歯科医師国保の保険料、メリット、加入条件は?【組合ごとの保険料を網羅】

歯科医師国保の保険料、メリット、加入条件は?【組合ごとの保険料を網羅】

1D編集部
2020年11月4日
歯科医院に勤務する場合、歯科医師国保という健康保険に加入することがあります。歯科医師国保とは、一般的な国民健康保険と違い歯科医療に関わる人が加入できる条件付きの健保です。他の健保とはどんな違いがあるのでしょうか。

この記事では、歯科医師国保と他の健康保険との違いや、加入することで受けられる給付などについて解説していきます。

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    歯科医師国保とは、歯科医師または歯科医院に務めるスタッフ(歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手など)とその家族が加入できる国民健康保険のことで、歯科医師国民健康保険組合によって運営されています。

    歯科医師国民健康保険組合は、歯科医業という同種の事業又は業務に従事する者で組織され、相扶共済の精神により被保険者の疾病・負傷・出産又は死亡に関し国民健康保険法の規定により必要な保険給付を行うことが認められた公法人です。

    歯科医師国民健康保険組合は全国に20以上あり、それぞれの地域や支部に合わせて入会します。それぞれの歯科医師国保を運営・管理する団体ごとに、受けられる給付などが異なります。全国歯科医師健康保険組合を中心に、各都道府県の組合で構成されています。

    歯科医師国保の加入条件は?

    加入条件は歯科医師を中心とした歯科医療従事者で、職種によって以下のように種別が定められています。

    1種組合員:支部所在地の歯科医師会会員である歯科医師で規約第4条の地区内に住所を有する者とする。
    2種組合員:1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される歯科医師で規約第4条の地区内に住所を有する者とする。
    3種組合員とは:1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される者(技工士、衛生士、歯科助手、事務員等)で規約第4条の地区内に住所を有する者及び組合に勤務する者とする。
    家族:世帯員の範囲は、同一世帯に属している者とする。

    歯科医師のみでなく、歯科衛生士や歯科技工士、歯科助手、事務員など歯科医院で勤務する人とその家族が加入できます。

    厚生年金には加入する?

    一般的に、すべての法人事業所と常時5人以上の従業員を雇用する歯科医院に勤務する人は、協会けんぽと厚生年金に強制加入となります。しかし歯科医師国に加入している歯科医院に勤務する人については、協会けんぽの適用除外を受けることができます。

    つまり、歯科医師国保に加入して、厚生年金に加入することとなります。適用除外の手続きをしないと協会けんぽが強制適用され、歯科医師国保ではなくなってしまうので注意が必要です。

    常時5人未満の従業員を雇用する歯科医院に勤務する人は厚生年金の加入基準ではありませんので、国民年金のままです。

    歯科医師国保のメリット・デメリット

    歯科医師国保のメリットは、保険料が所得などに関わらず基本的に一律であることが挙げられます(詳しくは後述します)。そのため、所得などによって保険料が変動する健康保険よりも少ない負担で済む場合があります。

    また「保健事業」として様々な福利厚生も用意されています。健康診断や予防接種、人間ドッグなどを中心に、組合ごとに独自の福利厚生があることもメリットの一つです。

    歯科医師国保のデメリットは、自分が勤める歯科医院での治療は保険適用とならないことです。勤め先の歯科医院で治療をしてもらう場合は自費になってしまうので、無料または材料費ほどの治療費にするなど、歯科医院ごとで定められていることが多いです。また協会けんぽの場合、保険料は歯科医院と折半のため実際の負担額は半額になります。

    状況によってデメリットとなる例として、扶養家族がいる場合があります。歯科医師国保には、社会保険と違い扶養家族という枠組みがなく、家族の人数で保険料が決まります。社会保険の場合世帯ごとの保険料になるので、家族の人数や組合ごとの条件によっては負担が大きくなることもあります。

    このように様々なメリット・デメリットがあるので、就職先・勤務先の歯科医院がどのような条件にしているか、求人票などで確認しましょう。

    歯科医師国保の保険料は?

    国民健康保険の場合、所得によって保険料が変動しますが、歯科医師国保は一部を除き、所得にかかわらず保険料は一定です。

    保険料は地域、組合によって異なります。各組合について、本記事下部にそれぞれまとめてありますので参考にしてください。

    また歯科医師国保には様々な手当金などが用意されています。次に歯科医師国保の手当金をみていきましょう。

    出産育児一時金

    歯科医師国保には、「出産育児一時金」という制度があります。被保険者が出産(妊娠4か月以上の死産・流産を含む)した場合、組合員の請求により1児につき420,000円が支給されます。

    申請には、

    1. 出産育児一時金支給申請書
    2. 母子手帳の出生届済証明欄のコピー(市区町村の証明)
    3. 産科医療補償制度に加入する医療機関等(加入分娩機関)において出産した 場合は、加入分娩機関で出産したことを証明する所定の印を押された領収書等の 写しを支給申請書に添付

    が必要となりますので、歯科医師国保に加入している方はよく確認しておきましょう。

    また多くの団体に、「直接支払制度」と「受取代理制度」という制度が用意されています。

    直接支払制度は、出産育児一時金の請求と受け取りを被保険者に代わって医療機関等が行う制度で、出産育児一時金が医療機関等へ直接支給されるため、一時金の範囲内であれば窓口で支払う必要はなくなります。

    受取代理制度は、被保険者が出産育児一時金の請求を行う際、出産する医療機関等にその受け取りを委任でき、医療機関等へ直接出産育児一時金が支給される制度です。

    さらに付加金など上乗せがある組合もあるので、自分が加入する地域や団体の条件を確認しましょう。

    出産育児一時金に似た制度で、「出産手当金」という制度があります。出産手当金に関しては別の記事で詳しく解説しているので、そちらを参考にしてください。

    >>「産休でもらえる、歯科医師国保の「出産手当金」を分かりやすく解説!」

    産休・育休中の保険料は?

    歯科医師国保の場合、組合によって条件は異なりますが産休・育休中の保険料は免除となります。

    協会けんぽの場合同様に保険料免除となりますが、社会保険の場合免除などはなく、国民保険の場合出産手当金などもありません。女性の歯科医療者や、家族がいる加入者にとって歯科医師国保の加入は大きなメリットになりますね。

    出産・育児以外にも、怪我や病気で休職した際の手当が用意されています。次に傷病手当金について解説します。

    傷病手当金

    歯科医師国保の傷病手当金は、地域や組合によって条件や期間が異なります。

    例えば全国歯科医師国民保健組合では、保険料完納の組合員に同一年度内で90日を上限として、事業主で入院1日につき4,000円、その他の組合員で入院1日につき1,500円が支給されます。

    東京都歯科健康保険組合では、1日につき「直近12ヵ月間の標準報酬月額平均額÷30×2/3相当額」が支給されます。こちらも上限は同一年度内で90日です。

    以上のように、歯科医師国保には各組合でそれぞれ条件や手当があります。では、各組合ごとの保険料などを見ていきましょう。

    東京都歯科健康保険組合

    東京都には歯科医師国保ではなく、東京都歯科健康保険組合という東京都歯科医師会とその支部、歯科医院に勤務する人を対象とした健康保険があります。保険料は収入(給料や賞与などの総報酬)に応じ決定されるので、一定ではありません。

    神奈川県歯科医師国民健康保険組合

    神奈川県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援分保険料+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。後期高齢者組合員は後期高齢者支援分保険料、介護保険料の代わりに保健事業見合い分保険料を納入します。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援分保険料

