分数ができない歯学部生:大学関係者が語る、歯学部の「惨状」

ユースケ イシカワ
2020年7月5日
数年前、とある歯学部の授業内容が世間で話題になった。中学生が習う範囲の授業内容が書かれたシラバスがネットを中心に広く拡散され、その大学の知名度は意図せず上がってしまうことになった。

シラバスに書かれていた授業内容は、歯学部の入学試験を突破した学生たちに課される教育として相応とは思えないものだ。本記事では、その歯学部の関係者や現場を知る学生・OBの証言を元に、歯学部や歯学教育の行く末について考察していく。

歯学部1年次の必修科目のシラバスを入手

講師名や大学名などが特定できる部分にはモザイクを入れさせていただくが、こちらが実際のシラバスである。

この授業は1年生の必修科目となっており、分数計算や一次方程式、連立方程式などの小学生〜中学生で習うべき算数・数学、自己紹介のコツやノートの取り方、敬語の使い方など真面目な顔をしているのが苦しくなる文言が散見された。
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大学関係者はどう考える?

カリキュラムを設計している側も、もちろんふざけているわけではない。教授陣が真面目に考えて、入学する学生のレベルに合わせた授業内容にしているはずだ。この大学で教鞭をとる関係者は、取材に対して次のように語ってくれた。

このカリキュラムは教育現場、特に基礎系の先生の声を採用したものです。高校で理系3科目をすべて履修している学生は少なく、各科の講義でそれをカバーするにはコマ数が足りませんでした。基本から復習させる講義が無いと授業が進められないという声があったようです(談:大学教員)。

歯科大学で取得すべき単位の学習に至らない、学生のレベルの問題で教員が困っているという実情が見えた。それは入学の時点で振り分けることができる気がするが、歯学部の定員割れ問題を考えれば簡単ではないことがわかる。

加えて大学受験勉強はいわゆる試験対策であり、高校の授業も重心が傾いている。志望校の受験科目に物理学がなければその生徒は物理学をほぼ勉強せずに受験に向かうのが現実だ。だが流石に「挨拶」や「話し言葉」という一般的には学問に入らないものを講義にしているのはいかがなものか。それはまた違う根拠のもとに存在している。

ここ数年で、読解力の無い学生が増えています。国語の力が不足しており、だから文章を理解できないので問題を解くことができない。敬語も使えないので、臨床実習で患者さんと対面した時にコミュニケーションのトラブルにもなりかねません。学生のためを思って、必要と考えて講義をしています(談:大学教員)。

問題となる歯学部での「授業崩壊」

講義の内容もさることながら、学生側の「授業態度」も問題だ。現在の歯学部の講義風景について、現役の歯学部生に話を聞くことができた。

授業中の居眠りやおしゃべり、ゲームは当たり前。特に1〜2年生はゆるい授業が多いと思います。出席を取ったら教室から出ていき、もう戻ってきません。小型テレビを持ち込んで4人でマリオカートをやっている学生もいました(談:現役の歯学部生)。

大学生が講義を聴かないのは歯学部に限ったことではないと思われるが、目を覆いたくなる崩壊ぶりである。大学の教員は学生の授業態度について、どう思っているのだろうか。聞くと、意外な答えが返ってきた。

態度が悪いのは、今に始まったことではありません。私が学生の頃も悪かったですから。むしろ、ここ数年で態度は良くなっているとも感じています。しかし、勉強ができない学生が増えた。どう対応したら良いのか、頭を悩ませているところです(談:大学教員)。

歯学教育はどこへ行くのか?

