「オーラルフレイル」の概念整理

「オーラルフレイル」の概念整理

文・構成:ミホ | 投稿日: 2019年12月21日
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日本は言わずもがな、超高齢社会である。そんな日本では要介護に至る要因として、また健康寿命の延伸を目指す上で「フレイル」「サルコペニア」が注目されている。

フレイルとサルコペニア

フレイルとは、加齢とともに身体的・社会的・精神的に衰える状態のことである。

フレイルの判定基準は以下である。以下5項目のうち3つ以上当てはまるとフレイル、1〜2つ当てはまるとプレフレイルとされる。
  • 体重減少:6ヶ月間で2〜3kg以上の(意図しない)体重減少がある
  • 疲労感:ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする
  • 活動量:定期的な運動や体操(農作業も含む)をしていない
  • 握力:男性26kg未満、女性18kg未満
  • 通常歩行速度:1m/秒未満

フレイルは身体的フレイル、認知的フレイル、社会的フレイルなど多面的な要素を持つ。つまりフレイルを改善させる方法はさまざまであり、健康寿命延伸の視点として重要な概念である。

またサルコペニアとは、筋肉量の減少・筋力の低下により、身体機能障害や生活の質が低下した状態のことである。サルコペニアの進行はフレイルを進行させることにもなり、死亡率を上昇させる。

口腔機能とフレイル・サルコペニア

地域在住高齢者5000人を対象としたフレイル・サルコペニアに関する調査では、以下のような結果が出ている。

  • 身体的フレイルが重度化した群は、口腔機能(咬合力・舌口唇運動機能)の低下・咬筋厚の菲薄化が見られる
  • サルコペニアが重度化した群は、咀嚼機能が低下・咬筋厚の菲薄化が見られる

これらの結果から、フレイル(サルコペニア)が口腔機能-身体機能の関係の中間因子である可能性が示された。高齢者口腔保健活動を進める上で、フレイル(サルコペニア)の状況を把握することは重要であると言える。

口腔機能と「オーラルフレイル」

オーラルフレイルとは、主に加齢によって口腔機能が低下してきた状態のことである。

オーラルフレイルの判定基準は以下である。以下6項目のうち3つ以上当てはまるとオーラルフレイルとされる。
高齢期における歯科-栄養の連携の重要性はこれまでも指摘されてきたが、それを進める上での具体的な指標がなかった。オーラルフレイルの概念は、そのモデルとなりうる。

またオーラルフレイルに該当した者は、そうでない者より
  • 身体的フレイル発症リスク・・・2.4倍
  • サルコペニア発症リスク・・・2.1倍
  • 要介護認定リスクが・・・2.4倍
  • 総死亡リスク・・・2.1倍
になるとも報告されている。この結果は、オーラルフレイルが健康寿命やその延伸に寄与する可能性を裏付けるものとなった。

口腔機能低下を予防することは、健康寿命を延伸させる。そのため今後は、オーラルフレイルの評価基準の標準化・知見の蓄積などが期待されている。

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参考文献

  1. 深井穫博 編「健康長寿のための口腔保健と栄養をむすぶエビデンスブック」 医歯薬出版, 2019
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