若手歯科医療者にフォーカスした連載企画「1D Seeds」。今回は、東京歯科大学を卒業後、東京歯科大学水道橋病院での歯科医師臨床研修を経て、現在は岩手医科大学医学部に編入し、平日は医学生、土日は歯科医師として活躍する中里伊吹先生を取り上げます。
ーー歯科医師になったきっかけについて教えてください。私自身、子どもの頃は歯医者が苦手でした。親族に歯科関係者がいたわけではありませんが、進路を考えたときに「痛くない歯医者になろう」と思ったことが、歯科医師になったきっかけです。
ーー歯科医師になってから現在に至るまでのことについて教えてください。歯科医師になり、日々診療について学ぶなかで医学の奥深さに魅せられました。その好奇心から、今年岩手医科大学医学部へ編入しました。現在、平日は医学生として学び、土日は歯科医師として働くという生活を送っています。
飛び込んだ医学の世界は未知な分野が多く、刺激的な毎日を過ごすことができています。
ーー日々研鑽を積まれているなかで、自信があることについて教えてください。歯科関係ではない一般家庭で育ったため、患者さんの感覚・一般の人の感覚で考えるということは得意だと思っています。歯科医師として臨床を行っている上でも痛感しているのは、「医療者の常識」が「患者さんの常識」とは限らない、ということです。
患者さんの立場に立って、親身に診療を進めていけるということには自信を持っています。
ーー歯科医師人生を歩む中でぶつかった壁について教えてください。私は東京歯科大学を卒業して歯科医師になった後、東京歯科大学水道橋病院口腔顔面痛みセンターをメインに臨床研修をしていました。
多くの病院をまわりすがるような思いで来院した患者さんたち。その痛みの原因を解明することは難解であり、指導医の先生たちとディスカッションを繰り返しました。
「痛みに困っている患者さんを助けたい」というこのときの体験も、今医学を学ぶ自分への原動力のひとつだったのかもしれません。
ーー職場を選ぶ時に重視するところを教えてください。職場を選ぶときは、「やりたいこと」と「環境」の折り合いをつけることが重要だと思います。今土日に外勤している歯科医院は、やりたいこともできており、また設備面や人間関係でもすごく恵まれています。
ーー今後のキャリアビジョンについて教えてください。
「自分の大切な人を任せたい」と思ってもらえるようなドクターになれるよう、日々精進しています。世界ではメジャーな医師・歯科医師のダブルライセンス。日本ではその数はまだまだ少ないのが現状です。
私たちにしかできないことを発信し続け、何かしらの形にできたら良いなと思っています。ダブルライセンスに興味がある方も、相談に乗れると思いますのでぜひご連絡下さい。