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歯科器材のテンポラリークラウンとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ20選を徹底比較!

歯科器材のテンポラリークラウンとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ20選を徹底比較!

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診療の終盤で形成を終え、暫間を装着した直後は問題がなくても、翌日に脱離や破折で連絡が入ることがある。痛みや審美の不安はもちろん、予定外の再来院が発生し、チェアの枠が崩れる。テンポラリークラウンの質は最終補綴の出来栄えだけでなく、医院運営の安定にも直結する。

テンポラリークラウンは最終補綴までの期間に支台歯を保護し、咬合と審美を仮に整える暫間修復物である。材料や方式の選択を誤ると、辺縁の段差やマージン不適合、脱離、破折、清掃不良が起きやすく、再調整の回数が増える。逆に症例の境界条件を押さえ、手順を標準化できれば、短時間で安定した暫間を作りやすい。

本稿は入力データに基づき、既製テンポラリークラウン、ストリップクラウン、モールド、暫間クラウン作成レジンを含む16製品を比較する。規格と値段の違いが臨床と経営にどう効くかを整理し、自院の診療スタイルに合う投資判断を支援する。

比較サマリー表(早見表)

区分製品名主な用途材質や設計の要点包装情報定価目安タイム効率の含意供給性
既製冠クラウンS支台歯形成後の暫間被覆冠PMMA、削合性、常温重合レジンとの接着性前歯用全形態342歯セット、補充6歯33,400円既製冠のため形態づくりを短縮しやすい補充設定あり
ストリップフラサコクラウン シェルテック(透明)前歯修復、小児う蝕修復のフォーム透明ストリップ、弾性、トリミング容易174歯セット、補充5歯44,810円光重合コンポジットの充填で作業をまとめやすい補充設定あり
シェルフラサコクラウン シェルテック(薄いシェル)審美要求の高い前歯のテンポラリー薄いレジンシェル、内面を削らず使う設計全形態180歯セット、補充20歯6,760円前歯形態修整の時間を短縮しやすい補充設定あり
シェルシェルクラウン SA(前歯用)前歯テンポラリー唇面形態、加工性、研磨性形態別20歯、フルセット180歯6,950円審美調整の手戻りを減らしやすい形態展開あり
既製冠イオン印ポリカーボネイト暫間用クラウン前歯と小臼歯の暫間強化ポリカーボネイト、調節容易120歯セット、補充5歯34,000円咬合調整を短縮しやすい補充設定あり
ストリップピドフォームクラウン乳前歯のクラウンフォーム透明フィルム、光重合コンポジット対応120歯セット、補充5歯49,000円小児のチェア時間を短縮しやすい補充設定あり
既製冠ポリクラウン 全形態セット部位サイズの広い既製テンポ耐磨耗性、靱性、審美性、形態数全形態270個、単品10本20,700円在庫を揃えると選択が速い単品展開あり
既製冠ポリクラウン 前歯セット前歯中心の既製テンポ耐磨耗性、靱性、審美性、前歯形態前歯210個、単品10本16,800円前歯の適合調整を短縮しやすい単品展開あり
モールドジョイントキャップ必要部位のみのモールド切り取り式、ディスポーザブル上下SとL、セット20枚、単品10枚4,400円単冠や連結での作製時間を短縮しやすい単品展開あり
レジンテンプスマート暫間修復用コンポジットレジンオートミックス、MMAなし、低収縮10mLカートリッジ、48mLカートリッジなど5,880円練和を省き気泡を減らしやすいカートリッジ展開
レジンプロテンプ 4 テンポラリーマテリアルテンポラリー材料化学重合コンポジット、オートミックス50mLカートリッジ1本31,000円チェアサイド作製の再現性を上げやすいカートリッジ展開
レジンテンプスパンテンポラリークラウン用レジンデュアルキュア、審美と耐久50mLカートリッジ1本など16,170円硬化管理の自由度が高い情報なし
レジンルクサフロー スター暫間修復物の補修補修専用、少量パックイントロパック、リフィル19,500円破折時の修理で再作製を減らしやすいリフィルあり
レジンルクサ テンプスター高強度プロビジョナル高い強度値の公表、オートミックス50mLカートリッジ1本など34,600円臼歯部やブリッジの破折対応に寄与しやすい情報なし
レジンテンプクイックテック作製用高精度、高強度、高審美をうたう50mLカートリッジ1本など15,500円作製時間の短縮を狙いやすい情報なし
レジンテンプドゥーテック作製用口腔内と模型上、刺激臭なし18g 1本、18g 3本5,300円小回りの利く運用を組みやすい情報なし

