エナメル芽細胞(アメロブラスト)

「エナメル芽細胞(アメロブラスト)」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

エナメル芽細胞(アメロブラスト)とは?

エナメル芽細胞(アメロブラスト)とは、内エナメル上皮から分化した、エナメル質を形成する細胞のことである。



エナメル芽細胞(アメロブラスト)の分化

エナメル芽細胞(アメロブラスト)は増殖期・分化期(形態形成期)・基質形成期(分泌期)・移行期・成熟期・退縮期(縮合期)・保護期の段階を経る。

エナメル芽細胞分化の増殖期

エナメル芽細胞分化の増殖期は、内エナメル上皮の状態を指す。

エナメル芽細胞分化の分化期

エナメル芽細胞分化の分化期は、基質形成期に向けた準備を行う期間である。

エナメル芽細胞分化の基質形成期

エナメル芽細胞分化の基質形成期は、エナメル質形成の中でもエナメル質の基質(厚み)を増やす期間である。2~3割程度のハイドロキシアパタイト、水、エナメル質特異的タンパク質で構成されており、石灰化があまり進んでいない柔らかな状態であるためチーズ状エナメル質とも呼ばれる。歯冠形成の鐘状期後期において見られることが多い。基質形成期のエナメル芽細胞はトームス突起という構造を有する。トームス突起には分泌面と滑走面があり、分泌面でエナメル質基質が分泌され、滑走面に沿ってエナメル小柱が動いていく。

エナメル芽細胞分化の移行期

エナメル芽細胞分化の移行期は、エナメル芽細胞のトームス突起が平坦化していき、成熟期の細胞形態に変化していく期間である。

エナメル芽細胞分化の成熟期

エナメル芽細胞分化の成熟期は、チーズ状エナメル質に含まれるタンパク質と水を脱却して石灰化する期間である。チョーク状エナメル質と呼ばれる。成熟期のエナメル芽細胞は波状縁をもつ細胞と平滑縁をもつ細胞がある。波状縁を持つエナメル芽細胞はエナメル質のタンパク質と水分を脱却してCaイオンをエナメル質に供給する。多くが波状縁をもつエナメル芽細胞である一方で、平滑縁をもつエナメル芽細胞は一定の割合でまとまって現れる。エナメル質のpHを酸性から中性にすることで石灰化を促進する。

エナメル芽細胞分化の退縮期

エナメル芽細胞分化の退縮期は、エナメル質形成後、エナメル芽細胞が退縮し始める期間のことである。

エナメル芽細胞分化の保護期

エナメル芽細胞分化の保護期は、エナメル芽細胞が変性していく期間で、最終的に歯小皮となる。歯小皮はエナメル質表面の薄い膜でナスミス膜ともいう。歯の萌出直後でのみ見られ、咬耗によって早期に消失する。




「エナメル芽細胞(アメロブラスト)」の文献・書籍など

【読み】

えなめるがさいぼう(あめろぶらすと)

【文献・書籍】

『口腔の発生と組織 改訂3版』, 田畑純, 南山堂, 2015

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師。文系大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

アカデミックの症例リスト

顕微鏡による歯の観察?
それぞれ簡単に解説していきましょう。

画像の1枚目は象牙質と象牙芽細胞(Scanning by EM 2200:1)、2枚目は歯髄腔と象牙細管の開口部(Scanning by EM 1600:1)、3枚目はエナメル芽細胞(ameloblast)です。

4枚目は歯表面のバイオフィルム、5枚目は大臼歯の解剖、6枚目は歯表面のプラークです。

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エナメル質はなぜ硬いのか、解明される

【エナメル質はなぜ硬いのか、解明される】
✅エナメル質は人体で最も硬い組織である
✅これまでエナメル質の結晶構造はきれいに整列していると考えられていた
✅ナノ結晶の方向をビジュアル化したところ、エナメル質の結晶に配向不整が認められた
✅この配向不整・結晶方位差こそがエナメル質の強靭さにつながっていると研究チームは指摘
✅エナメル質の結晶に方位差があることで亀裂がまっすぐ伝播しにくいという

動画で解説: https://www.youtube.com/watch?v=mstA2_hV1ew

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