Ramsay Hunt症候群

「Ramsay Hunt症候群」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

Ramsay Hunt症候群とは?

Ramsay Hunt症候群とは、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zostervirus)の感染またはすでに水痘の感染を起こしたことのある人で、そのウイルスが顔面神経麻痺の膝神経節に潜伏し、何らかの拍子(細胞性免疫の低下など)により再び活性化した時に生じる感染症である。帯状疱疹は三叉神経や肋間神経に好発するが、顔面神経に発症した場合はRamsay Hunt症候群であるとも言える。



Ramsay Hunt症候群の症状

Ramsay Hunt症候群の症状として以下の3主徴が見られる。
  1. 外耳道、耳介周囲の帯状疱疹
  2. 末梢性顔面神経麻痺
  3. 耳鳴,めまい,難聴など
第8脳神経症状のそろった3主徴を示す。


Ramsay Hunt症候群の診断方法

  • 診断は臨床症状、顔貌の所見から容易である。
  • ペア血清により、回復期の血清中のウイルス抗体価が急性期に比較して4倍以上の場合は確定診断の根拠となる。これをCF法という。
  • 水疱からのVZV の直接分離、免疫学的手法(蛍光抗体法)によるウイルス抗原の確認、
  • 分子生物学的手法(insitu hybridization、polymerase chain reaction(PCR法)) を用いたウイルスDNAの証明なども診断に用いられる。
  • ツァンク(Tzanck) 試験により変性巨細胞を確認する場合もあるが、特異性は低い。


Ramsay Hunt症候群の治療法

Ramsay Hunt症候群の治療法は以下の通りである。
  • 抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン、バラシクロビル塩酸塩)を経口または経静脈的に投与する。
  • 疼痛に対しては非ステロイド性抗炎症薬を投与し、症状が激しい場合にはさらに副腎皮質ステロイド薬を併用する。

Ramsay Hunt症候群と帯状疱疹後神経痛について

Ramsay Hunt症候群を含む、帯状疱疹が治癒した後、罹患部に強い神経痛様疼痛が後遺することがあり、帯状疱疹後神経痛 (postherpeticneuralgia:PHN) と呼ばれる。
帯状疱疹後神経痛(PHN)には、プレガバリンの投与、神経ブロック、星状神経節ブロック (stellateganglion block:SGB)を行う。
また、神経麻痺に対しては副腎皮質ステロイド薬の投与や星状神経節ブロック(SGB)などが行われる。


「Ramsay Hunt症候群」の文献・書籍など

【読み】

らむぜいはんとしょうこうぐん

【文献・書籍】

『標準口腔外科学 第4版第1刷』, 野間弘康ら, 株式会社医学書院, 2015.
『SIMPLE TEXT口腔外科の疾患と治療 第3版』, 栗田賢一ら, 株式会社永末書店, 2011.
『口腔内科学第1版第1刷』, 山根源之ら, 株式会社永末書店, 2016.

著者/監修者情報
歯科医師

1992年千葉県生まれ。鶴見大学⻭学部歯学科卒業後、⻭科医師免許を取得。学生時代から個人でアプリやWebサービスの開発を行う。東京⻭科大学大学院博士課程中退。2017年にワンディー株式会社を創業。

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