表はまず区分で選択肢を半分にし、次に包装情報で在庫の持ち方を決めるために使う。既製冠とシェルは形態調整に時間がかかりにくい一方、適合は再裏装で詰める設計になることが多い。オートミックス型レジンは作製の再現性を上げやすいが、硬化後の調整と補修の流れまで含めて設計すると効果が見えやすい。

テンポラリークラウンの役割と分類

この章の目的は、テンポラリーが担う臨床価値を整理し、選択ミスが起きる点を先に潰すことである。暫間は単なる仮歯ではなく、最終補綴へつなぐ治療工程の一部である。咬合、歯肉形態、清掃性を一時的にでも安定させるほど、後工程の手戻りが減りやすい。

支台歯保護と患者体験の両立が要点である

支台歯が露出すると冷温痛や咬合痛が出やすく、患者は不安になる。暫間が外れれば予定外の再来院となり、医院側も予定を崩す。テンポラリーは支台歯保護、咬合の保持、審美の確保、清掃性の確保を同時に満たす必要がある。

既製冠、シェル、ストリップ、作成レジンの違いである

既製冠はサイズ選択とトリミングで形態を作り、必要に応じてレジンで裏装する。シェルやストリップは外形を先に確保し、内側にレジンやコンポジットを充填して仕上げる。作成レジンはモールドと併用して一体成形しやすいが、気泡や硬化管理のルールがないと品質がぶれる。

【項目別】比較するための軸

この章の目的は、スペックが臨床アウトカムと医院収益にどう効くかを因果で理解し、導入判断を迷わない状態にすることである。テンポラリーは最終補綴のように単価が高くないため、材料の性能よりも運用の再現性がROIを左右する。症例の境界条件とスタッフ教育まで含めて比較すると、失敗が減る。

適応と症例の境界条件

前歯の審美重視、臼歯の咬合負荷重視、小児の短時間処置など、目的が違えば最適な方式も変わる。短期間の暫間か、複数週に及ぶプロビジョナルかでも要求が違う。ブラキシズムや咬合高径の低い症例では、薄いシェル単独で長期維持を狙うと破折しやすく、補強設計が必要になる。

材質と硬化方式が意味する臨床差

PMMAやポリカーボネイトの既製冠はトリミングと研磨がしやすく、調整に時間をかけやすい。オートミックス型のコンポジット系レジンは練和を省き、気泡混入を減らしやすい一方、硬化後の切削感や補修の可否でストレスが変わる。デュアルキュアは照射が届きにくい部位でも硬化管理を組みやすいが、手順が複雑になるほど教育負荷が上がる。

適合とマージンの作り方

既製冠やシェルは外形が先に決まるため、適合は裏装や辺縁調整で詰める発想になる。作成レジンはモールドの精度と操作で適合が揺れやすく、標準化が重要になる。適合が甘い暫間は清掃性が落ち、歯肉炎や患者の違和感につながりやすい。

破折、脱離、補修の運用

脱離が起きた時に再作製しか選択肢がないと、再来院とチェアタイムが増える。補修材があるとその場で延命でき、次の工程までつなぎやすい。強度値の公表がある材料は設計の目安になり得るが、最終的には症例の咬合条件と厚み確保が支配的である。

コストとタイムの設計が経営を決める

材料費の差は、作製時間と再調整の回数の差で簡単に逆転する。自院の月間暫間数、再調整率、再来院1回あたりの追加時間を把握し、何を減らしたいのかを決める必要がある。高価な材料を導入しても、手順が複雑で使われないならTCOは悪化する。