定員割れするほど人気のない歯学部は、入学のハードルを下げるしかない。すると基礎学力に劣る学生が増えてしまう。この負のスパイラルが続いた末路が、今回ご紹介したような "読み書きそろばん" のようなカリキュラムだ。

一度下がったレベルは、簡単に戻すことはできない。数年後に歯科医師国家試験に合格する水準まで学力を上げることができれば良いという意見もあるが、勉強の素養のない学生はそれすらも難しいだろう。

実際に筆者も、歯学部に入学したは良いものの高額な授業料だけを支払い続け、最終的に歯科医師になれずにドロップアウトした学生を何人も見てきた。最低限の学力すら持たない学生を入学させることは、歯学部にとっても大学の存続を賭けた苦肉の策ではある。

しかし、出口のキャリアが実質的に「歯科医師」の一択しかない歯学部において、闇雲に入学だけさせてしまうことは罪なことなのではないだろうか。歯学部のあり方を再考すべきタイミングが、すでに訪れている。

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著者/監修者
ユースケ イシカワ
歯科医師

1990年東京都生まれ。2017年鶴見大学歯学部歯学科卒業後、歯科医師免許を取得。同大学歯学部附属病院にて歯科医師臨床研修を修了。診療の傍ら、ワンディー株式会社ではコンテンツの編集を担当。日本医療情報学会所属。

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勝ち組院長はやっている、訪問歯科診療の集患対策〜医業収入UPに必要な考え方と勝ち筋〜

現在、高齢者の要介護者は75歳以上の5人に1人となり、そのために通院が困難になり、多くの歯科クリニックで高齢者の来院数が減少している。患者の減少を防ぐために、歯科医院経営においては外来診療だけでなく、訪問歯科診療を活用することが重要だと考えられるが、訪問歯科診療の導入はハードルが高いと感じる歯科医師も多く、なかなか活用できていない現状がある。そんな中、2024年4月24日にデンタルサポート株式会社歯科事業部コンサルティングチームの丹澤淳二講師より、訪問歯科診療での”勝ち方”についての講演が行われた。本記事では、訪問歯科診療のおける患者を増やし医業収入を伸ばす方法として、認知度を高める介護サービスの理解連携を図るなど、講演で語られた重要なポイントをかいつまんで紹介する。訪問歯科診療で勝つ=患者が集まる歯科医院ビジネスにおいて、売り上げを上げるための考え方は次の公式で表せる。集客×成約×単価=売上訪問歯科診療に当てはめると、「集客=認知を高める必要がある」「成約=紹介を受けて問い合わせに繋げる」「単価=結果として診療をすることになる」と理解する必要がある。まず、集客の部分でもっとも大切な「認知」だが、訪問歯科診療を全く知らない患者に向け、どう情報提供し認知度を高めるかがポイントになる。外来と訪問の違いを理解する認知度を高めるためには、私たち歯科医療従事者が「対象患者・診療場所・患者説明・保険種類・ 診療点数」の5つを例に、外来と訪問の違いを理解しておく必要がある。外来対象患者・・・通院できる人診療場所・・・院内治療説明・・・患者本人保険種類・・・医療保険診療点数・・・初診再初診(267点・58点)訪問歯科診療対象患者・・・通院できない人診療場所・・・介護施設、病院、自宅など治療説明・・・患者本人、家族、施設のスタッフや本人を取り巻く関係者保険種類・・・医療保険、介護保険など診療点数・・・歯科訪問診療料(1,100点・410点・310点・160点・95点)異なる点も多いが、まず「診療場所」と「治療説明」に着目してほしい。介護施設や病院であれば、施設長や生活相談員、ケアマネジャー、医師や看護師、自宅であれば、他医療従事者や介護事業者など、患者(ひとり)に対し、歯科の必要性を理解してもらわなければならない。