「儀式」として抜歯が行われていた時代がある

「儀式」として抜歯が行われていた時代がある

文・構成:ミホ | 投稿日: 2019年11月13日
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実は人類は、その誕生から程なく、むし歯歯周病に悩まされていたことがわかっている。アフリカ南部のザンビアで発見された30万年前の人骨には、すでにむし歯があった。奥歯だけでなく、犬歯や切歯にもむし歯が見つかっている。

同じ頃、ヨーロッパを中心に分布していたネアンデルタール人には、歯周病が見られた。フランスの遺跡で発見された6万年前の人骨からは、ひどい歯周病により生前にほとんどの歯が抜け落ちていたことがわかっている。

今も昔も歯痛に悩まされる人類

人類最古の歯磨き用具は、楊枝だとされている。数万年前から人骨の歯には縦の溝が刻まれ、堅く尖ったもので強くこすっていたことが伺える。

また、5〜15万年前のネアンデルタール人の歯からは、歯肉炎の痛みを和らげるため、植物で作った楊枝を使っていたこともわかっている。

現世人類(ホモ・サピエンス)が現れる前から、人類は歯の痛みを抑えるために知恵をしぼっていたのだ。ただ最良の方法が「予防」だと気づくには、長い時間を要したようである。

日本では「抜歯」は儀式でもあった

日本における縄文時代では、抜歯は風習の一つだった。
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などさまざまなタイミングで抜歯が行われた。もちろん抜くのは健康な歯である。

縄文時代後期には、成人男女のほとんどが抜歯をしていたとされる。8本以上抜歯をした跡がある人骨も珍しくなく、当時はほとんどの人が「歯抜け」であったに違いない。

むし歯になりやすかった日本人

日本における縄文人は、動物の肉だけでなく栗など堅果類、芋など根茎類などを口にしていた。

これらは糖質を多く含み、むし歯になりやすい環境にあったと言える。

実際、同じ時代を生きたアメリカ先住民よりもおよそ20倍、近代のグリーンランドのイヌイットよりもおよそ4倍のむし歯発生率だったという。

また時代が弥生時代になると稲作が広まり、より一層むし歯の発生率は上昇したとされる。

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参考文献

「歯みがき100年物語」ダイヤモンド社, ライオン歯科研究所 編, 2017.
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