    • 第1種組合員(事業主の歯科医師)
      保険料:月額25,000円
      後期高齢者支援分保険料:月額6,900円
    • 第2種組合員(勤務歯科医師)
      保険料:月額18,500円
      後期高齢者支援分保険料:月額5,800円
    • 第2種組合員(歯科医師以外)
      保険料:月額12,500円
      後期高齢者支援分保険料:月額4,500円
    • 家族
      保険料:月額8,000円
      後期高齢者支援分保険料:月額2,900円

    介護保険料


    保健事業見合い分保険料

    • 後期高齢者組合員
      月額5,000円

    愛知県歯科医師国民健康保険組合

    愛知県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金分+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、一般社団法人愛知県歯科医師会の会員であることまたは正組合員の所属する医療機関に勤務するものとなっていて、愛知県歯科医師会会員は正組合員、それ以外は準組合員という位置付けになっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 正組合員
      月額18,300〜48,300円(所得など条件により変動)
    • 正組合員家族
      月額12,600円(分院長の場合:月額46,300円)
    • 準組合員
      月額12,600円
    • 準組合員の家族
      月額11,100円(ひとり親世帯の場合:月額5,500円)
    • 後期高齢者(75歳以上正組合員)
      月額3,000円

    介護保険料

    • 第2号被保険者(40歳から64歳まで)
      月額4,900円

    大阪府歯科医師国民健康保険組合

    大阪府の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた保険料+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、大阪府歯科医師会会員である歯科医師(甲種組合員)、それ以外の歯科医師の従業員(乙種組合員第1)、その他歯科技工士、歯科衛生士、助手、受付事務員等の従業員(乙種組合員第2)となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料

    • 甲種組合員(管理者)
      月額35,400円
    • 甲種組合員(勤務)
      月額30,400円
    • 甲種組合員の家族
      月額15,600円
    • 乙種組合員第1
      月額24,900円
    • 乙種組合員第2
      月額22,100円
    • 乙種組合員第の家族
      月額15,600円
    • 後期高齢組合員(75歳以上正組合員)
      月額200円

    介護保険料

    • 第2号被保険者(40歳から64歳まで)
      月額4,200円

    北海道歯科医師健康保険組合

    北海道の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 第1種組合員(事業主の歯科医師)
      月額19,700〜49,000円(所得など条件により変動)
    • 第1種世帯員(第1種組合員の家族)
      月額9,800円(ひとり親世帯の場合:月額6,050円)
    • 第2種組合員(勤務歯科医師)
      月額19,500円
    • 第2種組合員(歯科医師以外)
      月額16,400円
    • 第2種世帯員(第2種組合員の家族)
      月額8,700円(ひとり親世帯の場合:月額5,500円)
    • 高齢者組合員(第1種組合員で75歳以上になった者)
      月額3,000円(高齢者負担金として)

    介護保険料

    • 第2号被保険者(40歳から64歳まで)
      月額4,100円

    宮城県歯科医師国民健康保険組合

    宮城県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた基本保険料、後期高齢者支援分保険料と前期高齢者納付分保険料+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、宮城県歯科医師会会員である歯科医師(第1種組合員)、第1,4種組合員に雇用される歯科衛生士、歯科技工士、助手、受付事務員等の従業員(第2種組合員)、管理者を除く第1,4種組合員に雇用される歯科医師(第3種組合員)、後期高齢者の第1種組合員(第4種組合員)となっています。

    事業主組合員は、従業員・家族の保険料の1/2を負担します。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    基本保険料、後期高齢者支援分保険料と前期高齢者納付分保険料

    • 第1種組合員
      基本保険料:月額27,200円
      後期高齢者支援分保険料:月額4,200円
      前期高齢者納付分保険料:月額2,700円
    • 第2種組合員
      基本保険料:月額9,900円
      後期高齢者支援分保険料:月額4,200円
      前期高齢者納付分保険料:月額2,700円
    • 第3種組合員
      基本保険料:月額20,000円
      後期高齢者支援分保険料:月額4,200円
      前期高齢者納付分保険料:月額2,700円
    • 第4種組合員
      基本保険料:月額3,600円
    • 家族
      保険料:月額2,700円
      後期高齢者支援分保険料:月額4,200円
      前期高齢者納付分保険料:月額2,700円

    介護保険料


    秋田県歯科医師国民健康保険組合

    秋田県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた基本保険料、後期高齢者支援分保険料と前期高齢者納付分保険料+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、秋田県歯科医師会会員である歯科医師と組合に雇用される職員、その扶養家族(第1種組合員)、歯科衛生士、歯科技工士、助手、受付事務員等の従業員、その扶養家族(第2種組合員)、県歯科医師会に入会していない歯科医師とその扶養家族(第3種組合員)、後期高齢者の第1種組合員とその扶養家族(第4種組合員)となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    基本保険料、後期高齢者支援分保険料と前期高齢者納付分保険料

    • 第1種組合員
      組合員所得割:前年診療報酬平均月額×7/1,000(月額 上限34,000円 下限13,000円)
      組合員本人の平等割:月額10,000円
      扶養家族の被保険者割:月額7,000円
      後期高齢者支援金保険料::月額4,200円
    • 第2種組合員
      組合員本人の平等割:月額11,000円
      扶養家族の被保険者割:月額7,000円
      後期高齢者支援金保険料::月額4,200円
    • 第3種組合員
      組合員本人の平等割:月額20,000円
      扶養家族の被保険者割:月額7,000円
      後期高齢者支援金保険料::月額4,200円
    • 第4種組合員
      組合員所得割:第4種組合員で第2種・第3種組合員を雇用する場合、事業所割保険料を賦課する。事業所割保険料は、月額10,000円とする。ただし、同一事業所に1種組合員がいる場合を除く。
     組合員本人の平等割:月額1,000円
     扶養家族の被保険者割:月額7,000円
     後期高齢者支援金保険料:月額4,200円

    介護保険料


    福島県歯科医師国民健康保険組合

    福島県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+定額の介護納付金分で決定します。

    また加入条件は、75歳未満で、福島県歯科医師会の会員である歯科医師(第1種組合員)とそ常勤の歯科衛生士・歯科技工士・事務員・歯科助手(第2種組合員)、福島県歯科医師会会員でない常勤の勤務歯科医師(第3種組合員)、後期高齢者医療制度の被保険者(第4種組合員)、同一世帯の家族となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 第1種組合員:診療報酬のある歯科医師
      保険料:月額3,500円(均等割)、月額4,500円(平等割)、 診療報酬収入額の8/1,000(月額上限34,000円・下限10,000円)(所得割)
      後期高齢者支援金:月額4,000円
    • 第1種組合員:非保険医又は非保険医
      保険料:月額3,500円(均等割)、月額4,500円(平等割)、 所得割額の平均額(所得割)
      後期高齢者支援金:月額4,000円
    • 第1種組合員:診療報酬のない歯科医師
      保険料:月額3,500円(均等割)、月額4,500円(平等割)、 月額10,000円(所得割)
      後期高齢者支援金:月額4,000円
    • 第2種組合員:
      保険料:月額3,500円(均等割)、月額4,500円(平等割)、 月額3,000円(所得割)
      後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第3種組合員:
      保険料:月額3,500円(均等割)、月額4,500円(平等割)、  月額10,000円(所得割)
      後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第4種組合員:
      保険料:月額2,000円(平等割)
    • 家族:
      保険料:月額3,500円(均等割)
      後期高齢者支援金:月額4,300円

    ※第4種組合員が事業主組合員である場合の同じ世帯を代表する第1種組合員の所得割は、事業主組合員の診療報酬収入額の4/1,000(月額上限34,000円・下限10,000円)

    介護納付金分


    茨城県歯科医師国民健康保険組合

    茨城県の歯科医師国保の加入条件は、茨城県歯科医師会の会員である歯科医師及びその家族、当該歯科医師が開設・管理する診療所に雇用される職員及びその家族となっています。