また歯科医療者側は患者に提供されているサービスを個別に把握する必要がある。そしてそれぞれに合った歯科医療の提供と他職種との連携が必須だ。介護サービスの理解前述の通り、訪問歯科診療における患者は基本的に介護サービスを受けており、その理解は非常に重要になる。主に提供されている介護サービスは大きく3つに分けられる。居宅施設地域密着型それぞれの詳細は以下の通りだ。居宅サービス訪問サービス訪問介護訪問入浴介護訪問看護訪問リハビリテーション居宅療養管理指導通所サービス通所介護通所リハビリテーション短期入所サービス短期入所生活介護短期入所療養介護施設サービス介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)介護老人保健施設介護療養型医療施設(2024年3月末に廃止、4に統合)介護医療院特定施設入居者生活介護地域密着型サービス訪問・通所型サービス小規模多機能型居宅介護夜間対応型訪問介護定期巡回・随時対応型訪問介護看護認知症対応型サービス認知症対応型通所介護認知症対応型共同生活介護(グループホーム)施設・特定施設型サービス地域密着型特定施設入居者生活介護地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)その他のサービスとして、福祉用具貸与特定福祉用具販売住宅改修費支給居宅介護支援(ケアプラン)がある。このような多種多様なサービスを個々の要介護者が利用している。全てを把握する必要はないが、患者として訪問する対象者がどういったサービスを受けているかを理解し、それぞれの対応が求められる。介護サービスを理解し、複数のサービス事業者へ広報することで認知を広がり、集患につながるため訪問歯科診療を始めるにあたって欠かせないポイントだ。集患の鍵は多職種との連携サービス事業者等の認知を獲得できたとして、どう紹介してもらうかが集患の具体的な鍵になる。「多職種に歯科の必要性は理解されているか?」この課題に対しては歯科医院からの情報提供不足も原因だと考えられている。また厚労省調査より、歯科治療や口腔管理が必要だと判断された要介護高齢者は64.3%だったが、過去1年以内に歯科受診した要介護者はわずか2.4%に止まり、居宅系サービスにおいて歯科治療が必要な利用者57.8%に対し、73.8%は定期的に歯科を受診していないという結果がみられた。以上のことから、訪問歯科診療の必要性が理解されていない、歯科医院が多職種と連携できていないため需要に対して明らかに供給不足となってしまっていることが分かる。この課題を解消するために、外来で取り組める施策として院内掲示用ポスターの設置、告知用パンフレット、ダイレクトメールや情報交換誌などを活用することが大切だ。周囲との連携を図り、認知を拡大することで家族や知人を経由した紹介に繋がり、集患にレバレッジを聞かせることができる。認知を高める×連携を図る=患者紹介この効果を意識した対策をデンタルサポート株式会社では提案している。訪問歯科導入PLAN設定で売上up!これから訪問歯科診療を導入する先生及び、すでに訪問歯科診療を導入している先生が訪問歯科診療で他院との差別化し、どれくらいの売上を得られるか、デンタルサポート株式会社では緻密なシミュレーションのもと提案している。デンタルサポート株式会社では過去にも多くのシミュレーションと改善実績を誇り、様々なケースにおける歯科医院をサポートしてきた。本記事を読んで、もっと医院の売上を伸ばす方法を探したい訪問歯科診療における集患について学びたい施設・職員との連携や取り組みについて詳しく知りたいといった疑問や興味が沸いた先生は、ぜひ下のボタンからお申し込みいただきたい。無料で相談する
1D編集部
2024年8月15日

