インプラント周囲炎治療、抗菌薬の投与は意味がある?

インプラント周囲炎治療、抗菌薬の投与は意味がある?

文・構成:河崎万鈴 | 投稿日: 2019年11月11日
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インプラント周囲炎は細菌感染が大きな原因となっており、抗菌薬の局所投与や全身投与が行われる。

軽度のインプラント周囲炎では、プラークコントロールやクロルヘキシジンでのうがいで効果が得られない場合、ミノサイクリンの連続局所投与での改善が報告されている。

また重度のインプラント周囲炎では、物理的な感染性物質の除去と口腔環境を良くするため外科的処置が行われる。

このとき外科的処置前後での抗菌薬の経口投与は、よりインプラント周囲炎の治療効果に寄与するだろうと一般的に考えられているが、確かなのだろうか?

学会の見解は?

インプラント周囲炎の外科的処置での抗菌薬全身投与の効果について研究された2つの試験において、統計学的な有意差が認められなかった。

そして、それらの2つの研究においての検証結果の項目がインプラント周囲炎の再発、インプラントの喪失、エックス線写真で確認できる骨の変化、PDの変化だったので、日本歯周病学会ではエビデンスの確実性は「中」とされた。

また抗菌薬全身投与のデメリットとして、抗菌薬の長い期間での使用によって、患者に耐性菌を生じさせるリスクがあること、患者にコストがかかることが挙げられる。

以上の抗菌薬全身投与の効果の確実性や、デメリットを踏まえ、日本歯周病学会では抗菌薬の経口投与は弱く推奨されている。

どの抗菌薬の経口投与か?

先程あげた2つの研究ではアモキシリンを用いていたが、試験のなかで使用されるアモキシリンの投与量が、本来成人に推奨されているアモキシリン投与量より多かった。

したがって日本歯周病学会では、リスクと得られる効果を考え、ペニシリン系の抗菌薬の全身投与を弱く推奨している。

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参考文献

日本歯周病学会『歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス 2018』,2018.
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