TBI

「TBI」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月23日

TBIとは?

TBIとは、歯科医師・歯科衛生士といった専門家が行う、プラークの除去を目的とした患者個人に適したブラッシングの指導のことである。ブラッシングは、患者が行う機械的プラークコントロールの主体を成しており、う蝕や歯周病などの歯科疾患を予防する上で極めて重要な行為である。

TBIは「ブラッシング指導」「歯磨き指導」とも呼ばれる。TBIとは、Tooth Brushing Instruction(ブラッシング指導の意)の頭文字を取ったものである。また、患者自身が行うプラークコントロールのことを「セルフケア」という。


ブラッシングの目的

ブラッシングには、「プラークの除去」および「辺縁歯肉のマッサージ」という2つの目的がある。TBIによって患者自身がプラークをコントロールすることにより、う蝕や歯周病といった歯科疾患の予防を期待できる。

ブラッシングで除去可能な歯面付着物

ブラッシングで除去できる歯面付着物と除去できない歯面付着物を整理すると、下記のようになる。

【ブラッシングで除去可能】
  • プラーク
  • 食物残渣
  • マテリアアルバ(白質)

【ブラッシングでは除去不可能】
  • 歯石
  • ペリクル(獲得被膜)
  • 色素沈着物(ステイン)

TBI・ブラッシング指導を行う際には、患者自身がブラッシングによる機械的な歯肉縁上プラークコントロールを想定しているわけであるから、前者の「プラーク」「食物残渣」「マテリアアルバ(白質)」の除去にTBIの焦点を置くことになる。

TBIで行うブラッシング法の種類

TBIでは、患者個人に応じてブラッシング法を指導する。ブラッシング法を選択するポイントは、プラークの除去効率が高く、患者が容易に行うことができ、歯肉や歯面を傷付けないという要件を満たす必要がある。

我が国で主にTBIにおいて指導されているのは「スクラッビング法」である。TBIで指導を行うブラッシング法には、他にも「横磨き法」「縦磨き法」「バス法」「フォーンズ法」「チャーターズ法」「ローリング法」「スティルマン法」「スティルマン改良法」などがある。

歯ブラシの毛先の使い方でTBIで行うブラッシング法を分類・整理すると、下記のようになる。

【歯ブラシの毛先を用いるブラッシング法】
  • 横磨き法
  • 縦磨き法
  • バス法
  • フォーンズ法
  • スクラッビング法

【歯ブラシの脇腹を用いるブラッシング法】
  • チャーターズ法
  • ローリング法
  • スティルマン法
  • スティルマン改良法

TBIで行うブラッシング法には、主に「歯ブラシの毛先を用いるブラッシング法」と「歯ブラシの脇腹を用いるブラッシング法」の2種類があるが、歯ブラシの毛先を用いるブラッシング法は比較的プラークの除去効率が高く、一方で歯ブラシの脇腹を用いるブラッシング法は歯肉のマッサージ効果が高いという利点がある。

TBIで行う歯ブラシの選び方

TBIでは、ブラッシング法だけでなく歯ブラシの選択に関しても指導する。選択する歯ブラシによって、プラークの除去効率は左右される。

TBIでおすすめする歯ブラシには、「手用歯ブラシ」と「電動歯ブラシ」の2種類がある。電動歯ブラシには「電動歯ブラシ」の他に「音波歯ブラシ」「超音波歯ブラシ」などの種類があるが、植毛部の形態に合わせて適切に歯面に当てることができなければプラークを除去することはできない。

手用歯ブラシと電動歯ブラシのプラーク除去効率には明確な差はないが、小児や高齢者、手が不自由であるなどの理由で手用歯ブラシに慣れることができない患者には電動歯ブラシを勧めるなどの工夫が重要である。

手用歯ブラシでは、プラークの除去効率という観点からは、硬い毛の歯ブラシの方が、軟かい毛の歯ブラシよりもプラーク除去効率が良好である。しかし硬い毛の歯ブラシはその分、歯肉を過度に傷付けてしまうなどの注意点もあるため、TBIにおいて適切な形で指導すべきである。

歯周基本治療中のTBIにおいては、例えば歯肉の炎症が強い場合には軟かい毛の歯ブラシを勧め、歯肉の炎症が改善していくにともなって硬めの歯ブラシに変えていく、といった指導法が有効である。

補助的清掃用具のTBI

以上、主に歯ブラシのTBIに関して解説したが、歯ブラシだけでは歯間隣接面などのプラークを除去することは難しいとされる。このため、補助的清掃用具であるデンタルフロスや歯間ブラシなどを歯ブラシと併用するよう、TBIで患者に伝えることが重要である。



「TBI」の文献・書籍など

【読み】

てぃーびーあい

【文献・書籍】

『臨床歯周病学 第2版』, 吉江弘正ら, 医歯薬出版株式会社, 2013.
『歯周治療プラクティスマニュアル』, 五味一博士, 永末書店, 2013.

著者/監修者情報

歯科医師

歯科医師。文系大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

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