口腔外バキューム、ちゃんと使えてる?サブスクでお得に最新設備を導入しよう

厚生労働省が推奨する、院内感染対策の施設基準でもある「口腔外バキューム」を設置している歯科医院は多いだろう。しかし製品によって機能はもちろん異なり、設備としての要件や使用法をしっかり満たせているかは疑問だ。つまり、あれば何でも良いというわけではない。今回は感染対策の中でも口腔外バキュームに焦点を当て、意外と知らない型式による違いなどを紹介したい。口腔外バキュームの普及と誤解口腔内を治療する歯科医院は、感染症予防と衛生管理の徹底が患者からの信頼度に直結する。コロナ渦を通して、患者の感染症に対する意識が高まったこともあり、より清潔で安全な環境の整備が必要となった。あなたの医院ではどのような対策がなされているだろうか。有効な対策として口腔外バキュームがある。口腔内バキュームでは吸引できなかった微細な水や唾液、切削粉塵、におい等を吸い取ることができる。特に治療時に発生するエアロゾルは、患者の血液や微生物、病原菌も含んでおり、院内感染を引き起こす原因だ。これらを防ぐためにも、口腔外バキュームの使用が推奨されている。厚生労働省によると「口腔内バキュームのみ使用した歯の切削後に、患者の口腔レンサ球菌が術者のマスク・眼鏡、診療室の空気中から検出された一方で、口腔外バキュームを併用した場合の細菌の検出約9 割減少した」との結果が報告されている。そのため、口腔外バキュームの設置はあらゆる制度のより高い水準の施設基準となっている。「口腔管理体制強化加算(口管強)」や「歯科外来診療感染対策加算」認定基準の一つとして、「歯科用吸引装置により、歯科ユニット毎に歯の切削や義歯の調整、歯冠補綴物の調整時等に飛散する細やかな物質を吸引できる環境を確保していること」があり、この基準を満たすためにも口腔外バキュームを設置する医院は多い。しかし、口腔外バキュームを効果的に使えているかはまた別問題となる。基準を満たすために、簡易的な移動型の口腔外バキュームだけを使用してはいないだろうか。移動型は、導入コストが低く、最低でも一台購入すれば移動して使用できるといったフレキシブルな面もあるため、比較的導入しやすい選択肢となっている。しかし、いくつかの問題点があり、結果的に不適切な使用になってしまう場合があることに注意が必要だ。手軽な「移動型」のリスク移動型バキュームの特徴は、一台で吸引、汚染物の除去、排気を完結させられる点である。必要なすべての機能が一台にまとまっているため、設置・移動をスムーズに行うことができる。また小型なものが多く、価格帯も低くなっている。このような導入のしやすさから、前述したとおり、感染症対策において移動型を設置する歯科医院が急増した。しかし、これらの利点は、かえって口腔外バキュームとしての効果を損なっている。注意すべき点の一つ目として、移動型の製品は吸引力が弱いという点が挙げられる。製品によって差はあるものの、小型化によってより強い力を出すことは難しくなる。十分な吸引力を持たなければ、拡散しやすいエアロゾルを取り逃してしまい、口腔外バキュームの役割を果たせない。また石膏やレジンなどを吸えないこともあるので注意が必要だ。注意すべき点の二つ目は、移動型バキュームの排気方法である。吸引された空気はフィルターを通った後、移動型バキュームの外へと排気される。つまり、排気は室内で行われることになる。いくらフィルターを通った空気とはいえ、完全に汚染物質を除去できるとは断定できない。よって室外へ排気した場合と比べれば、移動型バキュームは十分な安全性を保てないと考えられる。その他にも移動型には、室内の騒音や位置決めの取りづらさなどといった問題もある。これらを踏まえると、「口腔内バキュームで除去しきれなかった物質の除去」と「飛沫やエアロゾルによる環境汚染の防止」という本来の目的を果たすには能力の劣る面があり、扱いやすさにおいても移動型にはデメリットがあることを把握しなければならない。正しい感染対策として適切な使用そこで、口腔外バキュームの効果を最大限に発揮するため、移動型に代わる製品がセントラル型となる。セントラル型とは、強力な基幹吸引モーターを機械室に取りつけ、設備された配管を通じて各ユニットの吸引口から汚染粉塵を吸引する方式である。移動型と異なり、吸引口は各ユニットに固定して設置し、基幹部分へと送る配管も床下に敷設する必要がある。そのため、導入には大規模な工事を伴い、価格帯も高めになるのだが、その分の効果が期待できる。まず、吸引モーターは移動型のように小型化する必要がなくなり、強力な吸引力が得られる。吸引力の強化は、治療時に排出される汚染物質の取り逃しを減らすことにつながる。