1D - 歯科医師/歯科技師/歯科衛生士のセミナー視聴サービスなら

モール

歯科器材のピーソリーマとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ15選を徹底比較!

歯科器材のピーソリーマとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ15選を徹底比較!

最終更新日

リトリートで根管口が見えにくいとき、あるいはファイバーポストの下穴形成で真っすぐ入らないとき、ピーソリーマやゲーツドリルの選択が治療の安定性とチェアタイムを左右する。
器具そのものは小さな消耗品であるが、段差形成やストリップパーフォレーション、器具破折が起きた瞬間に損失は大きくなる。
本稿はピーソリーマを中心に、同じ根管口拡大ドリルとして併用されるゲーツドリルも含め、規格と運用の違いを臨床と経営の両面から整理する。
価格は定価ベースの目安であり、実勢は取引条件で変動するため、導入判断は自院の使用頻度と教育コストを前提に行うべきである。

ピーソリーマとは何かとゲーツドリルとの違い

この節の目的は、ピーソリーマをどの場面で使い、どこで使わないかの境界を明確にすることである。
根管治療は器具の性能よりも、適応と操作条件の一致で成否が決まる。
ピーソリーマとゲーツドリルは似て見えるが、切削形態と想定用途が異なるため、同じ号数でも挙動が変わる。

ピーソリーマは回転運動で根管口部を漏斗状に整え、直線部分の拡大やポスト植立孔の形成に用いられる設計が多い。
一方のゲーツドリルは歯冠側根管の拡大やストレートラインアクセスの確保を主目的とし、破折時に根元で折れやすい安全設計をうたう製品もある。
臨床的には、湾曲部へ深追いしないこと、根管壁を薄くしやすい部位ではサイズ選択と挿入深さを厳格に制御することが共通の前提である。

比較サマリー表(早見表)

製品名メーカー適応主要規格定価目安タイム効率保守/保証供給性
エルワイテラーリーマー松風根管口拡大CA用 #1-#6 刃部径0.90-1.80mm 操作部13mm 1200min-1各¥4,450プレフレアを手順化しやすい消耗品 情報なし国内流通
ニューエンド ピーソリーマー松風根管口形成 ポスト下穴#1-#6各¥2,700基本規格で教育しやすい消耗品 情報なし国内流通
ニューエンド ゲーツドリル松風歯冠側拡大CA用 操作部約15.2mm 800min-1各¥2,700アクセス確保を短縮しやすい消耗品 情報なし国内流通
ゲーツドリル ラルゴメルファー社/デンツプライシロナ歯冠側拡大28mm 32mm 38mm #1-#6各¥2,950長さ選択で体勢調整しやすい消耗品 情報なし国内流通
ピーソリーマメルファー社/デンツプライシロナポスト下穴 直線部拡大28mm 32mm 38mm #1-#6各¥4,200ポスト形成まで流れを作りやすい消耗品 情報なし国内流通
ゲーツドリルジッペラー/茂久田歯冠側拡大28mm 32mm #1-#6各¥4,460規格を絞って迷いを減らしやすい消耗品 情報なし国内流通
P.D. ピーソーエンジンリーマPD社/ヨシダ サンデンタル根管口形成 ポスト下穴CA用 #1-#6 単品とアソート各¥2,850欠品対策を組みやすい消耗品 情報なし国内流通
P.D. 歯科用ドリル(ゲイツドリル)PD社/ヨシダ サンデンタル歯冠側拡大32mm #1-#6各¥4,850ガイド付きで導入教育を短縮しやすい消耗品 情報なし国内流通
Mピーソリーマーデンテック下穴形成CA用 全長約36mm #000-#3各¥5,300切削が進みやすい消耗品 情報なし国内流通
ピーソリーマーデンテック下穴形成 安全側CA用 全長約36mm #000-#3各¥5,300過加圧を避ければ安定しやすい消耗品 情報なし国内流通
RTPリーマデンテックファイナルドリルCA用 全長約36mm #1-#3各¥4,800補綴連携で迷いを減らしやすい消耗品 情報なし国内流通
リーマーTピヤス根管口拡大ショート等の派生あり #1-#6各¥4,300臼歯部で体勢を守りやすい消耗品 情報なし国内流通
ピーソリーママニーポスト下穴 直線部拡大28mm 32mm 38mm #1-#6 1200min-1情報なし規格明記で標準化しやすい消耗品 情報なし国内流通
ゲーツドリルマニー歯冠側拡大32mm #1-#6 800min-1情報なし低速運用を徹底しやすい消耗品 情報なし国内流通
ピーソリーマジッペラーポスト下穴 直線部拡大RA用 全長32mm 作業長19mm #1-#6情報なし破折挙動を意識した運用に向く消耗品 情報なし国内流通

