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株式会社ヨシダで倶楽部PTCミーティング第3回、青島デンタルオフィスの青島徹児先生による「修復部位・マージンの設定位置におけるMaterial Selection」セミナーが行われました。
その概要をまとめたので、ぜひご覧ください(後日1Dニュースでも配信予定です)。

■■■人類の進化、ヒトの歯の進化■■■
【ヒトとチンパンジーの分かれ道】
人類はアフリカで生まれ、周辺の環境の変化に応じて、さまざまな身体的な進化を遂げてきました。ヒトとチンパンジーの遺伝子は98%同一であると言われています。わずか2%の違いで、こんなにも大きな差が出ます。

いったい何がヒトとチンパンジーを分けたかというと、食べ物が変わったからだと考えられています。ヒトは火を使って食べ物の調理を発明したことで、腸を小さくすることができ、そのおかげで脳を大きくできた。

【人類の歯の進化は限定的】
また、歯も進化を遂げています。歯根数やエナメル質の厚みは、数万年の人類史のなかで少しずつ変化しています。例えば、先述のように調理の発明によって、硬い食べ物を噛む必要が少なくなり、エナメル質は薄くなってきています。

ただ、身体全体の進化スピードと比べれば、歯はほぼ変わっていないようなものです。おおまかな構造は一緒で、数万年前の時点で歯の構造はほとんど完成しており、洗練されている。ですから、修復治療・補綴治療の際もそれを模倣することが重要です。もちろん、天然歯を維持することが最も重要なことですが。

■■■人類史が語る「模倣」の重要性■■■
【カンニングをしながら治療する】
天然歯の大臼歯があれば、僕は必ず写真を撮影するようにしています。なぜかというと、カンニングのためです。人間は「見ながら作る」ことは得意ですが、「想像しながら作る」ことはできません。ピカチュウを空で描けるかというと、多くの人は描けません。見て真似しながらであれば描けるわけです。それと同じで、歯も反対側同名歯や手前の歯の形態を参考に、カンニングしながら治療をした方が効率が良いです。

平面ではなく立体感のあるものを作るためには、プロビジョナルレストレーションでイメージを作りながら、患者さんともコミュニケーションを取っていくようにしましょう。

【解剖学的形態には必ず意味がある】
本来の解剖学的形態を理解することが重要です。隆線や裂溝は、必ず意味があるからそこに存在しているわけです。例えば、斜走隆線は咬合の安定や破折リスクの低減という役割を担っています。つまり、歯の寿命につながっているのです。こうした自然な解剖学的形態を意識して作っていくことが必要です。

Horizontal slot techniqueという、僕が使っているテクニックがあります。これは、辺縁隆線や咬合面を残して隣接面カリエスにアプローチする方法です。このテクニックによって、破折リスクが非常に下がっていきます。

松風のS-PRGフィラーを含有しているマテリアルは、フッ素やストロンチウム、アルミニウム、シリカ、ボロンなどのイオンをリリースします。これによって、フルオロアパタイトの生成や再石灰化、石灰化の促進、耐酸性の向上、知覚過敏の抑制、殺菌などの作用が期待できます。

【シェードテイキングのコツ】
浸潤麻酔やラバーダム、歯面乾燥をする前にシェードテイキングをするようにしてください。シェードは歯周囲の色に影響されてしまうので、口を開けた瞬間に取るのがベストです。

歯の加齢変化によって、シェードも変化していきます。乳歯には透明感がなく、いわゆるチョーク状。そこからミネラルの吸収や咬耗などにより、透明感を増しながら、色はどんどん濃くなっていきます。

シェードは変化していきますが、変わらないのはデンティンエナメルジャンクションです。エナメル質は咬耗によって薄くなっていくため、これを意識することで加齢の状態に合ったシェードテイキングができるようになります。歯科医師の仕事は、壁画の修復と同様に、どこを直したかをわからなくするという側面もあります。

■■■「オーラルバリオロジー」の樹立■■■
【う蝕・歯周病はバリアの破綻で生じる】
バリオロジー(Barriology)という概念があります。タイトジャンクションの構成タンパク質クローディンを同定した、京都大学の月田承一郎先生が提唱しました。

自己を外界から隔離することは、生命体がアイデンティティを保つための必須条件であり、そのため我々の身体には体表皮・粘膜からなるバリアシステムが存在しています。

例えば腸上皮バリアが破綻すると、粘膜免疫系の制御異常を引き起こし炎症性腸疾患、食物アレルギー、経粘膜感染症などさまざまな疾患に関連します。

口腔内でいえば、う蝕や歯周病もバリアの破綻によって生じる、とも考えられます。う蝕は外胚葉由来のエナメル質という硬組織が破綻することによって生じており、歯周病も接合上皮の破壊によるものです。