    群馬県歯科医師国民健康保険組合

    群馬県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、75歳未満で、群馬県歯科医師会の会員である歯科医師(第1種組合員)とその家族及び当該歯科医師が開設又は管理する埼玉県内の歯科医療機関に勤務する従業員(第2種組合員)となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 第1種組合員:事業主
      保険料:月額8,000円(平等割)、 前年の診療報酬額に8/1,000を乗じて得た額の1/12年間限度額320,000円新規加入した年度及びその翌年度は、10,000円(収入割)
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第1種組合員:事業主以外
      保険料:月額15,500円
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第2種組合員:勤務医
      保険料:月額15,500円
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第2種組合員:勤務医以外
      保険料:月額10,500円
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 組合員の世帯に属する家族
      保険料:月額8,000円
     後期高齢者支援金:月額4,300円

    ただし、第2種組合員の世帯に属する義務教育修了までの者には賦課しない。

    介護保険料


    後期高齢者組合員分

    • 75歳以上の後期高齢者で、組合員資格を継続した組合員
      月額1,000円

    埼玉県歯科医師国民健康保険組合

    埼玉県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、75歳未満で、埼玉県歯科医師会の会員である歯科医師(第1種組合員)とその家族及び当該歯科医師が開設又は管理する埼玉県内の歯科医療機関に勤務する従業員(第2種組合員)となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 第1種組合員:事業主
      保険料:月額8,000円(平等割)、 前年の診療報酬額に8/1,000を乗じて得た額の1/12年間限度額320,000円新規加入した年度及びその翌年度は、10,000円(収入割)
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第1種組合員:事業主以外
      保険料:月額15,500円
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第2種組合員:勤務医
      保険料:月額15,500円
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 第2種組合員:勤務医以外
      保険料:月額10,500円
     後期高齢者支援金:月額4,300円
    • 組合員の世帯に属する家族
      保険料:月額8,000円
     後期高齢者支援金:月額4,300円

    ただし、第2種組合員の世帯に属する義務教育修了までの者には賦課しない。

    介護保険料


    後期高齢者組合員分

    • 75歳以上の後期高齢者で、組合員資格を継続した組合員
      月額1,000円

    千葉県歯科医師国民健康保険組合

    4月1日時点で千葉県の歯科医師国保に加入している組合員には、保険料賦課通知書が歯科医院宛に送付されます。保険料賦課通知書には、年度間(4月~3月)の保険料金額が記載されています。

    また、4月2日以降に加入された組合員には、保険証と共に、保険料賦課通知書が送付されます。なお、年度途中に家族の異動などで保険料額が変わる場合には、届出の翌月に保険料賦課変更通知書が送付されます。

    静岡県歯科医師国民健康保険組合

    静岡県の歯科医師国保加入条件は県内、隣県もしくは東京都に住所を持っている、静岡県歯正会員の歯科医師(甲1種組合員)と、後期高齢者医療制度の被保険者である静岡県歯正会員の歯科医師( 後期高齢者甲種 )、甲1種組合員が開設又は管理する診療所の勤務医(乙1種組合員)、そのような診療所の勤務歯科医師以外の従業員(乙2種組合員)、後期高齢者医療制度の被保険者である勤務医を含む従業員( 後期高齢者乙種 )、その家族となっています。

    長野県歯科医師国民健康保険組合

    長野県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:380-8583
    • 所在地:長野県長野市稲葉2141
    • 電話番号:026-222-8020
    • FAX番号:026-222-3060

    山梨県歯科医師国民健康保険組合

    山梨県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:400-0015
    • 所在地:山梨県甲府市大手1-4-1
    • 電話番号:055-252-6481
    • FAX番号:055-253-0854

    富山県歯科医師国民健康保険組合

    富山県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:930-0887
    • 所在地:富山県富山市五福字五味原2741-2
    • 電話番号:076-432-9666
    • FAX番号:076-433-9988

    石川県歯科医師国民健康保険組合

    石川県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:920-0806
    • 所在地:石川県金沢市神宮寺3-20-5
    • 電話番号:076-251-1011
    • FAX番号:076-251-6450

    福井県歯科医師国民健康保険組合

    福井県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:910-0001
    • 所在地:福井県福井市大願寺3-4-1
    • 電話番号:0776-25-6108
    • FAX番号:0776-25-6109

    三重県歯科医師国民健康保険組合

    三重県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は三重県、愛知県、大阪府、京都府、岐阜県、滋賀県、奈良県、和歌山県に居住する方で75歳未満、三重県歯科医師会会員である歯科医師(第1種組合員)と、第1種組合員又は、第3種組合員が開設又は管理する病院、診療所の従業員(第2種組合員)、75歳以上の三重県歯科医師会会員である歯科医師および当該歯科医師が開設又は管理する病院、診療所の従業員で被保険者の資格のない者(第3種組合員)とその家族となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 第1種組合員
      医療保険料:平等割の場合 月額8,000円、応能割の場合 前々年市町村民税の課税総所得金額の千分の20の12分の1額
        前期高齢者納付金分:月額2,300円
        後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
    • 第2種組合員:歯科医師
      基本保険料:月額15,500円
        前期高齢者納付金分:月額2,300円
        後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
    • 第2種組合員:歯科医師以外
      基本保険料:月額15,500円
        前期高齢者納付金分:月額2,300円
        後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
    • 第3種組合員(75歳以上)
      後期高齢者保険料:月額5,000円
    • 家 族
      基本保険料:月額8,000円
        前期高齢者納付金分:月額2,300円
        後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円

    介護保険料


    兵庫県歯科医師国民健康保険組合


    奈良県歯科医師国民健康保険組合

    奈良県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+ 前期高齢者納付金賦課額 (世帯単位)+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、75歳未満で、奈良県歯科医師会員の診療報酬を得ている歯科医師(第1種組合員)と奈良県歯科医師会員の診療報酬を得ていない歯科医師(第2種組合員)、奈良県歯科医師会員でない歯科医師及び歯科技工士・衛生士など(第3種組合員)、その家族となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 第1種組合員
      基本保険料:月額6,000~25,000円(所得割)、月額8,500円 (均等割)
     後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
     前期高齢者納付金賦課額 : 月額9,300円 
    • 第2種組合員
      基本保険料:月額9,000円(所得割)、月額8,500円 (均等割)
     後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
     前期高齢者納付金賦課額 : 月額6,300円 
    • 第3種組合員
     基本保険料:月額3,500円(所得割)、月額4,300円 (均等割)
     後期高齢者保険料:月額3,900円
     前期高齢者納付金賦課額 : 月額3,200円 
    • 第1種・第2種組合員の家族
      基本保険料:月額4,000円
     後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
    • 第3種組合員の家族
      基本保険料:月額3,800円
      後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円

    介護保険料


    後期高齢者保険料 

    • 後期高齢者資格継続組合員:75歳以上で資格継続をされた人 
      月額5,100円

    広島県歯科医師国民健康保険組合

    広島県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、 広島県歯科医師会の会員で、診療所を開設または管理する歯科医師(6条1項組合員) と1項組合員(歯科医師)が開設または管理する診療所に勤務する従業員(歯科医師、技工士、衛生士、助手、事務など)(6条2項組合員) 、それら組合員と同一世帯の家族となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 6条1項組合員:開業医
      国民保健保険料(基礎賦課額):月額18,300円
      歯科医療機関別平等割保険料:月額14,000円 
      後期高齢者支援金等保険料:月額4,100円
    • 6条1項組合員:開業医以外
      国民保健保険料(基礎賦課額):月額18,300円
      後期高齢者支援金等保険料:月額4,100円
    • 6条2項組合員:勤務医
      国民保健保険料(基礎賦課額):月額18,300円
      後期高齢者支援金等保険料:月額4,100円
    • 6条2項組合員:勤務医以外
      国民保健保険料(基礎賦課額):月額12,700円
      後期高齢者保険料:月額4,100円
    • 家族
      国民保健保険料(基礎賦課額):月額6,0000円
      後期高齢者支援金等保険料:月額4,100円

