カンジダ性口唇炎

「カンジダ性口唇炎」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月30日

カンジダ性口唇炎とは?

カンジダ性口唇炎とは、口腔カンジダ症(真菌によっておこる感染症)のうち、その症状が口唇に現れたものを指している。カンジダ性口唇炎では、口唇紅部では鱗屑の付着とその周囲皮膚に及ぶ著明な発赤が特徴的である。口腔カンジダ症では、舌を主とする口腔粘膜の疼痛、灼熱感、味覚異常などをその主症状としており、臨床的には白苔の付着や粘膜の萎縮を生じさせる。しかしながら口唇で症状が起こることは比較的稀である。


口唇炎の分類

口唇炎は、以下の様に分類される。
  • 紫外線による光線口唇炎
  • 小唾液腺の炎症性障害である腺性口唇炎
  • 外傷性の剥離性口唇炎
  • アレルギー反応性の接触性口唇炎, アトピー性口唇炎
  • カンジダ感染による口角炎

口角炎とは?

口角炎を生じた場合、上唇と下唇をつなぐ口の端の部分である口角に、ただれやひび割れができる状態であり、両側性に現れることが多い。口角炎では接触痛があり、大きく口をあけると亀裂が生じて出血する。

口角炎の原因は、カンジダ症、唾液分泌過多、糖尿病、貧血、シェーグレン症候群など様々である。小児の場合は、口角部のよだれを放置し、細菌感染により発症することもある。また、食生活の乱れや過度なダイエットなど、栄養バランスの崩れが原因となる場合もある。

口角炎の治療法は、まずは原因となる基礎疾患がある場合はその治療を行うことである。口角部を清潔に保つことも必要である。副腎皮質ステロイド軟膏の塗布は、ウイルス感染やカンジダ症が原因の場合には症状が悪化する恐れがあるので注意が必要である。

まずは基礎疾患の評価が必要であり、保湿用の軟膏、アシクロビル含有軟膏、抗菌薬含有軟膏などを適宜使い分けることで対応する。

カンジダ性口唇炎の症状

口腔カンジダ症の特徴は剥離可能な白苔の形成、上皮の肥厚による白斑や粘膜の萎縮と発赤などであるのに対して、カンジダ性口唇炎の場合は口唇紅部では鱗屑の付着とその周囲皮膚に及ぶ著明な発赤が特徴的である。

そもそも口腔カンジダ症とは?

口腔カンジダ症とは、真菌(かび)によって起こる口腔感染症である。口腔カンジダ症は乳幼児や高齢者など、免疫力が低い人に生じやすい。

口腔カンジダ症の原因

口腔カンジダ症は、主に真菌であるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)への感染が原因である。口腔カンジダ症は副腎皮質ステロイドの投与や、体力低下やAIDSなどに伴う、免疫力の低下で発症する(日和見感染)。その他口腔カンジダ症は抗菌薬投与による菌交代現象、悪性腫瘍に対する化学・放射線療法口腔清掃不良、義歯装着によっても誘発される。

カンジダ性口唇炎の発症については、口唇紅部の皮膚炎などに対するステロイドの外用が起因となることがある。ステロイド薬はカンジダ菌に対して増殖促進的に作用するため、好中球の抗カンジダ作用の抑制と相まってより容易に発症することとなる。

口腔カンジダ症の分類と症状

口腔カンジダ症は大きく3つに分けられ、各症状は以下である。
  1. 急性カンジダ症
    ・偽膜性:口腔内の違和感や灼熱感、接触痛、ガーゼなどで拭うと取れる偽膜を伴う白苔
    ・萎縮性:接触痛、粘膜の萎縮、広範囲に見られる紅斑(偽膜が脱落し白苔は見られない)
  2. 慢性肥厚性カンジダ症:自覚症状はほとんどなく、境界明瞭で表面がザラザラしている粘膜隆起や白苔が見られる
  3. 慢性皮膚粘膜カンジダ症:全身の皮膚粘膜に生じたもので、再発性・難治性である

口腔カンジダ症の治療方法

口腔カンジダ症の治療方法は以下である。
  • 急性の口腔カンジダ症の場合:抗真菌薬(ミコナゾール、ナイスタチン、アムホテリシンBなど)の塗布・含嗽・内服、口腔清掃状態の改善
  • 慢性の口腔カンジダ症の場合:切除が主


「カンジダ性口唇炎」の文献・書籍など

【読み】

かんじだせいこうしんえん

【文献・書籍】

『サクシンクト口腔外科学 第4版』, 内山健志ら, 学健書院, 2019.
『歯科医師国家試験参考書New Text別冊 口腔外科セレクトアトラス 第1版』, 麻布デンタルアカデミー, 株式会社干乃コーポレーション, 2012.

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師。文系大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

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