歯原性角化嚢胞(角化嚢胞性歯原性腫瘍)

「歯原性角化嚢胞(角化嚢胞性歯原性腫瘍)」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月18日

歯原性角化嚢胞(角化嚢胞性歯原性腫瘍)とは?

歯原性角化嚢胞は、歯原性の発育嚢胞で、歯原性上皮に由来し顎骨内に発生する。
2017年 WHO分類では、歯原性腫瘍から歯原性嚢胞に分類が変更され、角化嚢胞性歯原性腫瘍から歯原性角化嚢胞に日本語名は変わった。




歯原性角化嚢胞の好発

歯原性角化嚢胞は、下記で解説する部位や年齢に好発する。
  • 下顎大臼歯部~下顎枝部に多い。
  • 若年者の男性に多い。

歯原性角化嚢胞の症状

歯原性角化嚢胞の症状として、以下のような特徴がある。
  • 発育は緩慢である。
  • 触診で羊皮紙様感が見られることがある。

歯原性角化嚢胞の予後

歯原性角化嚢胞の予後としては、以下のような特徴がある。
  • 歯原性上皮島や娘嚢胞がしばしば認められ、手術時に取り残されることにより再発する。

歯原性角化嚢胞は、基底細胞母斑症候群の徴候の一つでもある。





「歯原性角化嚢胞(角化嚢胞性歯原性腫瘍)」の文献・書籍など

【読み】

しげんせいかくかのうほう(かくかのうほうせいしげんせいしゅよう)

【文献・書籍】

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師。文系大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

口腔外科疾患の症例リスト

生検により、角化嚢胞性歯原性腫瘍と診断された患者さんの症例です。
本装置は、腫瘍に隣接する歯から塊を収縮させるように設計されており、これで数ヶ月の間にわたり減圧していきます。

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55歳男性の歯原性角化嚢胞の症例

55 歳の男性患者さんの症例です。下顎左側臼歯部の腫脹を主訴として来院しました。同部位の腫脹は5年くらい前に気付いていたそうですが、放置していたとのことです。角化嚢胞性歯原性腫瘍の疑いがあると判断し、生検と開窓を行うこととしました。

1枚目の画像は初診時の口腔内写真、2枚目は初診時のパノラマエックス線写真、3枚目は生検時のH.E.染色病理組織像です。パノラマエックス線画像上で左側臼歯部の顎骨に類円形の透過像を認め、生検時のH.E.染色病理組織像でも錯角化した重層扁平上皮と線維性結合組織を認めることから、角化嚢胞性歯原性腫瘍と診断しました。

角化嚢胞性歯原性腫瘍は、歯原性良性腫瘍のなかでエナメル上皮腫や歯牙腫などと並び発症頻度の多い腫瘍であるため、症状やパノラマエックス線画像上の所見など、覚えておいて損はありません。

出典:第110回歯科医師国家試験,B問題-6.

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角化嚢胞性歯原性腫瘍の症例画像です。1枚目が初診時の画像、2枚目が摘出を行った術後1年後のフォローアップ時の画像です。
角化嚢胞性歯原性腫瘍は若年男性の下顎骨に好発し、基底細胞母斑症候群の症状として生じることが多い腫瘍です。エックス線画像所見としては、境界明瞭で多胞性・単胞性の透過像が認められます。

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