カルシペックス

「カルシペックス」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月18日

カルシペックス®︎とは?

 カルシペックス®︎は、水酸化カルシウム系歯科根管充填材料である。有効成分は、水酸化カルシウムである。その他に、硫酸バリウム、精製水やその他の材料が成分として含有されている。製造販売元は日本歯科薬品株式会社(ニシカ)である。
 
カルシペックス®︎は、従来の水酸化カルシウム系糊材は精製水で練和をして使用するものであったが、予めワンペーストタイプの水性ペーストにしておく事で操作性を高めた製品である。
 
カルシペックス®︎は現在、カルシペックス®︎Ⅱとカルシペックス®︎プレーンⅡと2種類の製品がある。相違点は、カルシペックス®︎プレーンⅡは、X線造影剤が含有されていない点である。

カルシペックス®︎の適応と禁忌症

カルシペックスは、根管内消毒と残存歯髄の失活を目的にして使用される。禁忌症は、カルシペックス®︎に対して、発疹、皮膚炎の既往歴のある方への使用である。
 

カルシペックス®️の作用機序

 カルシペックス®︎は、有効成分である水酸化カルシウムの効果によって抗菌作用を示す。水酸化カルシウムは、カルシウムイオンが精製水などの溶媒中に放出される事により、pHが上昇する事で抗菌効果を示すと考えられている。カルシペックス®️のpHは12.4で強アルカリ性(塩基性)を示す。水酸化カルシウムの抗菌効果は緩徐であり、殺菌効果を示すには長時間、細菌に接しておく必要がある。
 
さらに、水酸化カルシウムはグラム陰性菌が細胞壁に持つリポ多糖体(LPS)を加水分解する事によって、LPSによる生体活性を阻害する。この作用は、グラム陰性菌の菌体が組織中に残存し、根尖周囲組織に持続的な炎症反応を引き起こす事で難治化してしまう症例の治癒を助ける働きに関与している。
 

カルシペックス®︎の使用法と注意点

 使用法
填入 ― カルシペックス®️は、シリンジに安全ストッパーが付属しており、過剰な量を吐出してしまう事を防止する仕組みになっている。ロック解除を行い、本材を付属のシリンジ先端部であるニシカスピンを用いて直接根管内に填入する方法およびレンツロやペーパーポイントを用いて根管内に填入する方法がある。
 
除去 ― カルシペックス®︎の除去方法は、最終号数ファイルによるファイリング操作、 EDTA水溶液および次亜塩素酸ナトリウム水溶液による交互洗浄、超音波洗浄を併用する事が推奨されている。
 
注意点
カルシペックス®︎は、根尖孔や穿孔部、瘻孔などかのからの溢出により、周囲組織へ有害事象を起こす事があるので、使用時には注意が必要である。過去には、上顎洞内への迷入による炎症の惹起や下顎管内への迷入による下歯槽神経損傷などが報告されている。


「カルシペックス」の文献・書籍など

【読み】

かるしぺっくす

【文献・書籍】

カルシペックス製品概要(https://www.nishika.co.jp/upfiles/11_pdf_1/CXII-N-25.pdf)
カルシペックスQ&A(https://www.nishika.co.jp/upfiles/11_pdf_9/CX2QA20200708.pdf)
『歯内治療学 第5版』勝海一郎ら、医歯薬出版株式会社,2018

著者/監修者情報

歯科医師

歯科医師・歯学博士。1987年東京都生まれ。2013年鶴見大学歯学部卒業後、歯科医師国家資格取得。2018年同大学大学院歯内療法学講座にて博士(歯学)取得。現在は同大学歯学部解剖学講座に非常勤研究員として所属。歯科医院に勤務する傍ら、個別指導塾を開設。個別指導歴は6年目、再試数2桁(学年最下位)を半年で進級させる。2020年から子どもたちに絵本を届けるため「スタジオ歯の絵本」で歯科の絵本製作プロジェクトを始動。
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