近年DX(デジタルトランスフォーメーション)が根付いてきた歯科業界だが、実際どこまでデジタルツールが導入されているのか気になるところだ。
一般社会ではあらゆるものがデジタル化されているし、歯科医院に必要なツールもほとんどがデジタルデバイスに対応してきている。
カルテをはじめ予約管理、会計など事務作業周りではもはや紙とペンは不要になりつつあるし、もっと言えばパソコンさえ必須か怪しくなってきた。
そこで今回は「歯科医院の1日はパソコンよりもさらに身軽なタブレットで回るのか?」実際の歯科医院の診療フローを再現しながら検証してみたいと思う。
検証にはサブカルテのDXツール「Dental eNote®︎」を主に使うが、無料体験版の用意もあるので気になる方がいれば是非使ってみてほしい。
検証に入る前に、まずは一般的な歯科医院の診療フローを定義したい。そのサンプルをもとにタイミングに合わせて必要なツールを考える。
出勤・準備:診療前の環境整備や器材準備が始まる。その前にまず出勤の打刻をするはずだ。ご存知の方もいると思うが、打刻もタブレットやスマートフォンからボタンを押すだけのサービスも展開されている。
アポイントの確認:朝礼で行われることも多いと思うが、1日の診療の流れをスタッフ全員で確認する。予約管理はかなりデジタル化が進んでいるところで、タブレットでアポ帳を確認することも見慣れたシーンだろう。
受付:まずは受診した患者の登録から。オンライン資格確認なんかも始まり、いかにもデジタルな感じにシフトしているだろう。申し訳ないがここはタブレットオンリーとはいかなそうだ。
診察:患者導入前にカルテ、もしくはサブカルテは確認すると思うが、タブレットでできた方が圧倒的に楽なところ。診察後のカルテ入力もタブレットならその場でできるし、パソコンに比べ省スペースだ。
会計・予約:飲食店などでも最近はタブレットやスマートフォンで会計表示されるのを目にしないだろうか。いわゆるレジ機能はタブレットでも十分できる世の中になっている。予約は始業時にある通り。
片付け:診療中に欠品に気づくなんてこともたまにあると思う。メモしておいて片付けながら確認し発注するとしたら、タブレットを持ちながらやるのが効率的だ。
レジ締め:キャッシュレスにしていればもはや必要ないかもだが、現金会計していれば一定の集計が必要になる。タブレットにはきっと電卓もついているので安心だ。
かなり大雑把ではあるが1日の流れをまとめた。これに沿って実際に歯科医院を借りてシミュレーションしてみたい。
今回は編集長・イシカワの先輩が開業するクリニックをお借りして、歯科医院ごっこをさせてもらった。1Dクリニック開業。
まず出勤から。受付にあるタブレットで打刻完了。GPSを使って自身のスマートフォンを使うサービスやIC機能を用いるものもあるが、今回の検証としては紙のタイムカードがデジタルになればなんでもいいので割愛する。とにかくタブレットで問題ない。
準備してたら材料が少ないことに気づくこともあるだろう。その場合はタブレットにメモしておいてあとでまとめて発注すればいい。
朝礼が始まる。アポイントを確認しながら1日のイメージをして、いかに早く昼休みに入り、数秒でも終業を巻けないか考える。スタッフそれぞれがタブレットを持っていれば各自確認しながら話せるしメモもできるし抜かりない。予約管理ツールは「Dental eNote®︎」と連携している「DentNet」を用いて検証している。
その日分のカルテをあらかじめ用意しておく必要もなければ、慌てて探す必要もないので心が穏やかになる。タブレット最高だ。
診療時間を迎える。歯科医療者の壮絶な戦いが始まる。ネット予約の患者か確認して予約管理ツールから受付。連携しているサブカルテもタブレットで表示するだけなのでミスもトラブルも圧倒的に少なくなるはずだ。
治療開始。治療もタブレットでできたらいいのに。治療前の説明やプランニング、補綴メニューはタブレットでできるとサッと出せて視覚的にも理解しやすくメリットが大きい気がする。
またタブレットであれば、嵩張る大量の書類の束をめくる必要もない。検索機能や治療履歴の一覧から過去の治療歴などを一瞬で振り返ることも可能で、患者とのコミュニケーションも滞りなく行える。
一通り治療が終わったら次回の治療について話すが、チェアサイドで予約も取れてしまうのはDXの醍醐味かもしれない。この辺は歯科医院のシステムにもよるが患者にとってもスムーズではないだろうか。
診察後のカルテ記入ももちろんタブレットで。「Dental eNote®︎」はタッチペンでの手書き入力も可能なので歯科医療者の使い勝手も変わらず移行もスムーズだ。
「Dental eNote®︎」で記入された情報はクラウドで同時に共有されるので、受付での対応にもラグがない。患者を待たせることなく会計のタイミングで次回についての会話もできる。
最後の診察が終わればあとは帰宅準備。スタッフは各自カルテの確認や片付け、在庫の確認と発注を行う。それぞれのタブレットで作業ができるので自分の仕事に集中できる分効率的だ。
現実的にはパソコンや紙媒体が必要になるシーンは出てくると思うが、理論上問題ないことの方が多いだろう。
タブレットによるあらゆるタスクのデジタル化は何より、細かな時間短縮と圧倒的な省スペースを実現し、歯科医院全体の効率化が見込める。
歯科医院に限らず、業務の無駄を省くことが最も経済合理性が高い施策なので、その点においてタブレットの活用とDXの推進は欠かせない取り組みになっていくはずだ。
余談ではあるが、導入医院の話では受付業務の一部をリモートワークで行うことが可能になったそうだ。アポイントの管理などがオンラインで連携できるので、産休・育休に入ったスタッフが出勤しなくとも働き続けているという。
高齢化が進む現代では介護などを理由に退職を余儀なくされる場合も少なくない。世間で広まるリモートワークが歯科医院でも可能になることは画期的な「働き方改革」だろう。
今回の検証に用いた「Dental eNote®︎」は歯科医院で必要な様々なサービスとの連携を進めており、本記事でも利用した「DentNet」はその連携の代表格だ。
どちらも既存の必要なツールをリプレイスしているものなので、歯科医院の効率化を検討している方は導入を考えてみてはいかがだろうか。
「Dental eNote®︎」は無料体験版が用意されているので気軽に試すことができる。ぜひこの機会に触ってみてほしい。