加えて、各ユニットから離れた場所に吸引モーターを置くことによって、診療室内の静音化も可能になる。またセントラル型では、排気口を室外にとりつけることができる。これによって、万一フィルターで汚染物質が完全に取り除かれなかった場合の再拡散を防ぎ、感染症対策という観点において安全性が高められるのだ。以上のように、セントラル型は移動型と比べると、あらゆる面で長けた性能を持ち、本来の目的により近づいた結果が期待できる。しかし、導入コストの面からセントラル型を選択しない歯科医院が多いのが実情である。特にテナント歯科であれば、配管工事に時間とコストがかかるため設備投資に手が回らないだろう。実際、2020年5月のデータでは全国で15%ほどの歯科医院にしか設置されていない。やむを得ず、移動型で対応するという形になりがちだ。しかし一台一台が幅を取るため、全台設置までとは至らないだろう。初期費用に悩まない「セントラル型」のサブスクが登場そんなセントラル型の口腔外バキュームを、手軽に導入できる方法がある!株式会社Deportでは、2024年4月から「セントラル型」のサブスクリプション(定額制)サービスを開始した。また、通常購入でも定価380,000円とリーズナブルな設定となっている。これまで、その初期費用の高さから、なかなかセントラル型の設置に踏み出せなかった医院も多いことだろう。しかし、このサービスとリーズナブルな価格によって設置のハードルが格段に低くなる。株式会社Deportのセントラル型バキュームは、強力なモーターによってウィルスや石膏、レジンの吸引が可能。関節部はフレキシブルに動き、位置調整が誰でも簡単にできる。スタイリッシュで診療室内の幅をとらないデザインだ。またサブスクリプションは「支払手数料」といった費用科目で経理処理ができるため、固定資産税がかからない。さらに、料金内にはメンテナンス料も含まれているため、いつまでも安心して使い続けることができる。このような利点はサブスクリプションならではのものだ。「手軽に導入したい」という医院にお勧めなこのサービス、気になる金額は?アーム&ポールとモーターそれぞれ一台ずつ契約することが可能。組み合わせでの利用は月額26,020円で利用することができ、4年目以降はなんと月額13,010円となる。リースよりもお得で、4年目以降いつでも解約できるのも、このサービスの特徴だ。定常的に利用している、もしくは利用する可能性が高い場合は、こちらのサブスクを活用して長期利用するのがおすすめだ。継続年数、設置数によって月額は変動するため、下の表が参考だ。※税抜価格となります令和6年6月の診療報酬改定で加算対象にさらに令和6年6月のの診療報酬改定により、個室や陰圧室での処置が加算されることとなった。従来、医科でのみ個室や陰圧室の定義がなされていたが、今回の改定で歯科にも表記されるようになったのだ。その詳細は、「歯科診療特別対応加算」が細分化され「円滑に処置する手技・手法を用いる、もしくは個室/陰圧室にて診療を行う」事で、250点もしくは500点の加算が得られるといったものである。 これは株式会社Deportの口腔外バキュームにも適用される。株式会社Deportの口腔外バキュームを使った陰圧検証において、密閉空間で口腔外バキュームを設置し検証した結果、約25秒で2.5pa(陰圧と認められる数値)を測定することができた。よって、個室内で株式会社Deportの製品を使用すると陰圧対応と認められるため、特別対応加算を得られることとなった。 ※口腔外バキューム(DeApollo)での検証結果感染対策がより重要視されている 診療報酬改定を受けて、感染対策はさらに重要事項となっている。 具体的には従来の「外来環」が廃止され、「歯科外来診療医療安全体制加算」と「歯科外来診療感染対策加算」の2つに分けられ、より高い水準の施設基準に変更となった。 これまでは、基本的なAEDなどの医療機器の整備と緊急時の他医療機関との連携準備ができていることが施設基準となっていた。しかしこの度の改正により、感染対策も施設の基準に追加されることとなった。感染対策にはCOVID-19といった新興感染症も含まれている。 つまり、感染症の流行期であっても医療を止めてはならないという訳だ。 また、近年では患者だけでなく衛生士においても、感染症対策の設備が整った医院を選ぶ傾向が顕著である。口腔外バキュームを設置することは、患者から、スタッフから、そして国からも求められている投資なのではないだろうか?衛生管理に力を入れているかの尺度となる、セントラル型の口腔外バキューム。新しく誕生した株式会社Deportのサブスクリプションサービスを使い、より清潔な診療室を手軽に目指してみてはいかがだろうか。詳細はこちら
1D編集部
2024年8月1日

