【1D的セミナーログ】アライナーの「失敗」学。しくじり症例とリカバリー

文・構成:常盤 肇 | 投稿日: 2021年11月20日
先日、1Dでは常盤 肇先生(日本矯正歯科学会臨床指導医)による「しくじらないための "アライナー失敗学" 〜症例選択からIPRのコツまで、トラブルを回避するポイントを凝縮」と題するWebセミナーが行われた。当日は多くの歯科医師が参加し、アライナー矯正に対する関心の高さが伺われた。


アライナー "失敗" 学概論

アライナー矯正、あるいはマウスピース型矯正装置といえば、比較的近年に用いられ始めたイメージを持っている方も多いだろう。だが意外にもその歴史は古く、1946年に誕生した "Tooth Positioner" の名で用いられたものが最初であり、インビザラインよりも前に日本人の吉井修考案のソフトリテーナーによるマウスピース型矯正が行われていたと言われている。

現在、アメリカの矯正治療は、マルチブラケット治療からマウスピース型矯正装置にシフトしつつあるため、多くの企業がその製品開発に勤しんでいる。また、企業から直接患者にマウスピースを提供し、ほとんど歯科医療者を介すことのないコンシューマーダイレクトなアライナー矯正も存在し、アメリカ矯正学会(AAO)からは警鐘が鳴らされている。

こうしたアライナー矯正の流行が、「好きな時に外せる」「いつでも辞めることができる」などの誤解につながり、しくじり症例が生まれてくると常盤氏は指摘する。

失敗しないアライナー矯正、6つのポイント

現状、日本で矯正歯科を専門にしている歯科医師は、一般歯科を行っている歯科医師と比べマウスピース矯正に対して慎重である。矯正医が慎重になる理由として、「適応範囲が限られる」「咬合面を覆うことの副作用が否めない」「歯根の情報が得られない」などが挙げられる。

この現状を踏まえた上で常盤氏は、失敗しないアライナー矯正治療について6つのポイントを説明した。より詳しくは講義動画をご視聴いただければと思うが、ここにポイントを記載する。

  1. アライナーの特性を知る
  2. 検査・診断をしっかりする
  3. 症例選択を間違えない
  4. セットアップをしっかり作る
  5. IPR、エンゲージャーなどのテクニックを習得する
  6. リカバリーテクニックを習得する

この項目のなかで特に興味深かったのは、アライナーは歯の遠心移動や傾斜移動、軽度開咬症例に有効だが、近心移動は苦手であるため便宜抜歯症例には不向きであるという点である。

また、IPRを行うタイミングは企業からの指示通り行うのではなく、自身で適切なタイミングをはかり行うべきであると常盤氏が強調されていた点も印象的であった。これらは、マウスピース矯正治療を成功に導くためには、自身やアライナーの限界を知り、一歩一歩正しい知識や手技を身につける必要性を強く問うているように感じる。

期間限定でセミナー動画が視聴可能

本セミナーの視聴お申込みは下記ボタンから可能である。アライナー矯正・マウスピース矯正に関心がある先生方は、ぜひご視聴いただきたい。

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