ガルバニー電流

「ガルバニー電流」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

ガルバニー電流とは?

ガルバニー電流とは、アマルガムと異種金属が接触する際に両者の電位差によって生じる電流のことである。ガルバニー電流によって疼痛が引き起こされる場合があり、ガルバニー疼痛と呼ばれる。

「ガルバニー電流」の文献・書籍など

【読み】

がるばにーでんりゅう

【文献・書籍】

『保存修復学21 第5版』, 田上順次ら, 株式会社永末書店, 2017.

著者/監修者情報
歯科医師

1992年生まれ。千葉県の漁村で育つ。鶴見大学歯学部在学中からアプリやWebサービスの開発を趣味で行う。東京歯科大学大学院博士課程に進学するもお金が無くて中退。2017年にワンディー株式会社を創業。

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■■■歯科医療セミナー(2019/3/28)書き起こしまとめ■■■

【口腔内と全身をいかにつなぐのか】
品川で開業しております、高輪クリニックの陰山康成です。大学は九州歯科大学で、空手ばかりやっていました。卒業後は鶴見大学の歯科麻酔学講座に在籍しながら、26歳の時に北品川で夜間診療の歯科医院を開業しました。
医学の進歩によって、人類は分子レベルの視点を得るようになっています。これまで縦割りだった医療の世界が、ミクロなゲノムの世界から見ると、一体となりつつある。
こうしたこともあいまって、これから歯科領域は面白くなってくるタイミングではないかと考えております。
今日のテーマは、金属アレルギーや口腔内フローラなど、「口腔内と全身をいかにしてつなぐか」というお話をさせて頂きます。

【金属アレルギーはこうして評価する】
金属アレルギーは増加傾向にあり、決して珍しい病気ではないということを念頭に置きながら、歯科医療に取り組まなければなりません。
口腔内で金属アレルギーが起こっているかどうかを評価するためには、電流を調べます。口腔内にガルバニー電流が発生していなければ、基本的には口腔内の金属は心配ないということになります。ゼロテクターという器具も出ていたりするので、こうした器具を使います。
論文をいくつかご紹介しますと、「口腔内のガルバニー電流が多ければ多いほど歯肉炎の罹患率が高い」というデータや、「アトピー性皮膚炎患者の8割は金属アレルギーを持っている」というデータなんかもあり、研究が進んできています。
当院で金属アレルギーが疑われた場合には、まず遺伝子検査を行います。そこで怪しいというデータが出たらガルバニー電流を測定し、電流が流れていたらDLSTを評価します。DLSTで陽性反応が出たら確定診断ですので、口腔内の金属の除去に移るという流れです。
訴訟が増えている時代ですので、きちんとデータを取り、金属アレルギーがあると確定してから、金属の除去に移らなければなりません。

【口腔内フローラで世界を変える】
続いてマイクロバイオームの話をしましょう。ヒトの常在微生物叢に関しては、論文がおびただしいほど出ています。口腔内、鼻腔・咽頭、胃や小腸・大腸、皮膚、膣・子宮・卵管などに常在微生物叢が存在します。
腸内細菌は、病原体の侵入・定着の阻止、食物繊維の消化、ビタミン類の生成、超短鎖脂肪酸(SCFA)の産生、腸管免疫系の制御、ドーパミンやセロトニンの合成といった役割を担っています。腸内細菌は、肥満や癌、アレルギー、メンタルなど身体のさまざまな問題との関連性が指摘されています。
一方で口腔内には、300〜700種類、1000億〜1兆個の細菌がいます。歯周病菌は肝臓や胎盤・羊水、心臓弁・冠状動脈に検出され、全身疾患の発症因子の供給源になっています。口腔内フローラと相関があると言われているのは、誤嚥性肺炎や2型糖尿病、骨粗鬆症や関節リウマチなど、多岐にわたります。
われわれの身体は常在菌で占められており、その影響も非常に大きなものです。特に口腔内フローラは歯科医師が診療を通じてコントロールできる。これは他にあまり例がない、すごいことです。
ヒトの常在微生物叢の解析には、これまで数十億円のコストがかかっていました。しかし今は非常に安価で、手順も簡単になっている。唾液であっという間に口腔内マイクロバイオームが解析できるという世界です。これにより、歯科医療は劇的に変わってくる可能性が高いです。
腸内フローラに最も影響を与えているのは、口腔であるという論文も多く出てきています。ヒトは1日に1〜2Lの唾液を飲み込んでおり、他の器官のフローラにも影響を与えているのです。さまざまな疾患を治療をするのに、まず口腔内フローラを整えようという世界が訪れる可能性があります。

【新しい時代の新しい歯科医療】
これまでの研究で、ヒトは宿主細胞と共生菌から形成される超生命体であるということが示されてきました。新世代の歯科医療は、この事実に基づくものになるかもしれません。
歯科が主導する医科歯科連携で口腔内フローラを改善し、全身の健康を作っていく。それが、これからの歯科医療に求められる役割だと考えています。

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