    介護保険料


    後期高齢組合員分保険料

    • 後期高齢者組合員
      月額2,500円

    愛媛県歯科医師国民健康保険組合

    愛媛県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:790-0014
    • 所在地:愛媛県松山市柳井町2-6-2
    • 電話番号:089-933-4371
    • 保険者番号:383026

    福岡県歯科医師国民健康保険組合

    福岡県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:810-0041
    • 所在地:福岡市中央区大名1丁目12番43号 (福岡県歯科医師会館2階)
    • 電話番号:092-771-3531
    • FAX番号:092-771-2988

    佐賀県歯科医師国民健康保険組合

    佐賀県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:840-0045 
    • 所在地:佐賀県佐賀市西田代2-5-24
    • 電話番号:0952287551

    長崎県歯科医師国民健康保険組合

    長崎県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:852-8104
    • 所在地:長崎県長崎市茂里町 3-19
    • 電話番号:095-848-5811

    熊本県歯科医師国民健康保険組合

    熊本県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    また加入条件は、 熊本県歯科医師会会員であり歯科医業又は歯科業務に従事する歯科医師(甲種組合員) と その医療機関の業務に従事する者(乙種組合員) 、それら組合員と同一世帯の家族となっています。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    •  甲種組合員 :歯科医師
      基本保険料:
     所得割の場合、社保・国保の前年診療報酬に1,000分の8を賦課 (※最高限度額:500,000 円)
     均等割の場合、月額 16,000円 
    (前年の医業収入が500万円以上 1,500慢円未満の場合…13,500円 
        前年の医業収入が500万円未満の場合…  12,000円
        同一診療所に2人以上いる場合、2人 目から…11,500円) 
        後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
    •  乙種組合員:歯科医師以外
      基本保険料:月額 8,500円 (ただし、勤務医は11,500円) 
        後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
    •  家族 
      基本保険料:月額4,000円
        後期高齢者支援金等保険料:月額3,900円
    •   後期高齢組合員:歯科医師
      基本保険料:月額2,500円

    介護保険料


    大分県歯科医師国民健康保険組合

    大分県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:810-0041
    • 所在地:福岡市中央区大名1丁目12番43号 (福岡県歯科医師会館2階)
    • 電話番号:092-771-3531
    • FAX番号:092-771-2988

    宮崎県歯科医師国民健康保険組合

    宮崎県歯科医師国民健康保険組合の基本情報は下記です。

    • 郵便番号:880-0023
    • 所在地:宮崎県宮崎市和知川原1丁目101番地
    • 電話番号:0985-22-6588
    • FAX番号:0985-27-6550
    • メールアドレス:kokuho@miyazaki.med.or.jp

    鹿児島県歯科医師国民健康保険組合

    鹿児島県の歯科医師国保の保険料は、組合員の種別ごとに定められた医療保険料と後期高齢者支援金等+ 前期高齢者納付金等+定額の介護保険料(40〜64歳の加入者)で決定します。

    それぞれ保険料は以下の通りです。

    医療保険料と後期高齢者支援金等

    • 甲種組合員:歯科医師及び医療法人が複数の施設を有する場合における従たる施設の管理者
      医療給付費等分保険料:月額3,400円
        後期高齢者支援金等分保険料:月額3,900円
        前期高齢者納付金等分保険料 : 月額2,700円
        事業所得割保険料:医業収入にかかる所得総額の8/1,000の総額を12で除した額(限度額年間50万円)
     ※均等割保険料として総額 10,000円
    • 乙種組合員:甲種組合員が常時継続して雇用している従業員
     医療給付費等分保険料:月額7,400円
        後期高齢者支援金等分保険料:月額3,900円
        前期高齢者納付金等分保険料 : 月額2,700円
     ※均等割保険料として総額 14,000円
    • 甲・乙家族
        医療給付費等分保険料:月額3,400円
        後期高齢者支援金等分保険料:月額3,900円
        前期高齢者納付金等分保険料 : 月額2,700円
      ※均等割保険料として総額 10,000円

    介護保険料


    後期高齢者保険料 

    • 後期高齢者組合員
      月額1,000円

    全国歯科医師国民健康保険組合

    全国歯科医師国民健康保険の加入条件は支部所在地の歯科医師会会員である歯科医師(第1種組合員)、1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される歯科医師(第2種組合員)、1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される歯科技工士、歯科衛生士、歯科助手、事務員など(第3種組合員)、その同一世帯の家族となっています。

    • 支部一覧
    栃木県、山梨県、青森県、岐阜県、富山県支、滋賀県、京都府、岡山県、山口県、島根県、鳥取県、香川県、徳島県、高知県、新潟県、岩手県、石川県、長野県、福井県、沖縄県

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    1D編集部は、臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士で構成されています。歯科業界の最新ニュースから歯科医療の臨床・学術情報、歯科医療者のためのライフスタイル記事まで、歯科医療の専門家の視点で、ただしく・おもしろいコンテンツをお届けします。

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    「歯科医師の年収は上がる」を、自分の年収の話として聞いていませんか?――対談が挙げる3つの理由は、確かさの段階が違う

