「私って本当に歯磨き下手なのよね」と患者さんにネガティブな発言をされた時、どのように答えていますか?
三流は無視をする、二流は同調する。そして一流は、松岡修造風に「大丈夫ですよ!!!」と全力で励まし、②の応用として「以前より上手くなっていますよ。でもどこが難しいと感じますか?」などと質問し、会話の流れを改善するための未来への方向へ繋げていくと良いでしょう。
ここからは少し難易度が上がりますが、上記の①〜③が何となくでも感覚で身につけられていれば、心配することはありません。
一流は、例えや擬音語、一人二役や一人質問を会話の中で入れていくといった話法を巧みに使います。さらに患者さんとの関係や状況に応じて、聞き役・話役・会話を回す役といった『空きのポジション』を担当します。
つまりどのような立ち位置になっても対応できるようになると、一気に会話のキャッチボールが弾むようになり、幅が広がるでしょう。
そして「あなたと話しているととても楽しい」と思ってもらえるようになるための最後のステップです。
一流は会話をしているときは一言も逃さないよう相手の言葉に集中して耳を傾け、いつ話題をふられてもふっても良いように、具体的なハイライトなエピソードを頭の中にメモしておきます。それが例え、歯や診療に関係しないことだとしてもです。
私の体験談では、大切なお孫さんが産まれた時の会話で名前を教えて頂き、別の日のたわいもない会話の中でその子の名前をふと出した時、「私の大切な孫の名前までちゃんと覚えててくれるのね。嬉しいわ、ありがとう。あなたに話してよかったわ。」と感謝の言葉を頂いた患者さんの思い出があり、今でも鮮明に覚えています。
またもう一つのスキルとして、次回予告などをして次回の楽しみを与えることも有効的です。
頭では理解できたけど、それでも雑談に対する苦手意識がなくならない…といったあなたに、雑談時の心構えを2つお伝えします。
物理的に姿勢を向けることは当たり前ですが、時には死牌や弱点を伝えるといったような心理的に腹を見せることも大切です。
ここで注意して頂きたいのが、自己開示はやりすぎても深く入り込みすぎてしまい相手に嫌がられてしまう場合もあります。カードゲームのように相手が一枚出したら自分も一枚出すといったような少しずつがポイントとなります。
またその自己開示の内容においても、最終的にネガティブに陥る話ではなく、ピンチから成功へ至った明るい話にすると、その後に続く会話も楽しく弾むことでしょう。
上記の5つのステップを普段使いできるまで身につけることにより、会話の見通しができるようになり、雑談することへの気持ちに余裕がもてるようになるでしょう。つまり、見通しの差が会話をする上での自信につながるのです。
そして少し心理学的なお話になってしまうかもしれませんが、どんな成功者も偉人も、才能でも努力でも意志でもなく “みんなのおかげ” という感謝の想いがベースにあるそうです。「自分はみんなのおかげで幸運なんだ」と思うことは、ポジティブなオーラや自信を醸し出すためには最も効果的であると言えます。
雑談をきっかけに「あなたにならなんでも話せる」「もっと話していたいわ」と言ってもらえたら嬉しいですよね。大切な患者さんたちにとって、唯一無二の存在になれるように雑談力のスキルを今から是非身につけていきましょう。