<実録インタビュー>歯科医師を引退した68歳が始めた投資

引退後も安定した生活を実現するためには、資産運用が欠かせません。特に、長年にわたり専門職として活躍してきた歯科医師にとって、賢い資産運用は今後の生活の質を大きく左右します。今回のインタビューでは、68歳で東京都港区にある歯科医院の経営を引退されたAさんに、その資産運用について深掘りします。お父様から継いだ歯科医院を25年間経営し、2022年に引退。長年、銀行や証券会社からの投資勧誘はありましたが、投資活動には手を出していませんでした。しかし、遺産相続をきっかけに不動産投資を始め、現在では商業ビルを所有し、年間約3000万円の収入を親族が運営する会計事務所と連携し法人として運用、さらには約5000万円の株式を保有するに至りました。Q. Aさん、引退されてからの資産運用についてお聞かせください。特に、投資を始める前に持っていた不安はありましたか?はい、実は引退するまで投資にはほとんど興味がなかったんです。でも、父から受け継いだ不動産を何とか活用したいという思いと、引退後の生活への不安がありました。最初は何から手をつけていいのか分からず、正直なところかなり戸惑いました。Q. その不安をどのように乗り越え、資産運用を始められたのですか?まず、遺産相続で手に入れた商業ビルをどう活用するか考え始めたんです。そこで、親族が運営する会計事務所の助けを借りて、法人としてビルの運用を開始しました。それがきっかけで、より積極的な資産運用に興味を持つようになり、不動産投資や株式投資、その他様々な投資に手を出すことにしました。Q. 具体的に最も上手くいっていった資産運用はなんだったんですか?仮想通貨です。私自身は仮想通貨というものに懐疑的で、なんなら嫌悪感すら覚えるほど苦手意識がありました。なので最初に仮想通貨を始めようという話になった時は、最初は本当に不安だらけでした。知識も経験もない中でのスタートでしたから、どうなることかと思っていました。でも、Bitcoinを含む主要通貨に少しずつ投資をしていくうちに、その価値が急上昇しました。特に驚いたのは、投資を始めてからわずか3ヶ月で、投資資金が約3.5倍にも増えたことです。それは私にとっても、周りの人たちにとっても予想外の結果でした。その成功体験から、仮想通貨投資に対する理解が深まり、よりリスクを管理しながら投資を進める方法に興味を持ち始めました。現在は、ドルベースで取引される仮想通貨を中心に、年間20%のリターンを目指しています。リスクを低減しつつも、しっかりとしたリターンを目指せる仮想通貨投資に、今はかなり力を入れていますね。Q. その成功体験が資産形成のスタンスにどのように影響したんでしょうか?資産運用に対する見方が変わりました。リスクがあるからといって避けてばかりいては、大きなチャンスを逃してしまうこともあると学びました。もちろん、無闇にリスクを取るわけではありませんが、適切なリスク管理とバランスを考えながら、積極的に投資の機会を探求していくことの大切さを実感しています。これからも、学び続け、賢く資産を増やしていきたいと思います。Q.  他の人にアドバイスを求めることに対して、不安や不信感はありませんでしたか?最初は確かに、他人に自分の財産状況を相談することに対して大きな不安がありました。自分のこれまでの努力で築いてきた資産を誰かに話すのは、少し怖いと感じる部分もあったんです。でも、一人で悩んでいても答えが出ないことに気づいたんですね。そこで、勇気を出して専門家に相談してみると、私の不安をしっかりと受け止めて、分かりやすくアドバイスをくれました。専門家の方々は、私みたいに資産運用に不安を持っている人をたくさん見てきているので、その経験をもとにしたアドバイスがとても心強かったです。徐々に、専門家と一緒に資産運用の計画を立てることで、不安が解消されていきました。Q.  資産運用で成し遂げたことについて、どのように感じていますか?資産運用を始めてから、私の資産は確実に増えました。もちろん、市場の変動には一喜一憂することもありますが、全体としては安定した収入を確保できていると感じています。特に、商業ビルの運用から得られる収入は、引退後の生活に大きな安心感をもたらしてくれています。また、株式投資や仮想通貨に関しては、最初は不安も大きかったですが、慎重に運用を続けることで、その不安も少しずつ解消されてきました。資産運用を通じて学んだこと、経験したことは、私にとって非常に価値のあるものです。今後も、資産運用を続けながら、安定した老後を送っていきたいと思います。Q. 老後の不安に対して、他の歯科医師へのアドバイスはありますか?老後の不安を抱えている歯科医師の方々には、まず行動を起こすことをお勧めします。不安を感じるだけでは何も変わらないし、悩んでいる時間があるなら、その時間を資産運用の学習に充てるといいと思います。そして、専門家のアドバイスを積極的に求めてください。最初は不安かもしれませんが、専門家の知識と経験は、私たちが見落としがちなリスクを教えてくれたり、新たな投資のチャンスを提案してくれたりします。資産運用は一朝一夕にはいかないものです。長い目で見て、じっくりと取り組む必要があります。そして、リスクを恐れず、でも無謀にならないように、適切なリスク管理を行ってください。専門家のサポートを受けながら、資産運用にチャレンジしてみることで、老後の不安を少しずつでも解消していくことができるはずです。投機ではなく投資をするためにプロに相談をAさんの経験からは、老後の資産運用における不安を解消するためには、行動を起こすことの重要性と、専門家のアドバイスを積極的に求めることの大切さが浮かび上がります。資産運用の道のりは決して簡単ではありませんが、適切なサポートと正しい知識があれば、より安心して将来に備えることができるでしょう。仮想通貨や株式投資などは投機的な側面が目立ってしまい悪い印象を持たれている方も多いかもしれませんが、適切な資産ポートフォリオを組んだ上でプロの相談を元に進めることで適切な投資手段になり得ます。情報収集をしているけど知識だけが溜まって行動に移せないという方もまずは、どんな相談がプロにできるのかを知るところから始めせんか?どんな相談ができるのか詳しく見てみる
1D編集部
2024年7月16日