表は規格と運用条件を一度に俯瞰するためのものである。
臨床では長さとシャンクの一致が操作性に直結し、経営では入数と交換頻度が症例原価を左右する。
価格だけでなく、許容回転数や滅菌条件が明記される製品は教育と標準化がしやすい点が実務上の利点である。

【項目別】比較するための軸

この節の目的は、製品名ではなく判断軸で選べる状態を作ることである。
根管口拡大ドリルは症例の難易度と術者の手技差が出やすく、同じ器具でも事故率と作業時間が変わる。
軸を先に決めることで、導入後の迷いと買い増しを減らし、結果としてROIを上げやすくなる。

適応と術式適合

ピーソリーマはポストスペース形成や直線部の拡大を想定する製品が多く、ゲーツドリルは歯冠側のプレフレアに寄りやすい。
リトリートで隔壁と髄室の形が取り戻せていない段階では、深追いよりもアクセスの再構築を優先すべきである。
ファイバーポスト前提の補綴設計では、下穴形成をどの器具で担うかが再治療率と破折リスクの議論に直結する。

互換性とサイズ設計

シャンクはCA用が多いが、RA用が混在すると器具庫と滅菌動線が崩れやすい。
長さは28mm、32mm、38mmの選択肢が典型で、臼歯部や開口量が限られる症例ではショートタイプが効く場面がある。
同じ号数でも刃部径の設計が異なる場合があるため、メーカーの寸法表で実測値を共有しておくことが安全側である。

操作性と視野確保

根管口拡大は視野が取れないほど力が入り、段差形成と穿孔の確率が上がる。
長さと作業部長が合う器具は手元の姿勢が安定し、結果として回転のぶれが減りやすい。
操作性は術者の好みで片付けず、若手が同じ挙動で扱えるかを基準に評価する必要がある。

感染対策と再使用運用

再使用器具では清掃と滅菌条件が明記されているかが重要である。
次亜塩素酸ナトリウムやフェノール系薬液への注意が記載される製品もあり、薬液浸漬の習慣がある医院ほど確認が要る。
滅菌温度と時間の標準化は事故予防だけでなく、スタッフ教育の時間短縮にもつながる。

安全性と破折リスク管理

非切削先端とテーパーの違いがもたらす境界条件

先端が切れない設計は穿孔リスクを下げる方向に働く一方、押し込みが強いと根管壁の薄い部位で危険が増す。
先端が切れる設計は下穴形成が速いが、方向付けが甘いと逸脱しやすい。
湾曲根管では根管長全体を拡大する発想を捨て、歯冠側の安全域で止める運用が前提である。

破折時の挙動と撤去の現実

破折時に根元で折れることをうたう製品は、撤去やバイパスの難易度を下げる可能性がある。
ただし撤去はケースバイケースであり、破折を前提に選ぶのではなく、振れ確認と過加圧回避で発生確率を下げるべきである。
破折一本のリカバリーに要する時間は、器具単価の差を容易に上回る点が経営上の盲点である。

