リドカイン

「リドカイン」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

リドカインとは?

リドカインとは、歯科領域では局所麻酔薬として使われる薬物である。局所麻酔薬の分類としては、アミド型の局所麻酔薬で、エステル型の局所麻酔薬と比べてアレルギーの反応が出にくいとされているため多用されている。また、リドカインは効力がプロカインの2倍あるが、毒性はほぼ等しい。またリドカインは不整脈の薬としても使える。



リドカインの作用機序

リドカインは神経細胞膜の内側からNa+チャネルの特異的結合部位に作用し、Na+の細胞内への流入を遮断する。


リドカインにアドレナリンを添加している理由

局所麻酔薬としてのリドカインはアドレナリンを添加している。アドレナリンはα1受容体に作用し、末梢血管を収縮している。アドレナリンを添加している理由は以下の通りである。
  • 麻酔力増強
  • 麻酔持続時間の延長
  • 局所麻酔薬の節減
  • 術野の明確化
  • 中毒発現の防止


リドカインが炎症時に作用しにくい理由

局所麻酔薬のアミノ基はpHが低い時イオン型になり、pHが高いときは非イオン型になるが、炎症時の組織はpHが低くなるため、局所麻酔薬はイオン型が多くなり、神経細胞の細胞膜を通過できないから、局所麻酔薬は炎症が生じると奏功しづらくなる。

リドカインの代謝

リドカインは肝臓で代謝される。肝血流量と肝摂取率が大きく彩秤する。心不全やβ遮断薬常用者では肝血流量が滅少し、アミド型局所麻酔薬の代謝が遅延する。

リドカインの排泄

リドカインの大部分は代謝されたあとに腎臓から尿中に排泄される。


リドカインの歴史

リドカインはスェーデンのNils LöfgrenとBengt Lundqvistによって1943年に発見された。
リドカインの開発が第二次世界大戦である一方、19世紀には全身麻酔薬が開発されていることを考えると局所麻酔薬は全身麻酔薬より数十年ほど遅く開発されていることがわかる。




「リドカイン」の文献・書籍など

【読み】

りどかいん

【文献・書籍】

『歯科麻酔学 第7版』, 金子譲ら, 医歯薬出版株式会社, 2011.

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師。文系大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

アカデミックの症例リスト

#1Dはじめました


伝達麻酔は持ち手部分がO型で、その理由は吸引を容易にするためなのですが、なぜ局所麻酔とちがって伝達麻酔は吸引をするのでしょうか。教えてください

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歯医者さんの「麻酔」の怖い話と注意点…2歳女児死亡、なぜ歯科医は救急救命を怠ったのか?(Business Journal)

福岡県警は、2017年に福岡市の歯科医院でむし歯治療中に起きた2歳女児死亡事故で、元院長の男性を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
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今回のケースは、払われるべき万全の注意が払われていなかったために女児が死亡し、元院長は「善管注意義務」を果たしていなかったと判断されました。

https://biz-journal.jp/2019/03/post_27116.html

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キシロカインでヒヤリ!!

以前、70代男性の抜髄のため、ドクターが浸マをしました。

浸マ後は必ず患者さんの様子をみるようになっていたので、声がけすると、
「気分がわるくなってきた」と。

ドクターは院長室に入っていたので、同僚に呼びにいってもらっている間に
患者さんの意識がなくなりました。

呼び掛けにも反応なく、
頬をたたいても反応なく、
ドクターもパニックに。

ドクターに「救急車を呼びます」と言い、すぐに119へ電話しました。

私もパニックになりながら、説明。

キシロカインCT1.8mlを使用後意識消失した事を伝えました。

救急隊員の方に何ml使ったか正確な量をつたえなければならなくて、
頭が真っ白に・・・

搬送時、ドクターがどこにいたのか、何をしてたのかが全く記憶がありません。

その患者さんは病院で意識をとりもどし脳、心臓を検査されましたが、何も異常がなく次の日退院されました。

とてもこわい体験でした。
何が原因だったのだろう・・・

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