ウィルソンの彎曲

「ウィルソンの彎曲」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月18日

ウィルソンの彎曲とは?

ウィルソンの彎曲とは、左右の大臼歯頬舌側咬頭頂を結び天然歯列を前頭面に投影したときに観察できる、下方に凸した咬合平面の彎曲である。天然歯列を前頭面に投影したときに観察できる咬合平面の側方的な彎曲である。上顎臼歯の歯軸が頬側に傾斜し、下顎臼歯の歯軸が舌側に傾斜しているため、咬合平面に対して、上顎臼歯の舌側咬頭は頬側咬頭より低位に、下顎臼歯の舌側咬頭は頬側咬頭より低位になる。 この結果、咬合平面は下方に凸な彎曲を描き、これを「ウィルソンの彎曲」という。ウィルソンの彎曲の曲率は後方ほど強い。

ウィルソンの彎曲の臨床的な意義

義歯の人工歯の配列や、ブリッジの形態もこのウィルソンの彎曲に近づけることが基本的には求められる。しかしながら、特に全部床義歯では義歯の維持や均衡のためにあえてウィルソンの彎曲から外れているように人工歯を配列する場合もある。
 

ウィルソンの彎曲の別名

ウィルソンの彎曲は別名が多い。ウィルソンの彎曲は側方咬合彎曲、側方歯牙彎曲、側方歯列彎曲,、latera locclusal curveともいう。ウィルソンの彎曲は英語ではcurve of Wilsonという。
 

ウィルソンの彎曲とモンソンの彎曲

 モンソンの球面説とは、1920年にMonsonが提唱した。モンソンは、正常な下顎の歯の切端や咬頭頂を連ねた曲線は 側方からの観察でみられる前後的咬合彎曲(Speeの彎曲)だけではなく,前方からの観察でみられる側方的咬合彎曲もあることに注目した。そしてそれらを結んだ曲線は、篩骨鶏冠付近を中心にして半径4インチ(10cm) の球面になる事を提唱した。この球面を前頭面から見た時の下方に凸した曲線をモンソンの彎曲(モンソンカーブ)という。

つまり、モンソン球面には、スピーの彎曲とウィルソンの彎曲両方が含まれており、一般的にモンソンの彎曲とウィルソンの彎曲は同義に扱われる事が多い。


「ウィルソンの彎曲」の文献・書籍など

【読み】

うぃるそんのわんきょく

【文献・書籍】

『歯科補綴学専門用語集 第5版』, 公益社団法人日本補綴歯科学会, 医歯薬出版株式会社, 2019.
『補綴臨床に必要な顎口腔の基礎知識 第1版第3刷』, 藍稔, 株式会社学建書院, 2011.

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師・歯学博士。1987年東京都生まれ。2013年鶴見大学歯学部卒業後、歯科医師国家資格取得。2018年同大学大学院歯内療法学講座にて博士(歯学)取得。現在は同大学歯学部解剖学講座に非常勤研究員として所属。歯科医院に勤務する傍ら、個別指導塾を開設。個別指導歴は6年目、再試数2桁(学年最下位)を半年で進級させる。2020年から子どもたちに絵本を届けるため「スタジオ歯の絵本」で歯科の絵本製作プロジェクトを始動。
【note】note.com/dentalobo
【twitter】twitter.com/dentalobo

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