働く歯科医療者の「メンタルヘルス」

働く歯科医療者の「メンタルヘルス」

文・構成:本吉 ひとみ | 投稿日: 2020年01月21日
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うつ病は16人に1人が生涯に経験していると推定されており、誰にとっても身近な病気である。うつ病は気分の浮き沈みが激しく、仕事に支障をきたすこともある。「迷惑をかけている」と自分自身を責めてしまう本人はもちろん、周りのスタッフも心配になるので、悩んでいる歯科医院も多いのではないだろうか。

うつ病とは?

うつ病とは、感情と意欲の障害を周期的に繰り返す精神病のことである。うつ病には、ハイテンションで活動的な躁状態と憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す”双極性”、そのどちらか一方だけをもつ”単極性”がある。

歯科医院はうつ病を抱えるスタッフが多い?

平成30年の就業歯科衛生士数を年齢階級別にみると「25~29歳」と「50歳以上」の割合が高くなっている。歯科衛生士は結婚・出産前の年齢と仕事復帰した年齢の人がほとんどのようだ。

また、うつ病の初発年齢は20代後半がもっとも多く、次のピークは40歳代後半~50歳代前半にみられる。男女比では男性より女性の方が多い。つまり、うつ病の悩みを抱える歯科衛生士の確率も高くなるのではないだろうか。

がんばり屋ほど、うつ病になりやすい

躁うつ病者の体型には肥満体型が多く、性格は陽気で社交的な性格である。他に、几帳面で熱中しやすく、自分の意見よりも他人を尊重する性格の人がなりやすいとされている。こういった性格をみると、ムードメーカーで思いやりのある素晴らしい歯科衛生士だと感じる。

しかし、人一倍がんばり屋な人ほど、うつ病にもなりやすいのである。

うつ病の症状とは?

うつ病の主症状は悲哀感、絶望感が強く、何でも悲観的に捉える特徴がある。不安感、焦燥感、苦悶感も強くなることがある。それらは何らかのきっかけから始まることもあるが、環境や心理的状況に影響されにくく、その場を離れても抑うつ気分は変わらず継続する。もっとも、うつ病では日内変動という現象がみられ、朝の起床時にはもっとも気分が悪く、夕方から夜にかけていくらかよくなるという気分の変動がある。

意欲の障害もみられ、何もやる気がおきない、何をするのも億劫だという状態になることが多い。重症度はあれど、こういった悩みを抱えるスタッフは多い。

うつ病で悩むスタッフとの関わり方

まずは専門の医師にみてもらうよう促すことが先決である。次に周りの人が気をつけるべきことは、スタッフを叱咤激励しないということ。うつ状態は「やる気がないのではなく、やる気をエネルギーに変換する機能が壊れている」のである。そんななか「頑張れ」といってもパンクしてしまうのだ。まずは”やる気をエネルギーに変換する機能”の部分を正常に機能するようサポートしてあげること。

うつ病は周りのサポートが大切である。本人はもちろん周りのスタッフにも病気であることを受け止めてもらい、十分に休息をとることを勧めて支持的に接することが必要である。回復してきている時期であれば、家族や院内のメンバーとも連携して環境調整を行い、今後の過ごし方について話し合っていくことが求められる。

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参考文献

  1. 『就業歯科衛生士数について』公益社団法人日本歯科衛生士会, 2019年1月6日閲覧. 
  2. 『はじめて学ぶ人の臨床心理学』杉原一昭, 中央法規出版, 2003.
  3. 『平成18年度厚生労働科学研究費補助金 こころの健康についての疫学調査に関する研究』川上憲人ほか, 2007.
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