1D編集部のその他の投稿を見る
一般に、遺伝性のエナメル質形成不全症は、すべての歯にわたって生じます。しかし、本症例では画像の通り、左右・両側の犬歯に限局してエナメル質形成不全が生じています。
エナメル質形成不全としては非常に珍しいケースなので、報告します。エナメル質形成不全症は、そのエナメル質の性状から、低形成型(減形成)、低石灰化型、低成熟型等に分類されるます。エナメル基質や、そのエナメル基質の分解酵素の遺伝子の変異により、エナメル質形成不全症を発症すると考えられています。
引用:Hamsini Gottipati, Santosh Hunasgi, Anila Koneru, et al. Enamel hypoplasia: A rare case report involving all
permanent canines. International Journal of Medical and Dental Case Reports. 2014
印象採得での少しくらいの失敗なら、気にしなくて良いかもしれません。
投稿を見る8歳女児の症例です。左下6番を局所麻酔薬と静脈内鎮静法を用いて抜去して帰宅後、母親から患児の下口唇が腫れたとの訴えがありました。局所麻酔薬もしくはラテックスのアレルギーを疑い、抗ヒスタミン薬を投与しました。
しかし、2日後も同部の腫脹は消退せず、小児科にてアレルギーの検査を受けたところ、アレルギー関連の異常は認められませんでした。結果的に、局所麻酔薬による口唇の感覚の変化が、女児にとって不快となり、自分で口唇を咬んで写真のような状態になってしまっていることがわかりました。
通常、外傷後の疼痛は自傷を防ぐ機能を持っていますが、局所麻酔下の痛みを感じない状態では、特に小児においては、正常なフィードバックが働かず、このような外傷につながってしまいます。
小児の局所麻酔後は、特に保護者に対して、唇などをむやみに咬まないように指導するなどの対応が必要です。
出典:Srikrishna Vempaty, James Robbins. Self-Inflicted Trauma Secondary to Local Anaesthesia in Children. Case Rep Dent. 2017.
歯科医療者専用SNS「1D」
に登録・ログインして、1D編集部さんの症例についてディスカッションしてみませんか?