樋状根(C-shaped)

「樋状根(C-shaped)」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月18日

樋状根(C-shaped)とは?

樋状根とは、歯の形態異常の内の異常根の一種である。歯根同士の癒合(主に近心根と遠心根)によって歯根の形態が樋状になっている歯根のことである。根の癒合が頬側で先行して起き、舌側は癒合が遅れる。そのため根が独立した筒状ではなく、アルファベットの「C」のような複雑な形態をしていることから、樋状根はC-shaped rootとも呼ばれる。英語ではgutter-shaped rootとも呼ばれる。歯根頬側の癒合部内では、近心根管と遠心根管が癒合した樋状根管になっている場合も多い。

樋状根の好発部位

 樋状根は、下顎第二大臼歯に好発する。下顎第三大臼歯でも認められることもある。下顎第一大臼歯には認められない。
 
発生頻度は、人種によって差があり、モンゴロイドでは、約30~40%と高く、ネグロイドおよびコーカソイドでは約10%程度と低いと報告されている。

樋状根と臨床

 樋状根は、樋状根管が頬側癒合部で連結している事が多いため、感染根管治療時には、洗浄薬液が到達しづらい。また、根管拡大時に癒合部に穿孔しやすいなど臨床上では歯内処置の難易度の高い形態である。

樋状根の「樋状」について

 樋とは、屋根に溜まった雨水を地面まで流すための、アルファベットの「C」の様な形態をした通路のことである。
樋状根は、この雨樋の形態に似ている事が名前の由来である。


「樋状根(C-shaped)」の文献・書籍など

【読み】

といじょうこん(しーきゃっぷど)

【文献・書籍】

『臨床歯周病学 第2版』, 吉江弘正ら, 医歯薬出版株式会社, 2013.
『歯周治療プラクティスマニュアル』, 五味一博士, 永末書店, 2013.
『エンドドンティクス 第2版』, 興地隆史ら, 株式会社永末書店, 2018.
単根性下顎第二大臼歯の根管形態 吉 岡 隆 知、猪 原 光 日歯内療誌 38(3):165〜170,2017
『歯の解剖学 第22版』 原著 藤田恒太郎 改訂 桐野忠大 山下靖雄, 金原出版,2008
『歯科国試パーフェクトマスター 口腔解剖学』 阿部伸一,医歯薬出版,2018.

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師・歯学博士。1987年東京都生まれ。2013年鶴見大学歯学部卒業後、歯科医師国家資格取得。2018年同大学大学院歯内療法学講座にて博士(歯学)取得。現在は同大学歯学部解剖学講座に非常勤研究員として所属。歯科医院に勤務する傍ら、個別指導塾を開設。個別指導歴は6年目、再試数2桁(学年最下位)を半年で進級させる。2020年から子どもたちに絵本を届けるため「スタジオ歯の絵本」で歯科の絵本製作プロジェクトを始動。
【note】note.com/dentalobo
【twitter】twitter.com/dentalobo

アカデミックの症例リスト

左下第一大臼歯、樋状根(C-shaped)の症例です。同部位は歯髄壊死と診断し、感染根管治療を開始しました。
根管治療前と根管治療後を比較すると、軟組織の治癒が良好であることがわかると思います。
治療途中なので、今後の術後経過をまた報告します。

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1枚目:ストリッピングパーフォレーション。
Dr AbouRassのアンチカーブファイリングのdanger zone safety zoneを意識することが重要だと思った。形成は外に外に。
2枚目:樋状根でもCの外側がsafety、内側がdanger zone。ストリッピングパーフォレーションは内側が多い。

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樋状根(C-Shaped)のエンドケース。

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