歯科技工士校の「未来」

歯科技工士校の「未来」

文・構成:青木 秀馬 | 投稿日: 2019年11月27日
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世間に「歯科技工士」のイメージを問えば、長時間労働、低賃金、担い手不足とネガティブな言葉ばかり並ぶ。

実際、養成機関への入学者数は歯科技工士学校養成所指定規則に規定される人数(10名以上35名以下)に満たない学校がほとんどである(下図参照)。

このような状況を背景として厚生労働省は、2018年5月より「歯科技工士の養成・確保に関する検討会」を開催している。

このなかで用意された資料の『これまでの議論の整理と今後の方向性について(案)』は、今後の歯科界にとって重要な内容が記されていた。

今回はこの中身について紹介していきたい。
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歯科技工士の担い手は減少している

まずは、養成について検討委員会ではどのようなに現状を認識しているのか、導入として重要な箇所である。

学生が減少している背景は、既知の通り長時間労働低賃金を理由として高校生の進路の選択肢から外されているほか、自身の治療経験が少ないため(う蝕罹患率の低下)歯科技工士に対する認知度が低いという意見もあり、これは興味深い着眼点である。

そんななか、留学生は近年増加傾向にあるとも記されている(例えば新東京歯科技工士学校には留学生向けの窓口が設けられている)。

教育内容の現状としては、臨床を見る機会や多職種連携を学ぶ機会は限られ医療という実感を得にくいカリキュラムになっていること、デジタル技術に興味を示す学生が増加傾向にあると記されており、これらを今の修業期間ですべてカバーすることが難しいのは言うまでもないだろう。

加えて、労務管理に関する内容の必要性が言及されており、学生が知識を得れば会社側もそれ相応の処遇を取るようになり、業界の健全化につながるとの考えからだろう。

当たり前のことだがそれが出来ていなかったという現役世代に対する皮肉にも取れる。

上記のような現状に対応して、検討会では以下の方向性が示された。

厚労省の方針は?

現時点で必要修業年限を3年以上にすることは学校側の対応が困難であるほか、学生の経済的負担を懸念する声が出ているため、修業年限とそのカリキュラムについて必要とされる歯科技工士のあり方を再考しながら検討を進める。

歯科技工士の新たな業務のあり方として、4年制課程を修了した者には、義歯管理など臨床に関われる手段を検討していく。

卒後間もない時期の離職防止対策を検討するほか、歯科技工士免許で在留資格を取得できるか否の検討も行うということであった。

今すぐに実行できる方策には言及されず、腰を据えて着実に進めていくという内容だ。

歯科技工士校を3年以上に?

健全な業界の基礎を作るためには、3年以上に延長することは必須であろう。

2年で免許を取得し、3年目を研修歯科技工士として社会に出る準備段階を作ることなど、上記の内容に縛られずとも学ぶ幅が広がることを素直に歓迎すべきだ。

さらに4年制になると付加価値の高い歯科技工士になれる選択肢を得られることは非常に魅力的だ。現在3校ある4年制課程の差別化は必須であろう。

これは、歯科技工士のキャリアプランを考えることにおいても重要な点であると考える。

本記事のまとめ

以上をまとめると、これからの歯科技工士教育は3年以上に延長されることで学生の質を担保し、業界に安定的に良質な人材を届けることを念頭に検討を進めていき、さらにニュータイプの歯科技工士が生まれる可能性を示唆し、より良い歯科医療を永続的に提供し国民の健康を維持向上させることを期待されている。

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