「最近なんだか腰が痛くて…」日々臨床に精を出す中、こんな悩みをお持ちの方は多いだろう。
歯科医療従事者にとって、身体は非常に重要な資本であり、身体の調子が日々の診療の質にダイレクトに影響する。実際のところ、歯科医療従事者のうちどのくらいの割合の人が腰痛に悩まされているのだろうか?
この問いに対する答えとなる、とある調査を発見したので、こちらで早速紹介する。
ちなみに1Dでは、腰痛などの身体の不調に対処するセミナーを開催予定である。詳細は
こちらから 、1Dプレミアム会員であれば無料でお申し込みいただける。
福岡歯科大学の研究チームは、歯科医療従事者の腰痛の実態を明らかにすることを目的とし、福岡歯科大学医科歯科総合病院の歯科医療従事者(歯科医師117名、歯科衛生士25名、歯科技工士4名、放射線技師4名)計150名を対象に調査を行った。
調査の方法は質問紙による無記名アンケート調査とし、以下の調査項目を採用した。
なお、腰痛があると回答した場合には、腰痛の発症時期、程度、腰に負担があると感じる業務内容、腰痛時の対処法、日頃腰痛にならないよう心掛けているかという内容についても調査を行った。
質問表の回収は150名中137名で、そのうち記入漏れのない136名を有効回答とした。
その結果、腰痛を感じていると回答したのは107名であり、腰痛有訴率は78.6%であった。
腰痛の程度は「腰がだるいが痛くはない」23.3%、「時々軽い痛みを感じる」56.0%、「休憩するほどではないがかなり痛い」12.1%、「時々休憩しないと仕事が続かない」8.4%であった。
今回の調査の結果、腰痛時の対処法として「安静を心掛ける」が75%を占めていた。
しかしながら、もし診療中に腰が痛くなったとしても、しばらく安静にしている時間など無い方がほとんどだろう。
では我々は、この忌まわしい腰痛とずっと付き合っていくしかないのだろうか…
今回1Dでは、こうした悲惨な現状をなんとか改善すべく、腰痛や肩コリなどの身体の不調に対処するセミナーの開催を決定した。
今回のセミナーでは、歯科医療従事者の診療姿勢の徹底分析から得られた、診療の合間の短い時間でできるセルフケアプログラムを伝授する。
「ずっと快適に診療を行いたい」。そんな歯科医療従事者の救いになれば幸いである。ぜひ参加していただきたい。
1. 山田 和彦, 米田 雅裕, 廣藤 卓雄(福岡歯科大学口腔歯学部), 歯科医療者の腰痛に関する調査, 人間工学 Vol.53, Supplement('17)