チェアタイム短縮の見積もり

暫間関連の手戻りが月にN回あり、1回の追加対応がt分、スタッフ原価をW円毎時とすると、損失は概算でN×t×W/60で見積もれる。材料費よりもこの損失が大きい医院は、オートミックスや既製冠で再現性を上げる価値が出やすい。逆に手戻りが少ない医院は、在庫と教育負荷を最小化する方が合理的である。

在庫回転と包装の相性

形態数の多いセットは選択が速いが、使用頻度の低い形態が死蔵しやすい。単品や補充が用意されている製品は、使う形態だけを回しやすい。開業初期で症例が読みづらい時期は、前歯セットなどに寄せ、需要が見えてから全形態へ広げるとロスが減る。

【製品別】製品ごとのレビュー

クラウンS はPMMA既製冠で常温重合レジンとの併用を前提にする

PMMA採用で審美性と削合性を高め、常温重合レジンとの接着性も意識した設計である。ユニファスト系などと併用し、裏装で適合を詰める運用に向く。前歯中心でテンポの見た目と調整性を両立したい医院に合う。

フラサコクラウン シェルテック(透明) はストリップ型で前歯修復と小児にも寄せられる

透明ストリップで弾性があり、トリミングが容易とされる。コンポジットレジンで外形を作りやすく、短時間処置の設計に向く。防湿と仕上げの手順が揃わないと段差が残りやすい点は注意である。

フラサコクラウン シェルテック(薄いシェル) は前歯の審美テンポを省力化しやすい

前歯テンポ用の薄いレジンシェルとして設計され、人工歯内面を削る手間を減らす狙いである。表層の見た目を先に確保し、内側で適合を詰める発想に合う。咬合負荷が強い症例では厚み確保と補強が必要になる。

シェルクラウン SA(前歯用) は唇面形態と研磨性で説明時間を短くしやすい

唇面形態を意識し、加工性と研磨性に配慮した前歯用シェルである。形態修整のやり直しが減ると、患者への鏡合わせの時間も短くなる。審美優先の院でも、手順が定まればスタッフ主導で仕上げやすい。

イオン印ポリカーボネイト暫間用クラウン は強化ポリカーボネイトで調節の手早さを狙う

グラスファイバー入りの強化ポリカーボネイト製で、はさみやプライヤーで調節できるとされる。前歯と小臼歯をまとめてカバーする設計で、在庫の持ち方がシンプルになりやすい。長期暫間では変色や摩耗への配慮が必要になり得る。

ピドフォームクラウン は乳前歯のクラウンフォームで光重合コンポジットに対応する

乳前歯のう蝕や破折をコンポジットで修復する際のクラウンフォームである。透明フィルムのため光重合型材料を使える点が特徴で、短時間で外形を整えやすい。小児では防湿と形態の再現性が成否を分けるため、ルーチン化が重要である。

ポリクラウン 全形態セット は形態数の広さで選択時間を縮めやすい

耐磨耗性、靱性、審美性を備え、54種類を収納した既製テンポである。サイズ選択が速いほどチェアの流れが途切れにくい。全形態は死蔵のリスクもあるため、単品展開と組み合わせた在庫設計が効く。

ポリクラウン 前歯セット は前歯運用に絞って在庫ロスを抑えやすい

前歯の形態を中心に揃えたセットで、前歯症例の比率が高い医院に向く。開業直後やチェア数が少ない医院では、全形態よりも回転が読みやすい。単品箱との併用で欠品のストレスを減らしやすい。

ジョイントキャップ は切り取り式モールドで単冠から連結までを効率化しやすい

必要な部位だけ切り取って使うディスポーザブルのモールドである。モールド運用は材料練和と硬化待ちの時間が発生するため、役割分担が決まると強い。術者が形成に集中し、補助者が作製を回す体制でROIが出やすい。

テンプスマート はMMAを含まないオートミックスで臭いと収縮に配慮する

オートミキシングの暫間修復用コンポジットレジンで、MMAを含まない組成を特徴としている。刺激臭が少ない運用は患者体験に寄与しやすい。カートリッジ径の選択とチップ管理を決めると無駄が減る。

