SN平面

「SN平面」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年11月23日

SN平面とは?

SN平面とは、頭部エックス線規格写真(セファログラム)分析における計測点におけるナジオン(nasion(N):前頭鼻骨縫合部の最前点)とセラ(sella(S):蝶形骨トルコ鞍の壺状陰影像の中心点)を結ぶ直線である。セファロ分析は角度や長さを計測して行う。セファログラムを分析する方法としてDowns法、Northwestern法が代表的だが、どれか一つの手法ではなく、それぞれを組み合わせて使用するのが一般的である。Downs法ではフランクフルト平面(眼耳平面)を基準に、Northwestern法ではSN平面を基準にして分析を行う。

また、異なる時点に撮影された同一個体の頭部エックス線規格写真を比較するためにトレースを重ね合わせる方法での機能分析における基準平面としてSN平面が用いられる。SN平面を基準平面とする機能分析は、平均的な下顎閉口路に対して、早期接触などにより下顎が前方もしくは後方へ誘導されているかの有無を分析する方法である。


SN平面を用いた計測角

Northwestern大学のGraberらによって発表された分析法であるNorthwestern法では、骨格性分析項目と歯性分析項目の2つに大別して顎顔面の形態的特徴を数量化したが、セファログラムではフランクフルト平面(眼耳平面)の同定が困難な場合があるため、分析の基準にSN平面を用いた。以下にSN平面を用いた計測点を記載する。

  • SNA角 SNA angle:SN平面と直線NAとのなす角度。頭蓋底に対する上顎歯槽基底部の前後的位置を評価する。上顎歯槽基底部は、この角度が大きい場合に前方位を、小さい場合に後方位を示す。
  • SNB角 SNB angle:SN平面と直線NBとのなす角度。頭蓋底に対する下顎歯槽基底部の前後的位置を評価する。下顎歯槽基底部は、この角度が大きい場合に前方位を、小さい場合に後方位を示す。
  • SN平面に対する下顎下縁平面角 SN plane to mandibular plane angle:下顎下縁平面とSN平面とのなす角度。下顎下縁の傾斜度を評価する。
  • SN平面に対する上顎中切歯歯軸角 U1 to SN plane angle:上顎中切歯歯軸とSN平面とのなす角度。頭蓋底に対する上顎中切歯の傾斜度を評価する。
  • FH-SN平面角 FH to SN plane angle:SN平面とフランクフルト平面とのなす角度。頭蓋底に対するフランクフルト平面の傾斜度を評価する。
  • SNP角 SNP angle:直線SNと直線NPogとのなす角度、顔面平面とSN平面のなす角度。頭蓋底に対するオトガイの位置を評価する。
 

その他の計測平面

SN平面の他にも、セファログラムでは計測を行う平面がある。以下に記載する。

  • フランクフルト平面 Frankfort horizontal(FH)plane:オルビターレ(orbitale(Or):眼窩骨縁の最下方点)とポリオン(porion(Po):外耳道上縁の最上方点)とを結ぶ直線。眼耳平面ともいう。
  • バジオン-ナジオン平面 basion-nasion plane:バシオン(basio(Ba):大後頭孔の前縁上の最下方点)とナジオン(nasion(N):前頭鼻骨縫合部の最前点)とを結ぶ直線。
  • Y軸 Y axis:セラ(sella(S):蝶形骨トルコ鞍の壺状陰影像の中心点)とグナチオン(gnathion(Gn):顔面平面と下顎下縁平面とのなす角の二等分線が下顎骨オトガイ部の正中断面像と交わる点)を結ぶ直線。
  • 顔面平面 facial plane:ナジオン(nasion(N):前頭鼻骨縫合部の最前点)とポゴニオン(pogonion(Pog):下顎骨オトガイ部のの正中断面像の最前方点)とを結ぶ直線。
  • 口蓋平面 palatal plane:前鼻棘 (anterior nasal spine(ANS):前鼻棘の尖端点)と後鼻棘(posterior nasal spine(PNS):後鼻棘の尖端点)とを結ぶ直線。
  • 咬合平面 occlusal plane:上下顎中切歯切縁の中点と上下顎第一大臼歯の咬頭嵌合位の中央点とを結ぶ直線。
  • 下顎下縁平面 mandibular plane:メントン(menton(Me):下顎骨オトガイ部の正中断面像の最下方点)から下顎下縁へ引いた接線。
  • 下顎後縁平面 ramus plane:アーティキュラーレ(articulare(Ar):頭蓋底下縁の陰影像が下顎枝後縁と交わる点]から下顎枝後縁へ引いた接線。


「SN平面」の文献・書籍など

【読み】

えすえぬへいめん

【文献・書籍】

『歯科矯正学 第6版』, 飯田順一郎ら, 医歯薬出版株式会社, 2019.
『第3版 新しい歯科矯正学』, 新井一仁ら, 永末書店, 2012.

著者/監修者情報

歯科医師

誇り高き道産子。岡山大学歯学部卒業後、歯科医師免許取得。北海道大学病院にて研修終了後、ワンディー株式会社にジョイン。歯科業界のマーケティングに携わる。

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