経営効率 コスト タイム TCO ROI

価格差は入数と交換頻度で実質差が決まるため、定価の比較だけでは判断できない。
症例あたりコストは器具単価だけでなく、滅菌と在庫管理に要するスタッフ工数も含めて見る必要がある。
標準化できる規格と教育しやすい添付情報を選ぶことが、結果としてチェアタイムのばらつきを減らし稼働率を押し上げる。

【製品別】製品ごとのレビュー

エルワイテラーリーマー は根管口拡大の標準化に寄せた設計である

許容回転数と滅菌条件が明確であり、院内手順書に落とし込みやすい。
刃部径が数値で示されるため、サイズ管理を定量で教育できる。
プレフレア中心の運用で安全域を守れる医院に向く一方、深部拡大の代替にはならない。

ニューエンド ピーソリーマー は基本規格でポスト下穴までを一体運用しやすい

#1から#6の展開で、根管口形成から直線部拡大までの手順を組みやすい。
価格が比較的抑えめで、消耗品の原価を読みやすい点が経営面の利点である。
回転数と挿入深さのルールを先に決めないと、器具破折の責任が個人に寄るリスクがある。

ニューエンド ゲーツドリル は歯冠側の拡大を短時間で安定させたい場面に向く

許容回転数が明記され、低速での制御を徹底しやすい。
歯冠側1/3の拡大に用途を絞ると、NiTiファイルのストレス低減に寄与しやすい。
サイズアップの順序を誤るとストリップパーフォレーションの誘因となるため、症例選択が要である。

ゲーツドリル ラルゴ は長さ選択でアクセスの癖を調整しやすい

28mmから38mmまで選べるため、前歯部の深さと臼歯部の視野制限に合わせやすい。
同じ長さでも挿入深さの管理ができれば、術者間のばらつきを抑えやすい。
ゲーツ系は深追いが事故につながりやすく、使用範囲の線引きをチームで共有すべきである。

ピーソリーマ はポストスペース形成の定番として手順化しやすい

長さと号数が揃っており、ポスト下穴から形成までの段取りを作りやすい。
同一メーカーで揃えるとサイズ感のブレが減り、アシスタントの受け渡しが安定する。
価格はゲーツ系より上がりやすいので、使用頻度が低い医院はセット運用の見直しが要る。

ゲーツドリル は長さを絞って運用したい医院に合う

規格がシンプルで、器具庫の在庫点数を抑えやすい。
臼歯部のアクセスが厳しい症例では、短めを選べるメリットが出る。
詳細寸法の確認ができない場合は、導入前に試用して触感を揃える必要がある。

P.D. ピーソーエンジンリーマ は単品とアソートで購買設計を変えられる

単品とアソートがあり、サイズ偏りのある医院でも欠品を起こしにくい。
CA用で一般的なコントラに適合し、特別なハンドピース投資を要しにくい。
アソートは便利だが使わない号数が死蔵になりやすく、棚卸しの視点で選ぶべきである。

P.D. 歯科用ドリル(ゲイツドリル) はガイド付き設計を重視する方向けである

挿入を容易にするガイド付きの説明があり、慣れない術者でも入り口を作りやすい。
破折時の安全設計の説明もあり、万一のリカバリーを想定する医院で安心材料になる。
ただしガイドに頼りすぎると深追いの癖が出るため、挿入深さの停止基準が必須である。

Mピーソリーマー は先端切削で下穴形成を速く進めたい症例に向く

先端が切れるタイプで、ポスト用ドリルの下穴形成を短縮しやすい。
入数が4本で単価が上がりやすいため、使用症例を限定して原価を管理したい。
方向付けが曖昧なまま回すと逸脱しやすく、経験の浅い術者には教育負荷が高い。

ピーソリーマー は先端非切削で事故リスクを下げたい医院に向く

先端が切れない設計は、穿孔の誘因を減らしたい運用思想に合う。
同一シリーズで揃えると交換サイクルと滅菌フローが単純になる。
切削が進みにくいと過加圧が起こりやすいので、回転と加圧のルール化が前提である。