1Dプレミアムの医院プランの利用方法について

平素より1Dをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。本記事では医院プランを開始された方向けに、1Dプレミアム「医院プラン」のコンテンツを活用してもらうための使い方について説明させていただきます。目次個人学習コンテンツ(セミナー動画・マスターコース動画)医院メニューの使い方(従業員管理・支払い方法の変更・領収書の発行)1.個人学習コンテンツ「医院プラン」では、スタッフみんなが1Dプレミアムの個人学習コンテンツが見放題です。個人学習コンテンツにはセミナー動画とコース動画があり、目的に応じて学習することが可能です。セミナー動画500本以上のセミナーが見放題!セミナー動画は毎日更新されているため、最新の知識を勉強することができます。セミナー動画を視聴するマスターコース1Dプレミアム「マスターコース」では、各コース全10回程度の講義で最先端の治療技術を体系的に習得できるよう、世界レベルの臨床家、研究者によって設計されています。歯科衛生士マスターコースや、小児歯科診療マスターコース、訪問診療マスターコースなど多岐に渡る分野のコースを展開していますので、ぜひ受講してみてください。マスターコースを受講する2.医院メニューの使い方医院メニューでは「医院ステータスの確認」、「医院メンバー管理」、「支払い方法の変更」、「領収証の発行」が可能です。医院メニューを確認する医院メンバーの管理医院メニューの「医院メンバー管理」ボタンを押すと、登録されている医院メンバーが表示されます。右上の「メンバーを追加」ボタンからメールアドレスを入力して、メンバーを追加することが可能です。メンバーを削除したい場合は登録されている医院メンバーを選択し、「選択したメンバーを削除する」から削除が可能です。支払い方法の変更医院メニューの「医院支払い情報」から、「編集」ボタンを押すことで登録したカード情報の編集が可能です。また「お支払い方法を追加」ボタンから支払い方法を追加することも可能です。領収書の発行医院メニューの「医院領収書一覧」には、過去のお支払い履歴を表示しております。「領収書発行」ボタンを押して宛先を入力いただければ、「領収書を発行する」ボタンから領収書のダウンロードが可能です。問題が解決しない場合は?本記事で問題が解決しない場合は、お気軽に1D運営事務局までお問い合わせください。担当者から回答いたします。<お問い合わせ先>1D運営事務局メールアドレス:support@oned.jp
1D編集部
2024年6月5日

住宅兼用で開業することは正解なのか?