プロテンプ 4 テンポラリーマテリアル はオートミックスで気泡混入を抑えやすい設計である

化学重合コンポジットレジンで、オートミキシングにより気泡混入の少ない暫間作製を狙う。作製の再現性を上げたい医院や、スタッフ間のばらつきを減らしたい医院に合う。材料費が上がる分、再来院削減で回収する設計が必要である。

テンプスパン はデュアルキュアで硬化管理の自由度を取りやすい

デュアルキュア型テンポラリークラウン用レジンで、短時間作製を狙う設計である。照射条件が取りにくい部位でも運用を組みやすい一方、手順が増えると教育負荷が上がる。症例とチェアサイドの照射動線を先に決めたい。

ルクサフロー スター はビスアクリレート系暫間の補修に用途を絞る

暫間修復物の補修に用いる設計で、イントロパックとリフィルがある。破折や欠けをその場で補修できれば、再作製と再来院を減らしやすい。補修材は使う頻度が低いほど期限管理が重要になる。

ルクサ テンプスター は高強度値の公表で臼歯部ブリッジを意識する

圧縮強度376MPa、曲げ強度125MPaという数値を公表し、高強度をうたうオートミックス型である。臼歯部やブリッジの破折リスクを下げたい医院で候補になる。強度だけで安心せず、咬合調整と厚み確保を手順に組み込むべきである。

テンプクイック は高精度と高審美を掲げたカートリッジ運用である

高精度、高強度、高審美性をうたうテック作製用である。カートリッジ運用は練和時間を削減しやすく、スタッフ教育が進むとブレが減る。コスト評価は材料単価ではなく、作り直しの減少で行うのが現実的である。

テンプドゥー は小容量パックで刺激臭の少ない運用を狙う

口腔内でも模型上でも作製でき、刺激臭がないとされる。18gのパックは使用量が読みやすく、少量症例のロスを減らしやすい。硬化時間と切削感がスタッフの好みに合うかが継続使用の鍵になる。

導入後の運用設計とROI

この章の目的は、製品選定を導入で終わらせず、運用に落としてROIを可視化することである。テンポラリーは再調整が起きると、売上を増やさない時間が増える。手順と責任分界を決めるほど、同じ材料でも結果が安定する。

置き場と滅菌回転を先に決める

既製冠のセットはチェアサイドに近いほど選択が速いが、混載すると探す時間が増える。レジンはチップとカートリッジの管理を含めて一つの作業トレーにまとめるとミスが減る。モールド系は切り取りと廃棄の動線まで決めると、スタッフが使い続けやすい。

記録の型で再作製を減らす

暫間のトラブルは、どの部位がどの材料でどの厚みで作られたかが分からないと再現ができない。使用材料と方式をカルテに定型で残すだけで、再来院時の判断が速くなる。技工所へ引き継ぐ場合も、プロビジョナルの情報が共有されると最終補綴の手戻りが減りやすい。

よくある質問(FAQ)

Q 既製テンポラリークラウンとオートミックスレジンはどちらを優先すべきか
A 前歯中心で外形調整を早く回したいなら既製冠やシェルが合いやすい。症例のばらつきが大きく作り直しが多いなら、オートミックスで再現性を上げる価値が出やすい。最終的には再調整率とスタッフ体制で決めるべきである。

Q ストリップクラウンは誰でも同じ品質で作れるか
A 防湿、トリミング、仕上げの3工程が揃うほど再現性が上がる。小児や前歯では視認性が確保できないと段差が残りやすい。導入時は症例選択を絞り、手順を固定すると安定しやすい。

Q 暫間材料の強度値が高ければ破折は防げるか
A 強度値は一つの目安に過ぎない。実際の破折は厚み確保、咬合接触、ブラキシズム、支台歯形態の影響を強く受ける。材料選定と同時に咬合調整と補強のルールを作ることが重要である。

Q 補修材は常備した方がよいか
A 破折や欠けが一定頻度で起きる医院では、その場で補修できる選択肢があると再来院の負担が減りやすい。頻度が低い医院では期限管理と在庫ロスが課題になる。自院のトラブルの内訳を見て判断するのが合理的である。