RTPリーマ はファイナルドリル用途で補綴連携を意識する医院に合う

先端にR付与の説明があり、根管破折リスクを意識した設計思想が読み取れる。
サイズは#1から#3で限定されるため、症例適応を補綴側とすり合わせやすい。
専用品は便利だが使用頻度が低いと在庫回転が落ちるため、外注技工との分担設計が要る。

リーマーT は臼歯部でのアクセス改善を優先する医院に向く

ショートタイプの説明があり、開口量が限られるケースで手首の姿勢を守りやすい。
根管口拡大に適する改良型とされ、操作感を揃える意図がある。
長さの表記が複数あるため、購入時は全長と作業長の確認を徹底すべきである。

マニー ピーソリーマ は許容回転数の明記で院内標準化を進めやすい

許容回転数の記載があり、速度逸脱を防ぐ教育がしやすい。
28mmから38mmの長さ選択があり、前歯から臼歯まで一本化しやすい。
価格情報が公開されないチャネルもあるため、見積もり時に入数と実単価を揃えて比較したい。

マニー ゲーツドリル は低速運用を徹底しやすい基本設計である

許容回転数の記載があり、低速での制御を徹底しやすい。
ピーソ系より細めの設計思想が説明されることがあり、プレフレアでの段階的拡大に向く。
ゲーツ系は深追いの誘惑が強いので、使用範囲を歯冠側に限定する運用が安全側である。

ジッペラー ピーソリーマ は破折挙動と撤去性を重視する設計である

両側支持構造の説明があり、破折リスクを下げる思想が示される。
破折時に根元で折れて取りやすい説明があり、リトリート比率の高い医院で安心材料になる。
RA用のため手持ちのハンドピース互換を確認し、動線に混乱が出ないように管理したい。

導入と運用で失敗しない実務

この節の目的は、器具の性能差よりも運用差が事故とコストを決める現実を言語化することである。
ピーソリーマとゲーツドリルはサイズが見た目で似るため、在庫と滅菌の工程で混線しやすい。
導入後に迷いが出ないよう、症例適応、挿入深さ、回転数、交換基準を紙一枚で共有すべきである。

サイズ管理は号数だけでなく、全長と作業長で棚を分けると取り違えが減る。
単品とアソートは便利さではなく、使用頻度の偏りと棚卸しのしやすさで選ぶことが経営的である。
再使用運用では清掃液と薬液浸漬のルールが事故と腐食を左右するため、添付情報に合わせて院内標準を作る必要がある。

よくある質問(FAQ)

Q ピーソリーマとゲーツドリルはどちらを先に使うべきか
A 目的が歯冠側のプレフレアであればゲーツドリル寄りの設計を選び、ポスト下穴形成まで視野に入れるならピーソリーマ寄りを選ぶ考え方が実務的である。いずれも湾曲部へ深追いしないルールが前提である。

Q 号数の選び方で失敗しやすい点は何か
A 同じ号数でも刃部径の設計が異なる場合があり、思ったより削れて根管壁が薄くなることがある。導入時は寸法表を確認し、症例ごとに挿入深さの停止基準を先に決めるべきである。

Q 滅菌はどこまで厳密に揃えるべきか
A 再使用器具は滅菌条件が製品ごとに記載される場合があるため、最も厳しい条件に合わせて統一するのが運用上安全である。薬液浸漬の習慣がある医院は、腐食や強度低下につながる薬液の注意記載を確認する必要がある。

Q ショートタイプを選ぶ価値はどこにあるか
A 臼歯部や開口量が限られる症例では、手首の姿勢と視野確保が事故率に直結する。ショートタイプは姿勢を守りやすい反面、形成範囲を拡げすぎない運用が必要である。

Q アソートと単品はどちらが経営に向くか
A ケースにより異なるが、使用号数が偏る医院では単品補充のほうが死蔵在庫が減りやすい。症例が多様で新人教育の比率が高い医院ではアソートが手順を単純化しやすい。