今回は、昨今増えてきている歯科医院併用住宅が初めての開業でおすすめされている理由を深掘りしてみます。歯科医院を併設した住宅は、プライベートとビジネスの両方を同じ場所で管理できるため、多くの歯科医師にとって魅力的な選択肢となっています。一方で裏を返すと、プライベートとの区別が難しいというあまり良くない印象を持たれるケースもあります。そんな中でも、全国の歯科医院のうち約10%が併用住宅形式で運営されており、その数は年々増加しています。この記事では、そうした住宅のメリットとデメリットを詳しく掘り下げ、開業を検討している歯科医師たちが住宅兼用を選ぶ背景を深掘りします。メリットは合理性通常、歯科医院併用住宅は、住宅とオフィスの購入または賃貸に比べて最大30%のコスト削減が見込めます。具体的には、不動産の取得や維持に関わる費用、通勤費の削減がこれに該当します。また、通勤時間がゼロになることで、一日のうちで自由に使える時間が増え、仕事と私生活の可処分時間が劇的に増えます。つまりお金と時間を最大化させる面において住宅兼用で開業を選択することは非常に合理的な選択と言うことができるでしょう。特に資金面は非常に大きなメリットで、開業時はとにかくコストを抑えることが重要で、最も大きなコストである建築コストは削減することで、機材投資などの他運転資金に余裕を持たせることが可能となります。デメリットはワークライフバランス患者が自宅スペースにアクセスすることができる構造であることもあるため、プライベートな時間と空間が侵害される可能性があります。またアクセスすることが難しい場合でも物理的な空間の限界から、スペースの拡充やチェアを増設する際の制約などの困難に直面する可能性もあります。設計であらかじめカバーできる部分プライベートと患者を診る仕事との境界線が無くなることは、精神面に与えるデメリットが大きいですが、あらかじめこの点に配慮する設計的な工夫によりプライバシーを守ることも可能です。また、将来的に事業拡張する可能性を考慮して、最初から余裕を持った設計を心がけることも大事なポイントです。住宅兼用で開業するエリア選び歯科医院兼用住宅にすることで集患に影響があるのではないかと考える人も一定数いるようですが、地域に密着しているというブランディングが自然構築されるため、近隣住民の集患にはプラスに働くことが多いと言われています。そのため、居住人口の多い地域で開業することで強みを存分に発揮し、近隣地域に密着したマーケティングを展開することで相乗効果を生むことができます。どんな間取りが必要?これらを踏まえた上で、歯科医院併用住宅の設計においては、機能性と快適性のバランスが重要です。以下に、そのための間取りの例を挙げます。・分離型間取りクリニック部分と住居部分を完全に分離し、別々の入口を設けることで、プライバシーを保護します。患者が住居スペースに入ることがないようにすることで、家族のプライバシーを確保できます。・フレキシブル型間取りパーティションや可動式の壁を使用して、必要に応じてスペースを調整できるデザインです。この方式では、日中は広い治療スペースとして使用し、診療時間外は家族のリビングスペースとして活用できます。・コア型間取り台所・トイレ・浴室・洗面所等 を住宅の中心部にまとめて配置することで、設備配管の集約による建設費の軽減や、 居室が外壁に多く面することによる居住性の向上を目指した形式にすることで、建設コストを削減できる利点があります。大枠の型となるこれらの間取りを参考にしつつ、各人のライフスタイル・家族構成・治療の専門性に応じてカスタマイズすることが可能です。適切な設計を選択することで、機能的かつ快適な併用住宅を実現できます。住宅展示場でイメージを持つ医院併用住宅をご検討される際には、総合住宅展示場に訪問してみることがおすすめです。総合住宅展示場には、実績のあるハウスメーカーのモデルハウスが複数展示されていて、一度にいろいろなハウスメーカーに相談することができます。まずは、お近くの総合住宅展示場を確認してみてください。近くの住宅展示場を確認するPR:総合住宅展示場ABCハウジング
1D編集部
2024年5月12日
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