「塩歯磨き」はローマから

「塩歯磨き」はローマから

文・構成:ミホ | 投稿日: 2019年11月28日
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現在、数多くの種類がある歯磨剤。むし歯予防や歯周病予防、歯を白くするためなど、目的ごとに使い分けている人も多い。

そんな歯磨剤は、文明の花開いた古代エジプトやローマにおいても使用されていたというから驚きである。

古代エジプトの歯磨剤

紀元前1500年ごろになると、文明の発展していたエジプトでは歯磨剤がが使われるようになった。当時の歯磨剤には粉状と練り状の2種類があったようだ。

  • 粉状のもの
    • 乳香(カンラン科の常緑高木)
    • 緑粘土
    • 緑青
  • 練り状のもの
    • 緑粘土
    • 緑青
    • 火打ち石の粉末
    • はちみつ
    • ビンロウジュの実の粉末

乳香は香りづけ、緑粘土・火打ち石の粉末は研磨剤、緑青は殺菌剤、はちみつは甘み・粘結剤として有効であったと考えられる。

古代エジプト人は宗教的な戒律として衛生に気を使っていた。世界で初めて歯科専門医が誕生したのもこのエジプトである。

古代ギリシャの歯磨剤

紀元前4〜5世紀ごろの有名人というと、ヒポクラテスであろう。

彼は病気を祟りや神罰ではなく、自然現象だと唱え、環境が患者に与える影響を示した。ゆえに彼の病気への対処法は、食べ物や入浴、マッサージなど生活全般に関わるものであった。

ヒポクラテスは口の悪臭を防ぐために歯磨きを勧めた。それは精製していない羊毛を使い、歯磨剤で研磨したあと水ですすぐという現在の歯磨きにも通ずるものである。なお歯磨剤は以下のように荒っぽいものでった。

  • 野うさぎの頭蓋骨を焼いた灰
  • 大理石
  • 白石
を粉状にして混ぜ合わせたもの

ヒポクラテスの歯磨剤を使うにつれ、歯がどんどん削られていったに違いない。

古代ローマの歯磨剤

古代ローマでは、市民が毎日のように公衆浴場に通い、裕福な人々は化粧や衣装などのおしゃれにも気を使っていた。また市民の間では、早くも現在と同じように白い歯が美の条件となっていた。そんな古代ローマにおいて、医師たちは驚くほど多種多様な歯磨剤を考案している。

  • 動物の骨・卵の殻を焼いた灰に甘松香やミルラを混ぜたもの
  • 焼いた干しイチジクの粉にはちみつを混ぜたもの

この当時から、歯磨剤の成分としてが使われ始めた。初代皇帝アウグストゥスの姉が愛用していた歯磨剤のレシピは以下である。

  1. 麦粉に蜜と酢を加え、よくかき混ぜる
  2. 1.を6等分して、それぞれにを加える
  3. 2.を火にかけ、炭化するまで煮詰める
  4. 粉末になった3.に、香料として甘松香を加える

彼女はローマ女性の美徳を持つ女性として慕われていた人物である。

ローマ兵士の給料が(salt)で払われたことは有名だが、塩歯磨きのルーツも古代ローマにあるのかもしれない。

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参考文献

「歯みがき100年物語」ダイヤモンド社, ライオン歯科研究所 編, 2017
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