セメント質や象牙質は中胚葉由来で、バリアではありません。こうした組織が出てしまっている状態は、バリアが成立していない状態と言えるわけです。ヒトの生体防御機構、すなわちバリアは、外胚葉性組織で覆われることによって成立します。

生物学的幅径(Biologic Width)は、歯槽骨頂から歯肉溝底部までの歯肉の付着幅のことを言いますが、ここが口腔内のバリアの最も重要な部分です。接合上皮は生物学的幅径に含まれていて一定不変であり、むやみに剥がしてはならない付着組織です。

【実際の臨床に落とし込むためには】
オーラルバリオロジーを前提として、実際の臨床に落とし込むためにはどうすれば良いでしょうか。私の修復治療のカギは、バリアとなる「人工的外胚葉」を獲得するという意識です。下記に要点をまとめます。

・マージンは接合上皮を壊さない位置に設定する必要がある
・プローブ先端の到達位置は結合組織付着の0.3〜0.5mm歯冠側寄りまで到達する。その際に付着上皮がダメージを受けたとしても、付着上皮細胞のターンオーバーは10日と速い(歯肉口腔内上皮の50〜100倍)
・上皮性付着の防御機構:上皮付着に存在するDAT細胞の間隙を、1分間に3万個の好中球が遊走している。IgE、IgM、IgA補体、サイトカインも含まれており、上皮性付着内部は常に滲出液で洗浄されている状態
・形成のマージンは結合組織性付着の始まる位置に0.4mmの圧排糸を置いたその上に設け、5倍速を用いて15,000rpm程度で縁下形成する。5倍速は低速でもトルクがあるので使いやすい
・隣接面歯冠乳頭は、歯槽骨頂からコンタクトポイントまでの距離が関係している。5.0mm以下だと100%、5.0mmだと98%、6.0mmで56%、7.0mm以上で27%と推移する。歯槽骨頂からコンタクトまで5mm以下を狙う
・生活歯の場合は、ライトシャンファーで形成する。失活歯の場合、1mmは厚みが欲しい

上記が人工的外胚葉を獲得するための形成の話ですが、縁下形成のメリットとしては、下記の4点が挙げられます。

・形態的自由度の増加
・Creeping Attachment
・自洗作用のある上皮性付着の面積を増やす
・ブラックマージン、シャドーの軽減

■■■エビデンスによる「錯覚」■■■
【新しい発見はエビデンスの外で起こる】
ホーキング博士が残した「知識の最大の敵は、無知ではなく知識による錯覚である(The greatest enemy of knowledge is not ignorance, it is the illusion of knowledge)」という言葉があります。

私はこれに影響を受け、「新たな発見の最大の障害は、無知ではなくエビデンスベースによる錯覚である」と考えています。当然、患者さんを対象としている治療は、エビデンスに基づいて行われるべきです。

しかしエビデンスを信じ切ってしまうことによって、新しいアイデアが生まれなくなってくるという側面もあるのではないでしょうか。日本の歯科医療には、こうした視点も必要だと思います。

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歯学部の保存修復実習での窩洞形成の出来栄えが...

歯学部生だった頃の保存修復実習での画像です。
同じ班の友人が形成した、左上1番の5級窩洞です。
ご査収ください。

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先日の「歯科医院MEO対策」セミナーのまとめ記事を配信します。
船井総研( https://funai-dental.com/ )の小川さん、株式会社coco( https://lp.cocoreview.com/ )の高橋さんによるセミナーです。
歯科医院の経営・集患において重要なMEO(Googleマップ最適化)について、興味のある方はぜひお読みください!
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【歯科医院WEBマーケティングの「本質」とは?】
本質は「インターネットを使って集患・採用をする」ことではなく「歯科医院の強みを活かし、患者さんや求職者のニーズに最大限に応える、集患・採用ができる仕組み」を作ること。
ただ、歯科医院のWEBマーケティングはGoogleの大規模なコアアルゴリズムアップデート、医療広告の新ガイドラインの施行など、難しい時代に。そのなかで新たな潮流として「口コミ」が出てきた。
WEBマーケティングは、SEOやリスティング広告などの「導線戦略」とホームページやLPなどの「受皿戦略」を掛け合わせることが基本だが、それに加えてGoogleマップの「口コミ」を最適化すること重要になってきている。
これからは「Googleマイビジネスを制する者がすべてを制する」時代に入っていく。

