サルコペニア

「サルコペニア」とは?歯科用語を解説
2020年02月20日

サルコペニアとは?

サルコペニアとは、「加齢に伴う筋肉(sarco)量の減少(penia)」を指し、1989年にアメリカの学者、Irwin Rosenbergにより提唱された造語である。
2010年にThe European Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)によりサルコペニアの統ー的見解が示され、「筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、QOL低下、死のリスクを伴うもの」と定義づけられている。日本語ではサルコペニアは加齢性筋肉減少症と言われることもある。



サルコペニアの診断基準

サルコペニアに診断基準は以下のようになっている。
  1. 筋肉量の低下(例:若年の2標準偏差以下)
  2. 筋力の低下(握力など 例:男性30 kg未満 女性20kg未満)
  3. 身体能力の低下(歩行速度など 例:歩行速度0.8mis以下)
※診断は上記の1 の項目に加え、2 または3 を併せもつ場合

一次性サルコペニアと二次性サルコペニアとは

サルコペニアを一次性サルコペニアと二次性サルコペニアに分ける考え方もある。EWGSOPの論文では、加齢のみが原因の場合を一次性サルコペニア、活動、栄養、疾患が原因の場合を二次性サルコペニアと分類している。

サルコペニアの原因(Cruz-Jentof.tet .al2 010. 11)

  • 一次性サルコペニア
    • 加齢の影響のみで活動・栄養・疾患の影響はない
  • 二次性サルコペニア
  • 活動によるサルコペニア:廃用性筋萎縮.無重力.
  • 栄養によるサルコペニア:飢餓,エネルギー摂取量不足
  • 疾患によるサルコペニア
    • 侵襲:急性疾患・炎症,外傷,手術,急性感染症,熱傷など.
    • 悪液質:慢性疾患・炎症.がん,慢性心不全,慢性腎不全,慢性呼吸不全,慢性肝不全,関節リウマチ,慢性感染症など.
    • 原疾患:筋萎縮性側索硬化症,多発性筋炎,甲状腺機能亢進症など.

サルコペニアと高齢者の筋力の低下の特徴

サルコペニアと高齢者の筋力の低下の特徴を以下に示す。
  • 高齢者の筋力の低下は上肢より下肢で顕著であることが知られている。
  • 筋力のピークは20歳代にある。その後加齢に伴い直線的に低下する。
  • 女性の筋力は年代を通じて男性の約2/3である。



「サルコペニア」の文献・書籍など

【読み】

さるこぺにあ

【文献・書籍】

『老年歯科医学』, 森戸光彦ら, 医歯薬出版株式会社, 2015.
『よくわかる高齢者歯科学第1版』, 佐藤裕二ら, 株式会社永末書店, 2018.