インレー

「インレー」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月18日

インレーとは?

インレー(Inlay)とは、う蝕治療後の窩洞に装着する間接修復物のことである。インレーのうち、咬頭を含むものをアンレー(Onlay)という。インレーは一般的には「詰め物」と呼ばれている。インレーにはメタルインレー、レジンインレー、セラミックインレーがある。

メタルインレー修復とは?

 メタルインレーは鋳造によって作製される。したがって本修復法は、鋳造修復とも呼ばれる。金属は機械的強度に優れ、また精密鋳造により複雑な形態も再現可能なため、強い咬合圧を受ける大型の外側性修復物などのその適応範囲は広い。鋳造用の金属は、その主成分により金合金、金銀パラジウム合金、銀合金、コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金、あるいは純チタンなどが用いられている。

 メタルインレー修復は、その歴史の長さから接着性修復法のみならず、非接着性修復法としても採用されることがある。しかし、最近では、接着性レジンセメントが登場し、また金属とレジンセメントの接着を促進する金属表面処理法も開発されたため、残存歯質の保存に重きをおいたメタルインレー修復も可能となった。

非接着性修復法におけるメタルインレーを装着合着用セメントには、リン酸亜鉛セメント、カルボキシレートセメント、グラスアイオノマーセメントの3種類が主として現在使用されている。カルボキシレートセメントおよびグラスアイオノマーセメントには歯質接着性があるが、接着性レジンセメントに比しその強さならびに耐久性に劣るため、それらは非接着性の間接修復に用いる合着用セメントとして扱われている。

レジンインレー修復とは?

レジンインレー修復とは、形成された窩洞に適合するインレー体をコンポジットレジンを用いて口腔外において作製し、これを接着性レジンセメントで窩洞に装着する修復法の一つである。レジンインレー用の窩洞は、修復材料の具備する諸性質より接着性の窩洞が適応であり、G.V.Blackの窩洞は適用すべきではない。本法は、主として臼歯部レジン修復のもつ問題点、すなわち隣接面の形態、摂食関係、摩耗や歯肉側窩縁における接着適合性、あるいは大型の欠損で修復物の形態の再現が困難なことを改善し、審美的でかつ経済的なレジン修復を目指した修復法である。

 レジンインレー用のレジンは、そのほとんどが光重合型ハイブリッドタイプあるいはセミハイブリッドタイプのものであり、基本的には直接修復に用いる臼歯用レジンと同じである。したがって、加熱処理によりレジンの重合度を高めているので、インレー体の機械的強度は若干向上しているといえども、基本的にはレジン修復の延長と考えてよい。

セラミックインレー修復とは?

セラミックインレー修復とは、陶材を用い、種々の方法によりインレー体を作製し、それを窩洞内に接着性レジンセメントを用いて装着する接着修復法のひとつである。セラミックインレー用の窩洞は、陶材の持つ脆性、縁端強度が低いなどの諸性質より、レジンインレー窩洞と同じく接着性の窩洞が適応であり、G.V.Blackの窩洞では不適当である。本法の歴史は比較的古く約200年前にさかのぼるが、操作が煩雑でかつ高価であったため、あまり広く普及しなかった。最近、臼歯部でも審美修復の要求が高まり、さらに新たなセラミックインレー作製法の開発や接着性レジンセメントの進歩と相まって、ふたたび注目されはじめている。

G.V.Blackとは?

 近代保存修復学の体系を完成させたのはG.V.Black(アメリカ、1836~1915)である。う蝕の病理や歯の組織構造の研究に取り組み、それまで学問として体系化されていなかった歯科保存領域に科学的な分析と理論を持ち込んだ。当時、保存修復の中心であった直接金修復に、予防拡大を考慮した外形をはじめ、box型の保持形態、抵抗形態、便宜形態、窩縁形態など、修復のために窩洞が備えるべき5条件を提唱したが、当時は歯質接着性修復もなく、また口腔衛生の状況も現在と異なっているため、これらの原則は時代とともに修正を余儀なくされている現状である。
 

「インレー」の文献・書籍など

【読み】

いんれー

【文献・書籍】

『保存修復学21 第5版』, 田上順次ら, 株式会社永末書店, 2017.
『保存修復学 第6版』, 千田彰ら, 医歯薬出版株式会社, 2013.

著者/監修者情報

歯科医師

誇り高き道産子。岡山大学歯学部卒業後、歯科医師免許取得。北海道大学病院にて研修終了後、ワンディー株式会社にジョイン。歯科業界のマーケティングに携わる。

インレー・アンレーの症例リスト

上顎右側第一小臼歯・第二小臼歯の間接修復。
MODインレーの症例です!

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【インレーブリッジの適応とは】
保険のブリッジで、インレーブリッジは基本外れるから支台歯はクラウンにするというのは鉄則のように思います。
最近ゴールドの綺麗な形成を見る機会があり同じような形成を使えないかと思いこの症例でトライしてみました。
その他の歯牙は全て8番までバイトしており、全て天然歯。マウスピース使用です。
算定は⑤はインレー、⑦は4/5冠で行ないました。

ご指摘として、保険のパラでアイランド形成は技工士サイドの難易度が高い、⑥の抜歯窩治癒をもう少し待つべきというお話を聞きました。

皆さんはインレーブリッジ作成する機会ありますでしょうか?
もしされる場合はどういう時適応としているのでしょうか?
それともインレーブリッジは絶対悪なんでしょうか?
宜しくお願い致します。

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ゴールドインレーのコンポジットレジンへの置き換え症例。

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