【キーワードは「位置」「関連性」「知名度」】
MEO対策はSEO対策よりも効果的なうえ、無料で簡単。
Googleマップの表示順位は、3つの要素で決まる。これを押さえるだけで、すぐに表示順位は上がる。

①検索した場所との「位置関係」
検索した場所からの距離が表示順位に影響している。渋谷で「歯科医院」と検索したら、付近の歯科医院が出る。1キーワードに対して1つの順位が決まっているわけではないので、誰でも上位表示できるチャンスがある。
②検索キーワードとの「関連性」
歯医者を調べたら歯科医院が表示される、というシンプルな話。検索されるキーワードを散りばめておく。口コミの内容も表示順位に影響する。
③歯科医院の「知名度」
SNSや有名メディアなどで取り上げられたり、良い口コミが集まったりすると、知名度スコアが上がる。

【MEO対策の「極意」】
Googleマイビジネスの情報を設定するだけで表示順位はかなり上がる。住所、説明、写真、電話番号などの情報が設定されていない場合、致命的になる。
次に、口コミを集める。口コミは積極的に獲得しにいくものであり、勝手に書かれるものではない。「口コミを集めている」ことを素直に伝えるのがベスト。満足度が高そうな患者さんに対して、治療直後に、1日1人を目標に依頼していく。 口コミ集めにはcoco( https://lp.cocoreview.com/ )が使える。

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質問などありましたら、このグループにお気軽にどうぞ!

1Dニュースの記事版を読む: https://news.oned.jp/meo/

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日本小児科学会「Injury Alert」より、外傷による「乳臼歯」脱臼のケースをご紹介します。
通常、乳歯の外傷はほぼ上顎前歯部に生じます。本ケースのような臼歯部の完全脱臼はとても珍しく、興味深いです。

1歳9ヶ月の女児が入浴中、蛇口から直接水を飲もうとしたところ、乳臼歯が蛇口に嵌ってしまい、完全脱臼しました。

翌朝に歯科医院を受診しましたが、再植は予後不良と判断され、後続永久歯の歯胚への影響も含め経過観察をすることに。

蛇口は、外径が15mm、内径は6mm。内部は可動性のあるジャバラ構造でした。
この蛇口の構造に、一般的な第一乳臼歯のサイズがピッタリと合致してしまったことによる事故です。

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本日14時に発表された #歯科医師国家試験 合格発表は、全体の合格率は63.7%、合格者数は2059人。合格率は下がってはいるけど、合格者数は微増。
合格された方おめでとうございます!!!

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【第1回 歯学部生による、歯学部生のための勉強会_書き起こし】

アンケートで「解剖を知りたい」という声が多かったので、今日は解剖を中心に解説していこうと思います。

1年生〜4年生まで幅広い学生さんが参加しているので、組織学や解剖学がそれぞれどのような役割を果たしているのかをまず概観します。

途中からミスター医科歯科で家庭教師としても活躍中の藤原さんにバトンタッチし、勉強の仕方の解説を行っていただきます。

【資料のダウンロード】
https://www.dropbox.com/s/kq7m14cr7pq831n/0302ukaji.pdf?dl=0

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超有名YouTuberのはじ〇しゃちょーが、歯髄炎or根尖性歯周炎で抜歯、抜歯後にインプラントという治療計画を提案されたそうです。
直接診たわけではないので何ともいえないですが、どことなくウハの香りがするのは僕だけでしょうか笑

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たまには柔軟なアイデアが必要なのかもしれません。

たまには柔軟なアイデアが必要なのかもしれません。

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歯科技工士免許には「歯」が隠されている

ぼーっと技工士免許ながめとったら
…?!
これは歯じゃないか‼️
ってかんじでした
すごいテンションがあがりましたが、気づいてなかったのは私だけでしょうか…( ̄▽ ̄)

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Wait a minute ???

© 2018 Ali Dental Clinic.
https://www.facebook.com/dr.naseer.clinic/

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「歯の痛み」は人類の歴史上ずっと続いている悩みであり、その痛みを鎮めようと必死な姿が見て取れます。

例えば江戸時代に「歯の痛みを和らげる」とされていたのは、梅干しや大根おろし、わさびやにんにくなど。これらをう窩に詰める民間療法が定着していたらしいです。

1817年に出版された『経験千方』という書籍には、う蝕に対して「焼酎で口をゆすぐ」「大根の絞り汁を患側の耳に注ぎ込む」といったワイルドな民間療法を推奨している記述もあります。

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歯と犬の鑑別はたまに難しいことがあります

歯と犬の鑑別はたまに難しいことがあります。

© 2018 Ali Dental Clinic.

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