現在、高齢者の要介護者は75歳以上の5人に1人となり、そのために通院が困難になり、多くの歯科クリニックで高齢者の来院数が減少している。
患者の減少を防ぐために、歯科医院経営においては外来診療だけでなく、訪問歯科診療を活用することが重要だと考えられるが、訪問歯科診療の導入はハードルが高いと感じる歯科医師も多く、なかなか活用できていない現状がある。
そんな中、2024年4月24日にデンタルサポート株式会社歯科事業部コンサルティングチームの丹澤淳二講師より、訪問歯科診療での”勝ち方”についての講演が行われた。
本記事では、訪問歯科診療のおける患者を増やし医業収入を伸ばす方法として、
など、講演で語られた重要なポイントをかいつまんで紹介する。
ビジネスにおいて、売り上げを上げるための考え方は次の公式で表せる。
集客×成約×単価=売上
訪問歯科診療に当てはめると、「集客=認知を高める必要がある」「成約=紹介を受けて問い合わせに繋げる」「単価=結果として診療をすることになる」と理解する必要がある。
まず、集客の部分でもっとも大切な「認知」だが、訪問歯科診療を全く知らない患者に向け、どう情報提供し認知度を高めるかがポイントになる。
認知度を高めるためには、私たち歯科医療従事者が「対象患者・診療場所・患者説明・保険種類・ 診療点数」の5つを例に、外来と訪問の違いを理解しておく必要がある。
対象患者・・・通院できる人
診療場所・・・院内
治療説明・・・患者本人
保険種類・・・医療保険
診療点数・・・初診再初診(267点・58点)
異なる点も多いが、まず「診療場所」と「治療説明」に着目してほしい。
介護施設や病院であれば、施設長や生活相談員、ケアマネジャー、医師や看護師、自宅であれば、他医療従事者や介護事業者など、患者(ひとり)に対し、歯科の必要性を理解してもらわなければならない。
また歯科医療者側は患者に提供されているサービスを個別に把握する必要がある。そしてそれぞれに合った歯科医療の提供と他職種との連携が必須だ。
前述の通り、訪問歯科診療における患者は基本的に介護サービスを受けており、その理解は非常に重要になる。
主に提供されている介護サービスは大きく3つに分けられる。
訪問サービス訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設
介護療養型医療施設(2024年3月末に廃止、4に統合)
介護医療院
特定施設入居者生活介護
訪問・通所型サービス小規模多機能型居宅介護
夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
認知症対応型サービス認知症対応型通所介護
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
施設・特定施設型サービス地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)
福祉用具貸与
特定福祉用具販売
住宅改修費支給
居宅介護支援(ケアプラン)
このような多種多様なサービスを個々の要介護者が利用している。全てを把握する必要はないが、患者として訪問する対象者がどういったサービスを受けているかを理解し、それぞれの対応が求められる。
介護サービスを理解し、複数のサービス事業者へ広報することで認知を広がり、集患につながるため訪問歯科診療を始めるにあたって欠かせないポイントだ。
サービス事業者等の認知を獲得できたとして、どう紹介してもらうかが集患の具体的な鍵になる。
「多職種に歯科の必要性は理解されているか?」この課題に対しては歯科医院からの情報提供不足も原因だと考えられている。
また厚労省調査より、歯科治療や口腔管理が必要だと判断された要介護高齢者は64.3%だったが、過去1年以内に歯科受診した要介護者はわずか2.4%に止まり、居宅系サービスにおいて歯科治療が必要な利用者57.8%に対し、73.8%は定期的に歯科を受診していないという結果がみられた。
以上のことから、訪問歯科診療の必要性が理解されていない、歯科医院が多職種と連携できていないため需要に対して明らかに供給不足となってしまっていることが分かる。
この課題を解消するために、外来で取り組める施策として院内掲示用ポスターの設置、告知用パンフレット、ダイレクトメールや情報交換誌などを活用することが大切だ。
周囲との連携を図り、認知を拡大することで家族や知人を経由した紹介に繋がり、集患にレバレッジを聞かせることができる。
認知を高める×連携を図る=患者紹介
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