斑状歯

「斑状歯」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

斑状歯とは?

斑状歯とは、フッ化物の過剰摂取により、主にエナメル質に生じる形成不全や石灰化不全のことである。フッ化物の過剰摂取により、エナメル質表面に白濁や白斑、あるいは実質欠損を認める。

斑状歯の原因

斑状歯の原因は、「フッ化物の過剰摂取」である。生後約6ヶ月から5歳までの歯の発生期に、フッ化物を過剰に摂取することにより、斑状歯になるリスクが上がるとされる。

斑状歯とフッ化物との関係

斑状歯は、1900年台初頭に米国コロラド・スプリングスで発見された。この地域の飲料水には、13.7ppmもの高濃度のフッ化物が含まれており、歯の発生期にあった小児がその水を常飲したことで、歯の一部の白濁や白斑が現れたことから、フッ化物の過剰摂取が原因で斑状歯が生じることが明らかになった。

コロラド・スプリングスで開業していた歯科医師のMckayは、他の地域と比べてその地域の人びとに似たような着色歯が共通していることに疑問を持ち、実態調査を開始した。

この研究を共同で行なったのは、「現代歯科医学の父」とも呼ばれるG.V.Blackである。MckayとBlackの共同研究により、「斑状歯は歯の形成期にある幼少時に限った原因によって生じること」「斑状歯にはう蝕抵抗性があること」という2つの発見がなされた。なお、斑状歯は当時は「コロラド褐色斑(Colorado brown stain)」と呼ばれていた。

その後、フッ化物がう蝕を予防することが明らかになり、う蝕と斑状歯・歯のフッ素症の出現を最小限にする適正フッ化物濃度を疫学的に確立しようとする動きが米国において見られた。

斑状歯の症状

斑状歯は、乳歯には少なく、永久歯に発現することが多い。これは、歯が萌出してしまえば斑状歯は生じることはなく、歯の発生期にフッ化物を過剰摂取することにより斑状歯が生じることと関係している。

斑状歯の症状としては、永久歯のエナメル質表面の部分的な白濁や白斑、縦模様から歯面全体白濁あるいは実質欠損を伴うものまで、さまざまな様相を呈する。

斑状歯の評価・診断

1942年に、H. Trendley Deanにより斑状歯・歯のフッ素症の分類・指数が開発された。この分類は「ディーンの分類」とも呼ばれる。このスコアは、2歯以上に見られる最も重度なエナメル質の症状に基づき決定される。

  • 正常:滑らかで、つやがあり、青白いクリーム状の白い半透明の歯面
  • 疑わしい:いくつかの白い点あるいは白班
  • 軽微:小さく不透明で紙の白さの部分が歯面の25%以下
  • 軽度:不透明で白い部分が歯面の50%以下
  • 中等度:すべての歯面が罹患している、かみ合わせの面の顕著なすり減り、茶色の汚点
  • 重度:すべての歯面が罹患している、別々のあるいは集まった小孔、茶色の汚点

「斑状歯」の文献・書籍など

【読み】

はんじょうし

【文献・書籍】

1. 『保存修復学21 第5版』, 田上順次ら, 株式会社永末書店, 2017.
2. 『保存修復学 第6版』, 千田彰ら, 医歯薬出版株式会社, 2013.
3. 『新予防歯科学 第4版』, 米満正美ら, 医歯薬出版株式会社, 2010.

著者/監修者情報
歯科医師

1992年千葉県生まれ。鶴見大学⻭学部歯学科卒業後、⻭科医師免許を取得。学生時代から個人でアプリやWebサービスの開発を行う。東京⻭科大学大学院博士課程中退。2017年にワンディー株式会社を創業。

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