口腔の健康格差は、なぜ起きるのか。それを知っておくことは、令和を生きる歯科医療者にとって重要です。健康格差の拡大は、歯科医療業界を取り巻く社会問題として近年クローズアップされつつあります。
GPの先生方においても、一口腔レベルでの視点のみならず「家族」「地域」「社会」といったレベルでの視点を持っておくことが必要な時代なのです。
こうした「口腔の健康の社会的決定要因」は、大学でも卒後教育でも学ぶ機会はありません。これまでの歯科業界において、軽視されてきたと言っても過言ではないでしょう。
例えば、「健康教育」に意味はあるのか。システマティック・レビューによれば、長期的な効果は否定されています。「分かってはいるけど、実行できない」人が多いのが現状です。それを解決する手がかりこそ、社会的な視点なのです。
不透明な時代だからこそ、歯科医療者にも「社会」の視点が必要です。ぜひ一度、一緒に健康格差の問題を考えましょう。