コンケイブ

「コンケイブ」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年11月23日

コンケイブとは?

コンケイブは歯科では矯正歯科と保存修復分野で使われる用語である。矯正歯科分野でコンケイブは、側貌で口唇が陥凹しているタイプの顔貌を形容する用語として用いられ、保存修復分野では、すべての隅角を明瞭にせず、丸みをもたせた窩洞を形容する用語とされる。英語のconcave (凹(おう)面(形)の、中くぼの、くぼんだ)に由来する。コンケイブではなく「コンケーブ」と表記されるときもある。

矯正歯科分野での「コンケイブタイプの顔貌」とは

側貌はG:グラベラ(額の最前点)Sn:サブナザーレ(軟組織の鼻下点)、軟組織Pog: 軟組織ポゴニオン(軟組織上の下顎骨オトガイ部の正中断面像の最突出点)で評価するが、G-Pogに対してSnが後退している症例のことである。

コンケイブタイプは凹顔型とも呼ばれる。

また側貌の分類は、
  • 凸顔型(コンベックスタイプ):G-Pogに対してSnが前突している
  • 直線型(ストレートタイプ): G-Sn-Pogが直線上に位置している。
の2つが他にある。

野田ら(1993)はこれら3タイプについてこう結論づけている。
  1. 全被験者が最も美しい と思う側貌は、3タイプともに 下唇の 位置が E−lineから後方2mmの 側貌が多かっ た.
  2. 全被験者が美しい と思う側貌の範囲は、3タイプ ともに下唇の位置がE−line上 (0mm)から後方6mm までであっ た。また、上顎正常位、下顎後退位、下顎前突位になるにしたがっ てその範囲は狭くなった。

つまり、美しい顔貌は多少なりともコンケイブタイプの顔貌であるということが言える。

保存修復分野での「コンケイブ型の窩洞」とは

コンケイブ型の窩洞はすべての隅角(点角、線角)を明瞭にせず、丸みを帯びさせた窩洞のことである。セラミックインレーやレジンインレーでは抵抗形態であるとされている。

セラミックインレーやレジンインレーでの抵抗形態

①咬頭隆線を保存する。
残仔歯質の脆弱化防止をはかるため、特に機能咬頃や隆線の保存に努める。

②インレー体に十分な厚みをもたせる。
材質が脆弱であることから、修復物の脆弱化防止をはかるため、メタルインレー修復窩洞より深めに形成する。特に2級窩洞では、イスムス部(狭窄部)で破折しやすいので、十分な厚みを与える。

③線角および点角を丸く仕上げる。
すべての隅角を明瞭にせず、丸みをもたせたコンケイブ型に整える(健全歯質の保存にも寄与する。)
特に2級窩洞では、窃洞の凸隅角部に相当するインレ一体に応力が集中するので、ジンジバルマーなどで丸く仕あげる。

またレジンセメントの接着が期待できるので全体的に丸みをもった窩洞を形成できるのでコンケイブ型にするという考え方もある。この場合はコンケイブ型の窩洞を付与することは、保持形態になる。


「コンケイブ」の文献・書籍など

【読み】

こんけいぶ

【文献・書籍】

『保存修復学 第6版』, 千田彰ら, 医歯薬出版株式会社, 2013.
『歯科矯正学 第6版』, 飯田順一郎ら, 医歯薬出版株式会社, 2019.
『保存修復学21 第5版』, 田上順次ら, 株式会社永末書店, 2017.
野田修司, 野代悦生, 吉松史恵, 楠本修己, 藤田邦彦, & 山田建二郎. (1993). コンベックス, ストレイトおよびコンケイブタイプの側貎における E-line と下口唇の位置に関する研究. 九州歯科学会雑誌, 47(3), 377-384.

著者/監修者情報

歯科医師

歯科医師。文系大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

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