    「歯科医師の年収は上がる」を、自分の年収の話として聞いていませんか?――対談が挙げる3つの理由は、確かさの段階が違う

    「歯科医師の年収は今後上がっていきます」。1Dの対談動画は、この言い切りから始まる。出演者は110秒の時点で「上がります!」と答え、そこから理由を3つに整理していく。画面の左上にも「歯科医師の年収が上がる3つの理由」という見出しが出て、以後は「歯科医師・診療所の減少」「患者数・歯科医療費は減らない」「歯科医療の市場拡大」と小見出しが切り替わっていく。ただ、この話を自分の手取りの予想として受け取ると読み違える。3つの理由は、同じ強さの根拠で支えられているわけではない。統計で確認できるもの、割り算の結果として出てくるもの、まだ文書の段階にあるもの――性質の違う3つが並んでいる。本記事では、どこまでが確かめられる話で、どこからが見通しなのかを分けて読む。「上がる」と言われているのは、誰の、どの数字か動画が最初に片づけるのは、「上がる」の主語である。出演者は「インフレだからではないですね」(120秒)と断ったうえで、「令和6年度の診療報酬改定で収載されたんですけど」(125秒)「それは勤務医とか歯科衛生士とか歯科助手さんとかの話ですよね」(135秒)と続ける。賃上げを目的に新設された評価料はあるが、それは院長自身の収入の話ではない、という整理だ。ここは一次資料で確かめられる。令和6年度診療報酬改定で新設された歯科外来・在宅ベースアップ評価料について、厚生労働省保険局医療課の説明資料は、賃上げの対象となるのは「主として歯科医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く。)」だと明記している(令和6年度診療報酬改定と賃上げについて)。歯科衛生士・歯科技工士・歯科業務補助者などの賃金を引き上げるための点数であって、開設者である歯科医師は制度上その対象に入らない。制度としてすでに「上がる」仕組みが用意されているのは、スタッフの側である。「歯科医療者の年収は上がっていく」(115秒)という言い方と「自分の年収が上がる」という受け取り方の間には、一段の飛躍がある。動画の3つの理由は、その飛躍を埋めるために置かれた議論だと読むと構造がつかみやすい。一つめ・担い手が減る――確認できる部分と、確認できない部分一つめの理由として画面に出るのは「歯科医師・歯科診療所の減少」(205秒)である。出演者は「『医師・歯科医師・薬剤師統計』という統計があるんですけど」(250秒)と資料名を挙げ、「歯科医師数でいうと2176人とか」(255秒)「だいたい歯科医師の2%ぐらい減ってるんですよ」(260秒)と述べる。この数字は照合できる。厚生労働省の令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計で、歯科医師数は105,267人、前回調査から2,176人・2.0%の減少。平均年齢53.0歳という点も「歯科医師の平均年齢って約53歳とかで」(285秒)という発言と合う(令和4(2022)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況)。さらに、動画公開(2025年8月)より後に出た令和6(2024)年の同統計では、歯科医師数は103,652人、前回比1,615人・1.5%の減少だった(令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況)。減少は続いているが、減り方は前回より緩んでいる。歯科診療所も、動画で語られた「今6万5千件台とかに突入したんですよ」(280秒)という水準をすでに下回り、医療施設動態調査の令和8(2026)年7月末概数で64,975施設である(医療施設動態調査)。「減っている」という向きは、一次資料でも確かめられる。一方、同じ箇所には確認できない話も混ざっている。出演者は「高齢化」と「女性歯科医師の増加」を合わせて「ダブルパンチ」(334秒)と呼び、女性歯科医師は男性と比べて「稼働率がちょっと下がるんですよね」(331秒)と述べる。ここには調査も出典も示されず、性別による働き方の差を前提にした推測になっている。本記事ではこの主張を採らない。統計で確認できるのは頭数の減少までで、「稼働量」がどう動くかは、それ自体が別に検証を要する論点である。二つめ・分母が減っても、分子が減らないなら二つめの小見出しは「患者数・歯科医療費は減らない」(215秒)。人口が減れば患者も減るのだから差し引きゼロではないか――「ニーズ側が減ったらトントンじゃね?」(400秒)という当然の反論に、出演者はこう答える。「人口の減りに対して歯科診療所に訪れる患者数って」「割と一定なんですよね」(410~420秒)。「患者数の絶対数は減るんですけど」(415秒)、「要は一人当たりの平均点が上がっているみたいな」(425秒)状態で、「トータルで考えると」「予算や医療費みたいなところは変わらない」(460~470秒)という見立てである。背景として挙がるのは、歯科医院が「健康な人も来るっていう場所になりつつある」(430秒)という変化だ。治療のためだけでなく、予防や管理のために通う人が増えれば、来院一人当たりの点数は上がる。分子にあたる歯科医療費が横ばいで、分母にあたる担い手が減るなら、「相対的に年収は上がるじゃんって話ですけど」(475秒)という結論になる。割り算そのものは筋が通っている。ただし出てくるのは全体の平均であって、個々の医院の数字ではない。出演者はこのあと「1990年代頭とかぐらいの水準になるんですよ」(485秒)「バブル末期ぐらいの水準になる」(495秒)と時期まで挙げるが、その試算の中身は示されないため、本記事では水準の話は扱わない。自院に引き寄せるなら、問われているのは「患者が何人来たか」ではなく「一人当たりで何をしているか」のほうである。三つめ・市場の拡大は、まだ点数ではなく文書の段階にある三つめの小見出しは「歯科医療の市場拡大」(570秒)。根拠として挙がるのは、「先々月ぐらいに公表された」(565秒)「『経済財政運営と改革の基本方針2025』」(570秒)、いわゆる骨太の方針である。そこに「いわゆる国民皆歯科検診みたいなもの」(580秒)が含まれており、歯周病と全身疾患の関連について「エビデンスが出てきてるってことは明らかじゃないですか」(590秒)と続く。ただし出演者自身が「僕も見てないのでちょっと分からないですけど(笑)」(535秒)と置いているとおり、この三つめは文書を読んだうえでの説明ではなく、報じられた範囲での見通しとして語られている。編集部で確認した範囲では、「経済財政運営と改革の基本方針2025」は令和7年6月13日に閣議決定されており(内閣府)、その歯科関連の記載として日本歯科医師会は「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた具体的な取組の推進」「歯科医師の不足する地域の分析等を含めた適切な配置の検討を含む歯科保健医療提供体制の構築と強化」などを引用している(日本歯科医師会)。方針に位置づけられていること自体は確かめられる。ただし、方針に書かれることと、点数が付くことと、実際に収入が動くことは、それぞれ別の段階である。一つめが統計の話、二つめが割り算の話だったのに対し、三つめはまだ文書の話にとどまる。出演者が「多分しれっとフェードアウトするんじゃないか」(530秒)という可能性にも触れているとおり、ここは確定した話として数えないほうがいい。「上がる」を、待っていい話として読まない動画の結論は、意外と威勢のいいものではない。「現状のパイでどうなるっていうのを予測するんじゃなくて」(645秒)「本当にでっかい施策で変えていく必要もあるぞ」(655秒)。画面には「『時代を作り上げるんだ』という主体的な努力が必要」(650秒)という大きなテロップが出る。市場が広がるかどうかは、担い手が何をするかにかかっている、という着地である。そのうえで出演者は、「小さい虫歯を見つけて削って詰める歯医者がいるので」(665秒)と言いよどみ、「『健康は口から作る』という意識で歯科医療に取り組んでほしい」(685秒)と述べる。行政の側に「歯科医師を抑制しろ」(610秒)という議論があるなかで「担い手もたくさん必要だ」(620秒)と言い返すには、その説明を日々の診療の中身で裏づける必要がある――という順番だ。これは出演者の立場からの主張であり、制度の決定を予測したものではない。タイトルは「【朗報】」で始まるが、中身は朗報の受け取り方の話だった。確かめられるのは、担い手が減っているという統計までである。その先の「だから一人当たりは上がる」は条件つきの割り算で、「市場が広がる」はまだ方針文書の段階にある。来期の計画をこの見通しの上に立てるのは早い。先に見ておきたいのは、全体の平均で起きていると言われる変化が、自院でも起きているかどうかのほうだろう。元動画を見る【朗報】歯科医師の年収は今後上がっていきます(2025年8月7日公開)
    1D編集部
    2日前
    「紙でも回っているから」で、予約台帳を続けていませんか?――回しているのは仕組みではなく、受付に立つ人かもしれない

