若手歯科医療者にフォーカスした連載企画「1D Seeds」。今回は、広島大学歯学部を卒業後、広島大学病院での歯科医師臨床研修を経て、現在は千葉県の栗林歯科医院に勤務する歯科医師の大原裕太先生を取り上げます。
ーー歯科医師になったきっかけや、歯科医師になってからのことについて教えてください。中学高校が進学校だったので、自然と医療系を目指していました。元々1つのことにこだわる性格だったので何かを専門とした職業が自分に合っていると考えていたこと、誰かの役に立ちたいという思いがあったことが最終的に医療系に進む要因になってました。
ーー歯科医師になってから現在に至るまでのことについて教えてください。歯科医師になってから最初の半年間は広島大学病院で研修医を行い、その後半年は外部の出向先で研修をしました。
研修期間中に就職フェアに参加して栗林歯科医院と出会いました。その時は栗林研治先生と話すことができなかったのですが、見学に行った次の日にアメリカにいる栗林先生からLINE電話がきて、初めてで何を話すのかと思ったら1時間半くらいずっとこれからの夢について話してくださって、一緒に世界を見ようと。その後すぐに就職を決めました。
ーー日々研鑽を積まれているなかで、自信があることと自信がないことについて教えてください。知識・技術はまだまだ秀でた部分はないですが、細かいところまで拘るところ、そして向上心が強いことが強みです(笑)。
将来的にはこの性格を生かして、マイクロスコープ・拡大鏡を駆使した歯科診療をメインに行っていきたいと思っています。
そのために今は毎朝5時台に出勤してマイクロスコープの練習を1時間と、勉強を1時間をしてます。
ですが、臨床ではまだまだ治療や説明でこだわり過ぎて時間をおしてしまったり・・・時間との戦いです(笑)。
今の職場はそれをサポートしてくれる環境ですし、徐々に効率化され成長していると感じているので不安に思うこともほとんどありません。
自分に自信がつくにつれて患者さんとのコミュニケーションも充実してきていると思います。
ーー歯科医師人生を歩む中でぶつかった壁について教えてください。研修期間はどう学べばいいかの指標が無くて、患者さんに聞かれても分からないことで戸惑ってしまったり、動画で勉強したりしてやる気はあるけど、練習する環境・実践する環境がなかったり、相談する相手がいなかったり、技術不足で苦い思いをすることもありました。
治療でも患者さんに怪我をさせてしまったり、すごい痛いを思いをしたと後からクレームがあったと聞いたり。すごく心が痛みました。
そんな環境にいたことも今の職場を選んだ理由になっていると思います。
ーー職場を選ぶ時に重視するところを教えてください。「成長できる環境か」「人間関係が良いか」です。たとえ院長が凄い技術・知識があっても、何も教えてもらえない、相談できない環境だと意味がないと思います。
学ぶ環境で試行錯誤しながら診療を行い、分からないことは事前に相談、終わった後にフィードバックできる環境であるかが成長にとても大事だと感じています。
人の悩みは全て人間関係ですから、心の平穏のためにもスタッフ間の仲がいいかどうかも重要です。まずは見学に行ってそこの医院の院長・スタッフと話してみることも大事だと思います。
ーー今後のキャリアビジョンについて教えてください。患者さんの「むし歯をゼロ」にする診療ができるようにしたいと思っています。
精密治療も再発を防ぐという意味でその一助になると思いますが、それだけではまた別の部位にむし歯を作ってきてしまいます。患者さんの悩みを聞き、良き理解者になる。そして友達になる事で話を聞いてもらえるようになることが大事かなと。
なぜなら、僕を知らない人にとっては僕がどれだけ勉強していようが「テレビで山ピーが言ってた」ことの方が「目の前の知らない人(僕)が言ってる」ことよりも優先順位が高いんです。
だからたくさん聞くこと、話すこと、そして普段から発信することがこれから重要になってくると思います。たくさん発信してみんなが僕の知人になって、正しい情報・世の中の良いものを拡められたらいいなと思ってます。
だからたくさん聞くこと、話すこと、そして普段から発信することがこれから重要になってくると思います。
僕の発信を見た人は僕を知ってくれます。もうこの時点で僕はその人の知人になってるんです。この記事を読んだ人も僕は知らないけど、僕のことを知ってくれています。あ、「予防とマイクロスコープが好きな先生だ」って(笑)。
だからたくさん発信してみんなが僕の知人になって、むし歯にならないための情報・世の中の良いものを拡めていきたいなと思います。