ハイドロキシアパタイト

「ハイドロキシアパタイト」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

ハイドロキシアパタイトとは?

ハイドロキシアパタイトとは、骨や歯のエナメル質、象牙質を構成する成分の一つであり、化学式はCa10(PO4)6(OH)2と表される。例としてエナメル質はその約97%が無機質からなり、骨や象牙質に含まれるものと同じリン酸カルシウム塩のハイドロキシアパタイト結晶を基本構造としている。また、象牙質基質の69%が無機質であり、ハイドロキシアパタイトで占められている。ハイドロキシアパタイトはその性質から、骨補填材や歯科用インプラントの表面処理剤などの用途で利用されている。

アパタイトとは?

アパタイトとは、1970年、Wernerという人物によって与えられた名称であり、英語でギリシア語で「apatas=惑わす」という意味の言葉に由来している。

より詳しく言えば、アパタイトとは「他の石と間違えられやすい石」という意味合いで命名されており、類似の結晶構造を持ちながら、それぞれ組成の異なる化合物として数多く存在することが特徴となっている。

アパタイトとして知られている一連の物質は、ごくわずかな違いを除けば、全て共通したエックス線解析像を示し、M10(RO4)6X2の組成をとる。このうち、Mをカルシウム位置、Rをリン位置、Xをヒドロキシルまたはハロゲン位置と呼ぶ。リン酸カルシウム系のアパタイトは、M=Ca、 R=Pであり、Xの位置を占めるイオンの種類によって、次のように分類される。

  • Ca10(PO4)6(OH)2 ・・・ ヒドロキシアパタイト
  • Ca10(PO4)6F2       ・・・ フルオロアパタイト
  • Ca10(PO4)6Cl2      ・・・ クロロアパタイト

ハイドロキシアパタイトの材料学的特徴とは?

ハイドロキシアパタイトは、リン酸カルシウムの一種であり、材質による分類においてはセラミックス材料として分類される。他のセラミックス材料としてはアルミナ、ジルコニア、リン酸三カルシウム、バイオガラス、カーボンなどが挙げられる。

また、生体組織との反応性による分類においては、生体活性材料であることが知られている。生体活性材料とは、骨組織と直接化学的に結合する材料のことを指しており、ハイドロキシアパタイトの他にリン酸三カルシウム、バイオガラスなどが挙げられる。

ハイドロキシアパタイトの用途は?

ハイドロキシアパタイトは、以下の様な用途に使用されている。

用途:骨補填材料

生体内で安定に存在し、新生骨と一体化もしくは生体内で徐々に吸収され新生骨に置換されるという性質が求められる。従って所要条件を満たす材料としてハイドロキシアパタイトやリン酸三カルシウムなどが用いられる。

用途:歯科用インプラントの表面処理剤

フィクスチャー表面は、骨との接触面積を増やす為、通常、粗面処理が行われている。これに加えて、更に骨との結合を強化する為、骨親和性に優れたハイドロキシアパタイトをコーティングするという手法が用いられる場合がある。

「ハイドロキシアパタイト」の文献・書籍など

【読み】

はいどろきしあぱたいと

【文献・書籍】

『新 骨の科学 第2版』, 須田立雄ら, 医歯薬出版株式会社, 2016.
『新編歯科理工学 第6版』, 服部雅之ら, 学健書院, 2019.
『ライブ歯科理工学 第2版』, 日比野靖, 学健書院, 2009.
『歯科理工学教育用語集 第3版』, 日本歯科理工学会 編, 医歯薬出版株式会社, 2018.
『歯科理工学サイドリーダー 第6版』, 日比野靖, 学健書院, 2008.

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師。大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

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