個性的排列

「個性的排列」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

個性的排列とは?

個性的排列とは、患者の顔型・性別・年齢および個性を考慮して行う排列のことである。患者の顔は個々で異なる。そのため特定の歯列弓・画一的な排列をするのではなく、個々の患者に調和した自然な外観が得られるような排列を行うのが個性的排列である。




個性的排列における効果的な工夫

個性的排列において自然な外観を得るためには、以下のような工夫が効果的である。
  • 歯間空隙を付与する
  • 軽微な叢生を与える
  • 非対称的に排列する
  • 切縁の形態を修正する
  • 人工歯を捻転させる

上顎前歯部の排列では、側切歯の位置が審美性に大きな影響を与える。側切歯の標準的な排列方法は以下である。
  • 咬合堤に沿って中切歯よりもやや舌側寄りに排列する
  • 歯冠軸の傾斜は近遠心的、唇舌側的におよそ82°で排列する
  • 切縁の高さは中切歯よりも0.5〜1.0mm上方になるよう排列する
  • 捻転の度合いはおよそ26°で排列する

性別を考慮した個性的排列

個性的排列において、女性的な優しい感じを与えたいときは以下のように排列を行う。
  • 歯冠近心部を唇側に出す
  • 歯冠遠心部を歯科医から遠ざける
  • 唇側面が丸みを帯びるようにする

また逆に、男性的な強壮な感じを与えたいときは以下のように排列を行う。
  • 歯冠近心部を舌側に入れる
  • 歯冠遠心部を強調させる
  • 切縁の高さは中切歯の切縁よりも低位を強調すると若く、同じ高さになるほど高齢者の感じを与える
  • 微笑時の口唇形態と平行に位置すれば優しい感じに、中切歯を含めた切縁が水平に近いと強壮な感じになる

性格を考慮した個性的排列

上顎犬歯は側切歯とともに、優しい性格あるいは強壮な性格を表す。基本的には外観に触れる犬歯唇側側面の外形を、正面からみた顔の輪郭に一致させ、犬歯唇側面の近心半分だけがみえるように排列する。

そのため歯冠軸は近遠心的におよそ82°傾斜させ、唇舌側的には咬合平面と垂直にする。歯冠の捻転はおよそ57°とし、尖頭の高さは中切歯切縁に一致させる。このように排列すると、犬歯歯頚部よりも劣頭が内方に位置し、歯列全体として優しく感じる。





「個性的排列」の文献・書籍など

【読み】

こせいてきはいれつ

【文献・書籍】

『無歯顎補綴治療学 第2版』, 平井敏博ら, 医歯薬出版株式会社, 2009.

著者/監修者情報
歯科医師

歯科医師。文系大学卒業後、歯学部に再入学。歯学部卒業後に歯科医師免許を取得したのち、歯科医師として勤務する傍らワンディー株式会社でライターとして勤務。

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