若手歯科医療者にフォーカスした連載企画「1D Seeds」。今回は、食品業界を経て、現在は歯科医療業界で活躍している管理栄養士、前絵理さんを取材します。
ーー管理栄養士を目指したきっかけを教えてください。私が管理栄養士を目指したきっかけは、より多くの人々を食を通して笑顔にしたいと思ったからです。私は大学を卒業後、管理栄養士の国家資格を取得しました。その後、食品業界で約13年、食の生産、物流、加工、販売の表・裏まで経験してきました。特に営業は7年ほど経験しました。
転機となったのは2018年。管理栄養士の自分として何ができるかを考えていた時に、偶然歯科医院の求人を見つけました。歯科医院で働く管理栄養士として医療業界へ飛び込み、現在は患者さんの口腔と全身の健康をサポートしております。
ーー仕事で「これには自信がある」ことは何ですか?管理栄養士という資格を持っているので、患者さんが普段摂取している食べ物や飲み物など、食生活をカウンセリングすることが得意です。患者さん一人ひとりに合わせた健康のサポートをすることには自信があります。
患者さんの行動変容を目の当たりにできると言いますか、患者さんの行動が変わるスイッチを押せるということが、この仕事の面白い部分だと思います。
ーー管理栄養士人生を歩む中でぶつかった壁について教えてください。管理栄養士として歯科の分野で役割を果たす上で、患者さんの主訴や歯科に関連させてサポートできるまでに非常に試行錯誤が続きました。
歯科医院に転職するまでは歯科の分野は素人だったので、患者さんの主訴と、自分の持っている知識とを関連させるスキルを身につけるのに時間がかかりました。
ーー職場を選ぶとき、何を最も重視しますか?重視した部分は、向上心です。その歯科医院自体が、何か新しいことに挑戦しようとしているのか、という点で職場を選びました。そこが無ければ、その職場にいる自分自身も成長できないのでは、と思ったためです。現在の職場はスタッフのモチベーションもみんな高いので、自分自信も成長できます。
ーー今後のキャリアの展開、ビジョンを教えてください。今後も歯科医院で働く管理栄養士として軸足を据えながら、全国の歯科医院へ管理栄養士の必要性を伝え、歯科栄養士の役割の普及活動を進めていきたいです。
歯科医院で歯科衛生士がスケーリングをすることが当たり前であるように、歯科医院で管理栄養士が栄養指導をすることが当たり前の世界を作っていきたいと考えています。