関節円板

「関節円板」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

関節円板とは?

関節円板とは、下顎窩、関節結節と下顎頭の間に存在する線維性の円板である。
関節腔を上関節腔(upper joint cavity)、下関節腔(lower joint cavity)に分けている。
顎関節を構成する軟組織の一つである。



関節円板の4つの部分

関節円板は次の4つの部分に分けられる
  1. 前方の肥厚部
  2. 中央の非薄部(神経、血管などの侵入はほとんどない。)
  3. 後方の肥厚部
  4. 二層部(下顎洲後縁および鼓室鱗裂に付着する上層(弾性線維)と、下顎頭後面に付着する下層(膠原線維)に区別される部)

関節円板の位置異常による顎関節症(顎関節症III型)

関節円板の障害による顎関節症として顎関節症顎関節円板障害(顎関節症III型)がある。
顎関節円板障害は、関節円板の位置異常ならびに形態異常に継発する関節構成体の機能的ないし
器質的障害と定義される。主病変部位は関節円板と滑膜であり、関節円板の転位、変性、穿孔、 線
維化により生じる。顎関節症の各病態の中で最も発症頻度が高く、受診患者の約6~7 割を占める。
顎関節症顎関節円板障害(顎関節症III型)には関節円板の転移が持続するか、復位する(下顎頭上に復位する)かでIIIa型とIIIb型に分かれる。
つまり、顎関節症顎関節円板障害(顎関節症III型)は以下の2つに分けることができる。
  • IIIa型: 復位性関節円板前方転位
  • IIIb型:非復位性関節円板前方転位
転移する方向としては、前方が一番多いがまれに内方、外方、および後方転位を認める。
いずれの方向に転位した場合でも、開口に伴う下顎運動に伴って転位円板が下顎頭上に復位する場
合(復位性)と復位しない場合(非復位性)がある。

関節円板の画像診断

関節円板の画像診断には、MRIや顎関節造影が使われる。
顎関節症顎関節円板障害(顎関節症III型)の確定診断のために使われる。
顎関節症顎関節円板障害でMRIで関節円板転位以外に現れる異常所見として、joint effusionとよばれるものがある。joint effusionとは、T2強調MRI画像で、関節腔形態に一致した高信号像(矢印) を呈することである。これは、関節腔が関節液で拡張してT2強調MR像で高信号を示すことによって見られる。

関節円板の老化

関節円板では菲薄化、穿孔、弾性減少、硝子化が老化の所見としてみられる。
また、関節円板末端では毛細血管の減少が見られることもある。





「関節円板」の文献・書籍など

【読み】

かんせつえんばん

【文献・書籍】

『カラーアトラス サクシンクト口腔外科学 第3版』, 内山健志ら, 株式会社学建書院, 2011.
『標準口腔外科学 第4版第1刷』, 野間弘康ら, 株式会社医学書院, 2015.
『歯科放射線学 第6版』, 朝海淳ら, 医歯薬出版株式会社, 2018.
『口腔解剖学 第1版』, 脇田稔ら, 医歯薬出版株式会社, 2009

著者/監修者情報
歯科医師

1992年千葉県生まれ。鶴見大学⻭学部歯学科卒業後、⻭科医師免許を取得。学生時代から個人でアプリやWebサービスの開発を行う。東京⻭科大学大学院博士課程中退。2017年にワンディー株式会社を創業。