「夜の歯磨き」はメディアによって広まった

「夜の歯磨き」はメディアによって広まった

文・構成:ミホ | 投稿日: 2019年11月17日
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「昼は歯磨きしなくてもいいですか?」「歯磨きは1日何回すべきですか?」患者さんにこう聞かれたことが一度はあるだろう。

「その代わり朝と夜はしっかり磨きましょう」「最低でも朝と夜の1日2回は丁寧に磨きましょう」そう答えている方が多いのではないだろうか?

1日2回以上歯磨きをする子供が8割以上

実際、2011年(平成23年)に小・中学生を対象に行われた歯磨き回数に関する調査では、以下のような結果が出ている。
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現代では朝と夜の1日2回は歯磨きをする、という習慣が子供たちに定着していることがわかる。

昔は「朝1回」のみの歯磨きが当たり前だった

では昔はどうなったのか?1925年(大正14年)に行われた、同じく児童を対象とした調査では以下のような結果になっている。
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現代では当たり前になっている「夜の歯磨き」を実践しているのは、当時はごく少数だったのである。むしろ当時は「朝だけ歯磨き」というのが当たり前であった。およそ100年の間に、歯磨き習慣は大きな変化を遂げたのである。

「夜の歯磨き」はメディアによって広まった

ではどのようにして「夜の歯磨き」は広まったのだろうか?国民の歯磨き習慣を変え、夜の歯磨きを定着させるために行政や歯科医師会、学校、企業などが尽力したことは言うまでもない。

企業として特に取り組んでいたのは、現在のライオン株式会社の前身となる「小林商店」である。小林商店は1913年(大正2年)の新聞広告ですでに夜の歯磨きを勧めている。

その後も広告やイベントを通じて、「寝る前に歯を磨こう」と提案し続けた。当時、歯磨き習慣自体が庶民にもやっと浸透してきた頃であり、「寝る前の歯磨き」は新しい提案だったであろう。

1937年(昭和12年)には、6月4日(むし歯予防デー)のラジオ時報、午後9時30分を合図に寝る前の歯磨きを実行しようというキャンペーンも行われた。

現在はテレビやスマートフォンが普及し、いつでもどこでも情報を得られるようになったが、当時はそうではない。

多くの国民が活用していたラジオ時報を活用して行われたこのキャンペーンでは、午後9時30分に歯磨きを行なったおよそ64万人が「寝る前に歯を磨いた」と自己申告し表彰された。

この活動は翌年、さらに翌年と規模を拡大していった。このようなメディアの活用により、「夜の歯磨き」という習慣が国民に浸透していったのである。

これにより「朝だけ歯磨き」ではなく「夜の歯磨き」が主流となっていき、現代にも受け継がれている。

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参考文献

「歯みがき100年物語」ダイヤモンド社, ライオン歯科研究所 編, 2017
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