    「紙でも回っているから」で、予約台帳を続けていませんか?――回しているのは仕組みではなく、受付に立つ人かもしれない

    予約システムの話は、たいてい「便利そうだ」から始まります。1Dの対談動画「【歯科医院】予約システムを絶対導入すべき理由」は、そこから入りません。画面の章立てテロップで最初に出るのは「導入しない医院がある理由」です。導入を勧める回でありながら、対談はまず、入れていない医院の側の理屈を言葉にするところから始めます。
    対談が先に説明するのは、メリットではなく「入れない理由」
    出演者が挙げる理由は、意外なほど単純です。「紙の予約台帳で回っちゃっているからですよね」「回るからいっかみたいな」。実際、紙の台帳でも「回るっちゃ回るじゃないですか」と対談は認めます。そのうえで、入れない側の言い分として「いらないって思っている人も」いること、規模が小さければ「そんなに経営インパクトはないので」と判断されること、そして「めんどくさい」「分かんない」という感覚が残ることを並べます。
    ここは記事として重要なところです。導入しない理由が「知らないから」ではなく「困っていないから」だと整理されると、検討の問いが変わります。問うべきは「便利かどうか」ではなく、今の台帳で回っている状態が何によって成り立っているか、になるからです。
    紙でも回る。ただし、回しているのは誰か
    対談はその答えを、笑いながら一言で言います。「歯科助手さんや歯科衛生士さんが頑張ってるから」。後半でも「スタッフがみんな取ってくれていると思うんですけど」という言い方が出てきます。つまり紙の台帳が回っているのは、台帳の性能ではなく、人が差分を吸収しているからだ、という見方です。これは出演者の解釈であって、何かの調査で示された結論ではありません。それでも、院長が自院を点検するときの問いとしては具体的です。
    もう一方の軸は、人が頑張っても残るものです。出演者は「先生ちょっとこの前のやつ漏れてましたよ」と言われた経験を挙げ、前日や「もう1週間前とか」の連絡は「紙じゃできないので」と述べます。「僕も絶対忘れちゃうんで」という自分の患者としての感覚も添えられます。期待されているのは、来なかった人を責める仕組みではなく、「来ていなかった人がリマインドによって来る」という取りこぼしの回収です。待たせ方や遅刻への対応は、この回では扱われません。
    「ペーパーレス」と「DX」は違う、と対談は線を引く
    中盤で、対談は自分たちの話に注釈をつけます。画面には「ペーパーレスとDXはちょっと違う」という言葉が出ます。紙をやめて画面に置き換えただけで「何の連携もできない」なら「それDXって言わなくない?」「それじゃあんまり意味ないですよね」というわけです。
    では何が違うのか。対談が例に出すのは、予約に「何の治療をしたとか」の記録が紐づく状態です。気をつけたい患者に「カルテにマークとかつけていた」、しかも「隠語にしている」という院内の工夫が語られ、それを人の記憶や符丁ではなく、いわゆるサブカルテや患者管理(CRM)として持つ、という整理になります。出演者は「その考え方は結構一般企業だと当たり前」だと言い、連携が生まれると「新しい提案ができるみたいになった」と続けます。
    もっとも、ここで言われる「提案」は自費の販売の話にも触れています。本記事はその是非には立ち入りません。記録が次回の判断材料になる、という範囲で読むのが妥当なところです。
    おすすめの製品は出てこない。出てくるのは機能の条件
    この回のもう一つの特徴は、具体名を出さないことです。出演者は「ここでおすすめの予約システムみたいな」話はしない、と明言します。理由も率直で、「角が立つし」「これがいいとかって全部見比べたことないし」。代わりに示されるのが、章立てテロップで「これは外せない必須機能」と見出しのついた条件です。
    挙がるのは三つの方向です。患者情報と「顧客管理的に連携ができるもの」。大きなテロップで出る「LINEでリマインドできる機能はあるべき」。そして、ホームページにウェブ予約の入口がある場合に、空いている枠を含めて「予約状況を一括管理できる機能があると良い」こと。最後の点について出演者は「アポ帳が患者側からも見える」状態だと言い換えます。加えて、選ぶ側の留保も置かれます。「あんまり使いにくいものを導入したくないじゃないですか」「コストバランスは考えるべきだと思うんですけど」。
    製品名が出ない以上、この回は比較表の代わりにはなりません。使えるのは、自院が何を解決したいのかを先に決めるための項目として、です。
    費用の話は最後に出てくるが、回収の計算は示されない
    費用に触れるのは終盤です。出演者は月々の負担感に言及したうえで、「計算はできないですけど」と前置きし、患者側の使い勝手の向上まで含めれば「十分元は取れそうですけどね」と述べます。前半でも「投資に対してそこまでの不利益性はなさそうですよね」という言い方が出ますが、同時に、規模が大きくなければ回収できるかどうかが変わる、という指摘も置かれています。
    本記事では、この回で挙がる金額も普及率の数字も書きません。金額は出演者がその場で口にした体感で、回収の計算は本人が示していないと述べているためです。普及率についても、出演者自身が「民間の調査しかないんですけど」「公式的な統計ではないんですけど」と断っており、調査名も年次も示されません。確かめられるのは数字ではなく、順番のほうです。紙で回っているなら、まず誰の手数でそれが成り立っているかを見る。そのうえで、前日の連絡と記録の引き継ぎを人の記憶から外せるか考える。製品を見比べるのは、その後でも遅くありません。
    元動画を見る
    元動画を見る(2025年8月14日公開)
    1D編集部
    3日前
    「口コミを増やす方法」を探していませんか?――対談が先に分けるのは、低評価をなくす話と、高評価を増やす話

