 精神的ストレスが原因の可能性 ―, 東京医科歯科大学 プレスリリース, <URL>
  2. Dental Pain and Worsened Socioeconomic Conditions Due to the COVID-19 Pandemic, Journal of Dental Research, 2021.4.1.
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