歯科医師法

「歯科医師法」とは?歯科用語を解説
2020年02月20日

歯科医師法とは?

歯科医師法とは、歯科医師の職務や資格を規定した法律である。本ページでは歯科医師法について解説する。
歯科医師法は、歯科医師法・歯科衛生士法・歯科技工士法と合わせて「歯科三法」を構成している。歯科医師法は1948年(昭和23年)7月30日に交布され、1948年(昭和23年)10月27日に施行された。



歯科医師の任務:歯科医師法第一条(総則)

歯科医師法第一条では、歯科医師の任務として、下記のように規定している。
歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌ることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

歯科医師免許:歯科医師法第二条

歯科医師法第二条では、歯科医師免許について下記のように規定している。
歯科医師になろうとする者は、歯科医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

歯科医師の欠格事由:歯科医師法第三条・歯科医師法第四条

歯科医師法第三条では歯科医師の絶対的欠格事由を、歯科医師法第四条では歯科医師の相対的欠格事由を規定している。

【歯科医師の絶対的欠格事由】
歯科医師の絶対的欠格事由(歯科医師法第三条)は、下記の通りである。
  • 未成年
  • 成年被後見人
  • 被保佐人

【歯科医師の相対的欠格事由】
歯科医師の相対的欠格事由(歯科医師法第四条)は、下記の通りである。
  • 心身の障害により歯科医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
  • 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
  • 罰金以上の刑に処せられた者
  • 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

歯科医籍:歯科医師法第五条

歯科医師法第五条では、歯科医籍について、下記のように規定している。
厚生労働省に歯科医籍を備え、登録年月日、第七条第一項又は第二項の規定による処分に関する事項その他の歯科医師免許に関する事項を登録する。

歯科医師免許について:歯科医師法第六条

歯科医師免許について歯科医師法では、歯科医師法第六条および歯科医師法第七条で規定されている。歯科医師免許は、歯科医師国家試験に合格した者の申請により歯科医籍(歯科医師法第五条)に登録することによって、厚生労働大臣によって交付される。

歯科医師免許の停止・取り消し:歯科医師法第七条

歯科医師が絶対的欠格事由に該当するとき、歯科医師が相対的欠格事由のいずれかに該当し、または歯科医師としての品位を損なう行為のあったときは、厚生労働大臣は、戒告・3年以内の歯科医業の停止・歯科医師免許の取り消しの処分を行うことができる。

歯科医師の再教育研修:歯科医師法第七条の2

歯科医師法第七条により、戒告や歯科医業の停止の処分を受けた歯科医師は、再教育研修を受けるように命ぜられる。この歯科医師の再教育研修は厚生労働省令によって定められている。

歯科医師国家試験:歯科医師法第九条〜第十六条・歯科医師法第二十四条

歯科医師法第九条では、歯科医師国家試験について下記の通り定められている。
歯科医師国家試験は、臨床上必要な歯科医学及び口くう衛生に関して、歯科医師として具有すべき知識及び技能について、これを行う。

また、歯科医師法第二十四条では、歯科医師国家試験の歯科医師試験委員について下記のように定められている。
歯科医師国家試験及び歯科医師国家試験予備試験に関する事務をつかさどらせるため、厚生労働省に歯科医師試験委員を置く。

歯科医師国家試験の受験資格については、歯科医師法第十一条、歯科医師法第十二条で定められている。歯科医師国家試験は、次の各号に該当する者でなければ受験することができない(歯科医師放題十一条)。
  • 学校教育法に基づく大学において、歯学の正規の課程を修めて卒業した者
  • 歯科医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後一年以上の診療及び口腔くう衛生に関する実地修練を経たもの
  • 外国の歯科医学校を卒業し、又は外国で歯科医師免許を得た者で、厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したもの

なお、歯科医師国家試験予備試験は、外国の歯科医学校を卒業し、又は外国で歯科医師免許を得た者のうち、前条第三号に該当しない者で、かつ厚生労働大臣が適当と認定したものでなければ受験することができない試験である。歯科医師国家試験予備試験については歯科医師放題十二条で定められている。

歯科医師臨床研修:歯科医師法第十六条

歯科医師法第十六条では、歯科医師臨床研修について規定されている。
診療に従事しようとする歯科医師は、一年以上、歯学若しくは医学を履修する課程を置く大学に附属する病院(歯科医業を行わないものを除く。)又は厚生労働大臣の指定する病院若しくは診療所において、臨床研修を受けなければならない。

歯科医師の業務独占:歯科医師法第十七条

歯科医師は、歯科医師法第十七条に定められている歯科医業(歯科医行為)の業務を独占する資格である。これを「歯科医師の業務独占」という。歯科医師法第十七条には、「歯科医師でなければ、歯科医業をなしてはならない」と規定されている。

歯科医師の名称独占:歯科医師法第十八条

「歯科医師でなければ、歯科医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない」という名称独占の規定をしているのが歯科医師法第十八条である。これを「歯科医師の名称独占」という。

歯科医師の応召義務:歯科医師法第十九条

診療に従事する歯科医師は、診療や治療の求めがあった場合には、正当な事由なく拒んではならないと、歯科医師法第十九条によって規定されている。これを「歯科医師の応召義務」という。
また、歯科医師法第十九条の2には、「診療をなした歯科医師は、診断書の交付の求があつた場合は、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」という規定もある。ただ、応召義務等のこれらの規定には罰則規定はない。

無診察診療の禁止:歯科医師法第二十条

歯科医師は、患者を診察することなく治療や診断書の交付、処方せんの交付をしてはならないことが、歯科医師法第二十条で定められている。これは「無診察診療の禁止」と呼ばれる。

処方せんの交付義務:歯科医師法第二十一条

歯科医師は治療上、患者に対して薬剤を処方する必要がある場合には、患者またはその看護に当たっているものに対して、処方せんを交付しなければならない。これは「処方せんの交付義務」という。
ただ、処方せんの交付義務は、暗示的効果を期待する場合や処方せんの交付により治療を困難にする恐れのある場合、病状の短時間ごとの変化に即応して薬剤を投与する場合、診断や治療方法の決定をしていない場合、応急処置として薬剤を投与する場合、薬剤師のいない船内などでは交付しなくてもよいとされている。

保健指導を行う義務:歯科医師法第二十二条

歯科医師法第二十二条には、歯科医師が保健指導を行う義務として、下記のように規定されている。
歯科医師は、診療をしたときは、本人又はその保護者に対し、療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければならない。

診療録の記載及び保存:歯科医師法第二十三条

歯科医師の診療録の記載については、歯科医師法第二十三条で下記のように定められている。
歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。

また、歯科医師が記載した診療録の保存については、同じ歯科医師法第二十三条において下記のように規定されている。
前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する歯科医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その歯科医師において、五年間これを保存しなければならない。

「歯科医師法」の文献・書籍など

【読み】

しかいしほう

【文献・書籍】