    「口コミを増やす方法」を探していませんか?――対談が先に分けるのは、低評価をなくす話と、高評価を増やす話

    口コミの評価を上げたい、という相談は、たいてい「どう増やすか」の話から始まります。1Dの対談動画「歯科医院が口コミ高評価を獲得するための戦略とは」は、そこから入りません。画面に出るのは「高評価を増やす」と「低評価をなくす」という二つの言葉で、対談はまずこの二つを分けます。どちらも星の数を動かす話ですが、向き合う相手が違うからです。
    星の数が重いのは、患者が探す場所がそこにあるからだ
    対談が重要性の根拠に置くのは、患者の探し方です。出演者は「飲食店とかでもとりあえず見るじゃないですか」と前置きし、「みんなGoogleマップで探してますからね、歯医者とか」と続けます。画面にも「口コミ獲得は超重要」というテロップが出ます。「Googleに牛耳られてますからね」という言い方は出演者の表現ですが、議論の前提はそこで固定され、以降は「これは基本Googleマップの話なので」と範囲を限って進みます。
    もう一つ置かれるのは、一件の重さです。出演者は、書いた人が一人でも「結構めちゃくちゃ拡散性が高い」と述べ、「流されやすい性質はありますからね、人間」と付け加えます。そして「良いものも当然一緒で」「結構単純なものなので」と、負の方向にも正の方向にも同じ力が働くという見方を示します。ここまでは、評価を上げたいという話ではなく、評価が効いてしまう理由の説明です。
    対談が最初にするのは、「なくす」と「増やす」を分けること
    「どうやったら高評価を獲得できるんですか?」という問いに対し、画面には「高評価を獲得する方法」という見出しが出て、その下に「高評価を増やす」「低評価をなくす」という二つが並びます。順番としては、低評価の側が先に扱われます。
    分ける理由は、中身が違うからです。低評価には、診療への不満だけでなく「事実無根だったりとか」が混じる、と出演者は言います。一方で高評価は、書いてもらう相手が目の前の患者です。同じ星の数を動かす作業に見えても、前者は投稿した誰かへの対処で、後者は日々の診療と伝え方の話になります。編集部の整理としては、この二つを一つの「口コミ対策」にまとめてしまうと、打ち手を取り違えやすい、という読み方ができます。
    低評価は、消す話ではなく、相手が誰かの話になる
    低評価について、出演者は「Googleの口コミって削除できないんですよ」と述べます。だから働きかける先は媒体ではなく「投稿した人に」なり、「内容証明を送るというパワープレイですけど」という手段や、「これはもう容赦なく弁護士の先生を使って訴える」という選択が語られます。出演者自身も「いかついですよね」と言い添えています。
    ここは、記事として踏み込める範囲が限られます。削除の可否や法的手段の見込みは、投稿の内容と媒体の規定、そして法律の専門家の判断によって変わります。動画内では請求できる金額にも言及がありますが、根拠となる事案や算定の説明は示されないため、本記事では扱いません。実際に動くときに最初に確かめるべきなのは、金額ではなく、その投稿が媒体の削除基準に当たるかどうかと、弁護士に相談すべき事案かどうかの切り分けだと言えます。
    付随して出てくるのは、書く人が偏るという話です。出演者は「結構関係ない歯科医院の口コミとか見ちゃうんですけど」と自分の習慣を挙げつつ、強い言葉を書く「キャラクター」はいる、満足した人は「わざわざ書かないですからね」と述べます。星の平均は患者の満足の平均ではない、という前提は、ここから読み取れます。
    「増やす」側の前提に置かれるのは、依頼の文面ではなく信頼だ
    では高評価を増やすコツは何か。問われた出演者の答えは「真摯に向き合って頑張るみたいなところしかないとは思うんですけど」でした。期待されたテクニックが出てこないという意味ではなく、画面にはこの区間で「患者さんからの信頼を得ることが前提」という一文が大きく表示されます。対談の結論に近い位置に置かれているのは、この一文です。
    具体例として挙がるのは、診療室の外の接点です。「夏祭りみたいなのがあったら出展したりとか」という例から、「地域とか地盤で評価を集めていくみたいな」という方向が示されます。出演者はこれを簡単だとは言わず、「なかなか難しいところなのかなとは思いますね」と留保しています。医院の努力で星が上がると保証する話ではありません。
    同時に、全員から高評価は取れないという前提も置かれています。日々の意見は「バイネームで言われていることもあるんじゃないかというぐらい」届き、「嫌いな人は嫌いですから」とも語られます。信頼を前提に置くという言い方は、評価をゼロリスクにする方法ではなく、動かせる場所がそこにしかないという意味だと読めます。
    「書いてくださいね」と「星5つけてくださいね」の間に、線がある
    依頼の仕方については、対談のなかで線引きが示されます。出演者は「『口コミ書いてくださいね』はややOKだったと思うんですけど」とし、「『星5つけてくださいね』みたいな」依頼は「買収みたいになっちゃって」と退けます。歯科治療をして何かを渡す例も、言いかけたところで自分で打ち切っています。
    「その他にテクニカルに高評価を集める方法」についても触れられます。ウェブサイト上で星5を付けさせるようなツールの存在が挙げられ、しかし「今言ったみたいなのは『ダメだろ』っていうことが分かると思うので」と続きます。代わりに語られるのは、「星1〜5まで選んでどうしますか?」と委ねる形と、「すごく良くしていただいてありがとうございます」という言葉から始まるやりとりです。出演者はそれを、要は「ポジティブな評価だったら評価お願いします」ということだ、と自分で言い直しています。
    この線引きは、感覚の問題ではなく規定の問題でもあります。Googleのユーザー投稿コンテンツ ポリシーは「評価の操作」として、「クチコミの投稿や否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為」を禁じています(出典:Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7400114?hl=ja / ビジネス プロフィール側の案内では「虚偽のエンゲージメントと見なされ、固く禁じられています」と記載 https://support.google.com/business/answer/3474122?hl=ja )。また、事業者が第三者に依頼して投稿させる表示は、景品表示法のいわゆるステルスマーケティング規制(令和5年10月1日施行)の対象になり得ます。消費者庁は、広告には「企業がインフルエンサー等の第三者に依頼・指示するものも含まれます」としています(出典:消費者庁 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/ )。
    なお、「満足した人にだけ声をかける」という依頼の仕方そのものを禁じる明文は、上記の日本語のポリシー文面では確認できませんでした。編集部としては、禁止・容認のどちらとも断定しません。確かめられるのは、対価を渡す依頼は明確に禁止されていること、そして対談の出演者自身が、星の数を指定する依頼には「ダメだろ」と線を引いていることです。自院で文面を決める前に、使っている媒体の現行規定を一度読み直すのが順番だと言えます。
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    元動画を見る(2025年9月11日公開)
    1D編集部
    2026年10月4日
    「開業すれば、思うように診療できる」で準備していませんか?――手に入るのは診療環境で、先に減るのは診療の時間

    「開業すれば、思うように診療できる」で準備していませんか?――手に入るのは診療環境で、先に減るのは診療の時間

    開業の理由をたずねると、返ってくるのはたいてい診療環境の話です。使いたい機材、やりたい治療、自分の判断で進められる診療。1Dの対談動画「「こんなはずじゃなかった…」開業後に後悔しないために知るべき3つの落とし穴」は、その動機を否定しません。ただ、開業で手に入るものと、開業後に減っていくものは別の種類だ、という整理から入ります。
    落とし穴は、診療の腕の話ではない
    対談が最初に置くのは、勤務医の開業動機です。出演者は「割と勤務医の先生で多いのが」と前置きして、「自分の城で自分のこの診療環境で好きに治療ができるという」期待を挙げます。そのうえで、「自分の診療の城を持ちたい!」という意図だとうまくいかないことが多い、と続けます。
    理由として置かれるのは、開業が診療の延長ではないという一点です。「会社はシンプルに起業しているわけじゃないですか」と並べられ、考えることは違う、と整理されます。出演者は「実際やってみたらそのギャップに苦しむ人は多い」と述べ、歯科医師は開業する人が7割ぐらいだという見方も口にします(この割合は出演者の発言で、動画内に出典は示されません)。
    そして画面には「歯科医師が開業前後に感じるギャップ」という見出しのテロップが出て、以降は「コスト意識の違い」「スタッフマネジメントの難しさ」「採用の難しさ」という三つの小見出しが順に切り替わっていきます。落とし穴という言葉は使われていても、避けられない罠の紹介ではなく、知っていれば驚かずに済むことの列挙として語られています。
    一つめ・コスト意識の違い――院長の時間は、診療以外へ流れていく
    「歯科医師は診療がメインじゃないですか」。そう確認したうえで、開業すると途端にそれ以外の業務が増える、という話になります。出演者が挙げる体感は具体的で、歯科医院の院長の業務時間のうち「7〜8割は歯科医師じゃなくてもいい業務に使っている」という言い方が出ます。これは出演者の見立てであって調査の数字ではなく、本人も待っている時間なども含めたトータルの話だと補っています。
    中身として挙がるのは、「非医療業務とまでは言わないけれども」という留保つきの、いろいろな雑務です。お金の扱いも入ります。診療だけに集中していたところから、「この材料は〇〇円だ」とかが自分で分かってしまう。勤務医のときは視界に入らなかったものが、開業後は診療のあいだも視界に入り続けます。「こんなはずじゃなかった…」が生まれるのは、診療が下手になったからではなく、診療に充てられる時間と注意の配分が変わるからだ、という筋です。
    二つめ・スタッフマネジメントの難しさ――「人間関係」で止めると、打ち手が出てこない
    二つめのテロップが出るのは、話題が人に移ったところです。歯科衛生士も歯科助手もほぼ女性で、若い人が多く、ライフイベントによる離職も起きる。そのうえで出演者は、人間関係が原因でみんな辞めていくという研究がある、という言及をします。
    対談がそこから一歩進めるのは、その人間関係が誰と誰のものかという点です。歯科衛生士同士ではなく、院長を指しているのではないか。「原因は院長にある」という言い方まで出ますが、研究の名称も出典も動画内では挙がらないため、ここは出演者の解釈として読むのが妥当です。
    いずれにしても、ここで必要になるのは診療の技術とは別の仕事です。「自分のCRだけで食っていけるという人は本当にごく一握り」で、マネジメントをしなければならない――「自分なりの診療がしたい」と意気込んで開業した人ほど、この部分が重く効いてきます。
    三つめ・採用の難しさ――採れる採用と、採れない採用は別物である
    三つめで対談が分けているのは、同じ「採用」でも性質が違う二つです。
    開業時のオープニングスタッフは人気の求人で、「多少条件が普通でも全然応募が来る傾向にある」と言います。問題はその後で、運営していくなかで必要になる欠員の募集では、応募が全然来ない。しかも開業した後すぐ辞めてしまうアルバイトや助手もいる、という話が重なります。新規開業という珍しさが効いているあいだと、一人分の欠けを埋めたいだけの募集とでは、応募する側から見た魅力がそもそも違う、という理解になります。開業前の採用がうまくいったことは、その後の採用の予告にはなりません。
    出演者は有効求人倍率が20倍を超えていると言われる、とも述べています。この数字の出典も動画内では示されていませんが、採用は本当に採れない、という言い方は対談のなかで繰り返されます。
    ギャップは、分解してから準備する
    対談の締め方は、脅しではありません。出演者は、開業前後で感じるのではないかというギャップを分解して、雑務が多い、マネジメントが大変だ、というところまで具体にしてから準備してほしい、という言い方をします。先に経験した側からは「開業前よりも想像を超えて大変だよ」という声も紹介されます。
    裏を返せば、分解できたものは準備の対象になります。診療以外の時間が何にどれだけ使われるのか、開業時の採用と欠員補充の採用をどう分けて考えるのか。開業の判断そのものを止める話ではなく、「こんなことあるんだな」を開業後ではなく開業前に済ませておく、という提案です。
    対談そのものは、具体的な手順書ではありません。出演者も、いろいろな問題が待ち受けていると伝えたうえで「頑張ってください」と送り出す程度の締め方をしています。それでも、開業で手に入るのは診療環境であって時間ではない、という一点だけは、開業計画のどの段階にいても自分の前提と突き合わせられるはずです。
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    元動画を見る(2025年9月25日公開)
    1D編集部
    2026年10月3日
    「開業はいつにするか」から考えていませんか?――先に動かなくなるのは、引退する側の日付だった

    「開業はいつにするか」から考えていませんか?――先に動かなくなるのは、引退する側の日付だった

    開業のタイミングは、たいてい手前から考える。研鑽を何年積むか、資金がいつ貯まるか、勤務先でどこまで任されるか。1Dの対談動画「歯科医師が後悔しないキャリアの歩み方」は、その順番を逆から置く。先に置かれるのは開業ではなく引退で、そこから手前を数えると、同じ一年の重さが変わって見えてくる。
    対談が先に置くのは、開業ではなく引退の話
    対談は「歯科医師も当然引退するタイミングがくる」という一言から入り、画面には「独立・引退のタイミング」というテロップが出る。いつ独立すべきかを論じる回でありながら、独立の話の前に引退の話が置かれている。
    出演者が挙げる引退の理由は、身体のことだけではない。「目が見えなくなるとか腰が痛くなるとか」に続けて、「それ以外に引退すべき理由」として「もう疲れちゃった」という言い方が出る。長く続いたスタッフが辞めた、個別指導が入った、子育てが終わった――そうした場面が並び、「じゃあセカンドライフを送ろう」という流れはよく聞く、と語られる。
    つまり引退は、ある日の体調で決まるというより、いくつもの事情が重なったところで決まる。出演者はそれを「なんとなくで開業して、なんとなくのモチベーションで独立してしまうと」という言い方と対にして置いている。決め方が曖昧なまま始めたものは、終わり方も曖昧になる、という含みである。
    引退の日付が動かないなら、手前の一年の意味が変わる
    この回の背骨は、中盤の一文にある。「つまり引退するタイミングっていうのは一定なので」。
    そこから先の計算は単純である。「歯科医師として稼働できる年数って限りがある」「65歳・70歳で引退するとしても、できる年数は限られている」。具体的には「35歳で開業して65歳で引退したら30年間しかできないわけですよ」と言う。だから「なるべく早めに開業した方が生涯年収は上がる」し、「ゴールを考えた上で開業のタイミングを考える」ことになる。
    この見方が効いてくるのは、途中の遅れをどう数えるかのところである。出演者は歯学部の留年を例に出し、失っているのは学費と生活費の一年ぶんだけではない、と言う。「留年することによって最後の一年が押し出されちゃっている」。終わりが動かないのだから、手前で一年遅れれば、削られるのは最も脂の乗った時期ではなく、最後の一年である。
    留年に限った話ではない。勤務先を決めかねて過ごした一年も、開業を見送った一年も、同じ計算に乗る。なお対談で挙がる留年費用の金額は出演者がその場で口にしたもので、大学や学年によって異なる。ここで確かなのは金額ではなく、押し出される先が決まっているという構造のほうである。
    それでも「早いほどいい」で終わらない
    対談は早期開業を勧めて終わらない。すぐに反対側の事情が置かれる。「自分のスキルとかいろんなことを身に付けないと開業できない」と考えれば「研鑽を積む期間」が要る。35歳で開業するなら勤務は10年ほどで、「10年で習得できるものがどれくらいあるのか」という問いが残る。
    出演者は自分の経験も挟む。久しぶりに支台歯形成をやってみたら「ガッタガタで『こんな感じだっけ?』って思って」、「できそうだなって思っていたけど、もう全然できない」。手は離れた分だけ落ちる、という実感である。
    結局、対談が置くのは答えではなく二つの向きだ。生涯年収で考えれば早いほうがいい。技術で考えれば積む時間が要る。出演者の言葉では「いつ・どこのタイミングでそのスキルを身に付けて、どれぐらいで開業するか・独立するか」を「設計していかなきゃいけない」。どちらかが正解なのではなく、両方が同じ一本の時間を取り合っている。
    引退の時期は、自分の都合だけでは決まらない
    引退の側にも、自分で動かせない要素がある。「ある程度アクシデントがない限りは」、60歳・70歳になれば30代ほど細かいものは見えず、「多少の衰えは出てくるのが予見される」。ここまでは自分の話である。
    もう一つは相手の話だ。「後継者がいるか・いないか」。出演者は「継がせることができる相手がいるのかみたいなのも、だいたい分かるじゃないですか」と言い、それを早く知ることの意味をこう置く。引退するタイミングと継ぐタイミングが同じでは「もうちょっと遅い」。「継ぐ相手がいないんだな」と気づいた瞬間から、「キャリアプランとしてそこは設計していかなきゃいけない」。
    引退の日付は自分で選べても、渡す相手が現れる日付は選べない。だから気づく時期のほうを早める、という順序である。
    閉めるのか、渡すのか
    医院をやめる出口は一つではない。対談では「M&Aという売却する」道と、「シンプルに親族なのか、関係性の高い勤務医とかに継承もしくは承継する」道が並べられる。
    出演者はここで、いま起きていることとして「歯科診療所は微減している」と述べる。この点は統計で確かめられる。厚生労働省の令和6(2024)年医療施設(動態)調査によれば、歯科診療所は同年10月1日現在で66,378施設、前年から440施設の減少である。歯科医院の数が一気に増えた時期に開業した院長が「だいたい今65歳とかに差し掛かっている」という対談の見立ては、この減り方と地続きに置かれている。
    だから閉めるのはもったいない、と出演者は言う。何十年も続けた医院には「そこに根づいている患者さん」がいて、「地域医療に貢献している医療機関が一つなくなってしまう」ことになる。「引退だ」と言って「閉める」と言えば、その患者はもう誰にも診てもらえない。
    ただし渡す側にも難しさがある。親族への承継は「やりやすい側面もあるけど、やりにくい側面はめちゃくちゃあるでしょうね」と語られ、継ぐつもりだった子がうまくいかずに辞めた例も挙がる。第一選択肢が子どもであること自体は否定されないが、そこで決まるとは限らない。
    対談の二人は最後に「引退もクソもない、まだ若造二人で話した結論ですけれども」と断っている。だから、この回から持ち帰れるのは引退の作法ではない。出口の日付が先に決まっていると仮に置いてみると、手前の一年ごとの意味が変わる――その置き方のほうである。そして出演者は、考え始める時期について「実はもうちょい早い方が」「早めに考えておかないといけない」と言い添えている。
    元動画を見る(2025年10月30日公開)
    1D編集部
    2026年10月2日

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